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山形を代表する河川・最上川が貫流し、日本有数の巨木の里としても知られる最上エリア。ダイナミックな自然が織りなす絶景やパワースポットが点在し、“ホンモノ”の体験と感動が待っています。どこか懐かしさを感じる、山形県最上地域のおすすめスポットをご紹介します。
提供:山形県 文:旅色編集部
霊峰・月山(がっさん)の麓、大蔵村にある肘折温泉。開湯1200年以上の歴史を持ち、豊富な湯量と効能で古くから湯治場として栄えてきました。最上川水系の銅山川(どうざんがわ)沿いには20軒ほどの旅館が軒を連ね、その温泉はすべて源泉かけ流し。湯治場としての名残から自炊場が設けてある旅館が多く、温泉街の朝市で手に入る旬の食材を使って料理や食事を楽しむことができるのも魅力です。
肘折温泉の名物、朝市は期間中(4月下旬~11月下旬)毎日開催。夏季は朝5時半から温泉街にお店が並び、採れたての野菜や山菜、果物、自家製の漬物や笹巻きなどを販売しています。地元のお母さんたちとの会話を楽しみながら旬の味覚と出会えるのは、肘折温泉朝市ならでは。ほっこり癒される体験とおいしい山形食材を、旅の思い出にいかがでしょうか。
肘折温泉の東に位置する地蔵盛山。その中腹に、肘折温泉の開湯縁起にまつわる老僧が住んでいたとされる伝説の地、地蔵倉があります。現在は凝灰岩の断崖の岩陰に六地蔵の石仏が安置されており、その岸壁の孔に捻った紙を通すと良縁に恵まれると言い伝えられています。縁結びに加え、安産祈願や商売繁盛のパワースポットとして多くの人々が参拝に訪れています。
肘折温泉街からは遊歩道でゆっくり歩いて40分ほど。途中にはブナ林や銅山川などの自然の景色と合わせて散策を楽しむことができますよ。
山形県内を流れる一級河川、最上川。その流域のなかでも随一の景観を誇るのが、戸沢村古口から庄内町清川までを横断する最上峡です。最上峡一帯は樹齢1000年以上の天然杉などが群生し、最上川県立自然公園として雄大な自然美を残しています。16kmに渡る渓谷の両岸からは48もの滝が流れ、なかでも白糸の滝は「日本の滝百選」にも選ばれている名所。124mの高さから落ちる滝は、天から垂らした系のように繊細ながら自然の力強さを感じることができます。
最上峡の絶景は、舟下りで楽しむことができます。春は山桜のピンクが山を彩り、夏は見渡す限りの清々しい新緑、秋には山々が紅錦に染まり、冬はまるで水墨画の世界に迷い込んだような雪化粧と、その表情は四季折々。船頭さんの舟唄や最上訛りのガイドともに、約1時間の舟旅を盛り上げます。
わくわくファーム前森高原は、200haの広大な敷地の中でさまざまな自然体験ができる人気スポットです。ウマやシカ、ヤギ、ヒツジなどの動物と触れ合うことができるほか、ソーセージ作りやアイス作り体験、また宿泊もできるオートキャンプ場としての利用も可能で、大人から子どもまで幅広く楽しめる施設になっています。
なかでも人気なのが、乗馬トレッキング。山々に囲まれた自然豊かな高原の中をウマに乗って進めば、高い視点から雄大な景色を見渡すことができ、心洗われるような時間が過ごせます。もちろん乗馬初体験でもOK。コースやプランが充実しているので、初心者から上級者まで楽しめるのが魅力です。
清流小国川のたもとでマッシュルームの生産や加工を行う、舟形マッシュルーム。年間生産量が約1,500tと全国トップクラスを誇る農場です。舟形町のなだらかな地形と穏やかな風が吹く恵まれた環境で育まれたこのマッシュルームは、品質、味ともに全国で高い評価を受けています。
農場内には、木の温もり感じるレストラン「マッシュルームスタンド舟形」が併設しており、採れたて新鮮なマッシュルームをいただくことができます。ジャンボマッシュバーガーやマッシュピザ、自慢のポタージュスープなど、うまみたっぷりのマッシュルーム料理はここでしか味わえないものばかり。生で食べられるマッシュルームは、トッピングとして無料提供されているのもうれしいところです。お持ち帰り用には、マッシュルームの詰め放題も体験可能です。
「kitokito(キトキト)マルシェ」は、5月から11月までの毎月第3日曜日に新庄市で開催されるマルシェイベントです。「キトキト」とは、最上地方の方言で「ゆっくり」を意味し、“人と人とのふれあいを楽しみながら、ゆったりとした時間を過ごしてほしい”という想いが込められています。
このイベントの特徴は、月ごとに「食」「カレー」「パン」などといったテーマが設けられること。毎回30〜40の店舗が出店し、テーマに沿った食品や雑貨が出品されます。またイベントの会場となる新庄市エコロジーガーデンは、かつて蚕糸(さんし)試験場として使われた建物群が残る国の登録有形文化財で、施設の見学も可能。マルシェを巡りながら、思い思いの時間が過ごせるとあって、遠方からの来場者も増えてきている人気のイベントです。
最上川舟下りの景勝地であり、松尾芭蕉の「奥の細道」の舞台としても知られる最上峡の奥深くに、土湯杉の群生地があります。そこは、通称「幻想の森」。樹齢1000年以上、大きいものでは高さ約30m、幹周りは15mほどにもなる天然杉が空に向かってそびえ立ち、迫力のある光景が広がります。長い歳月、厳しい風雪に耐えてきたその風貌は杉のイメージを覆すもので、まるで幻想の世界に迷い込んだ感覚が味わえる空間となっています。
週末には、幻想の森へのガイド付きバスツアーも開催。森の入り口まで車で行くことができ、その先は散策路として整備されたコースを歩きます。ガイドの幅広い知識のもと、安全に自然を満喫しながら神秘的な散策を楽しむことができますよ。
鮭川村の小杉地区にそびえる樹齢約1000年の大木。根回り約6.3m、樹高約20m、枝張り約17mもあるこの天然杉の根元には山神様が祀られており、「小杉の大杉」の愛称で御神木として村民に親しまれてきました。
杉のてっぺんがまるで耳のような樹形になっており、その姿はまさに「となりのトトロ」に登場するトトロ。撮影スポットとして人気を集めているだけでなく、2つの木が寄り添うように立っていることから、夫婦杉、縁結びの木、子宝の木ともいわれ、パワースポットとしても知られています。
江戸時代に羽州街道の宿場町として栄え、参勤交代の大名が通った金山町。今なお明治期の建物や土蔵が残り、当時の面影を感じることができます。白壁にこげ茶色や黒色の切妻屋根、そして金山杉の下身板張りが特徴の「金山型住宅」が立ち並ぶ街並みは、まるでタイムスリップしたかのような景観を生み出しています。
街の中心部を流れるのは、戦国時代に開削されたとされる農業用水路「大堰(おおぜき)」。春から秋には約250匹の鯉が放流され、流れる水のせせらぎとともに、どこか懐かしい“日本の涼”を感じることができます。夜にはライトアップも行われ、風情ある散策が楽しめます。
かつてはさまざまな物作りに活用され、身近な存在だった藁。その歴史や手仕事の技を受け継ぎ、伝承しているのが真室川町(まむろがわまち)にある「工房ストロー」です。藁が持つ優しさや温かみを生かした生活用品や雑貨を製作、販売しています。
代表の髙橋伸一さんは、地域のお年寄りを訪ねて藁細工の技術や知恵を学び、工房ストローをスタート。地元で受け継がれてきた文化を絶やさぬようにと、藁細工の職人になることを決めたそうです。製品はオンラインショップで購入できるほか、各種イベントにて手仕事を紹介するワークショップも開催しています。
山形県最上地域のおすすめスポットをご紹介しました。どこか懐かしい自然の風景や伝統の技を体験して、日本の魅力を再発見してみてはいかがでしょうか。
今回紹介した最上川舟下りを含む松尾芭蕉ゆかりの施設を巡る「おくのほそ道周遊チケット」も発売中なので、ぜひ次の旅の参考にしてみてください。
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