文字通り春を代表する魚「鰆」
産卵のために瀬戸内海に入ってくる5月頃が旬とされる、春を告げる魚。味は淡泊でクセがなく、身質はやわらかで、岡山県では真子や白子と一緒に食べる文化がある。塩焼きなどのほか、ばらずしの具材にも使用され、岡山の郷土料理には欠かせない食材だ。
- 旬の食材カレンダー
- 4月、5月
- 主な品種・ブランド
- なし
- 主な産地
- 備前市日生町、瀬戸内市牛窓町、岡山市東部(東区宝伝など)
この時期のおすすめばらずし
庶民の知恵が生んだ鮮やかなちらしずし
ご飯や具にも、魚のつけ酢を使用しているのが、岡山のばらずしの特徴。瀬戸内の新鮮な海の幸や、地元でとれた野菜・根菜類などを、豊富にちりばめている。まるで宝石箱のような彩りは、見た目も鮮やかで、目でも楽しめる郷土料理となっている。
- 美味しい豆知識
- かつて岡山藩主が命じた「一汁一菜」の倹約令に際し、同じつけ酢に漬けた具を“一つ”とした庶民の知恵が、発祥といわれている。
自然の恵みたっぷり!旬の食材マスカット・オブ・アレキサンドリア
- ジャンル
- 野菜・果物
「ブドウの女王」と呼ばれる気品高い一品
原産は遥か昔、エジプトとされる。淡い黄緑色をしており、香り高い果汁と、さっぱりとした甘味が魅力。独特の軽やかな風味は広く愛され、ワインやゼリーなどに多く用いられる。岡山は、国内に流通しているほとんどのマスカットが岡山県産というほどの名産地。
- 旬の食材カレンダー
- 7月、8月、9月、10月
- 主な品種・ブランド
- なし
- 主な産地
- 岡山市、倉敷市、総社市等
この時期のおすすめ津山ホルモンうどん
肉質のいいホルモンとうどんが絶妙の相性
牛のホルモンを、秘伝のタレとうどんとともに焼き上げる、津山自慢のご当地グルメ。津山地域は古くから牛馬の流通拠点とされており、スタミナ満点のホルモンうどんを供する店は50軒以上にのぼる。香ばしい味わいを生ビールと共に楽しもう。
- 美味しい豆知識
- 牛肉は熟成すると旨味を増すが、ホルモンは新鮮さが大事。うどんの中で主張するプリプリの食感は鮮度がいいホルモンの証しだ。
自然の恵みたっぷり!旬の食材ママカリ
- ジャンル
- 魚介
さっぱりしながら美味しい酢漬けは岡山名産
ママカリはニシン科の「サッパ」の別名。この酢漬けを食べると、あまりに味がよく食が進み、飯(まま)を借りるほどとの例えでそう呼ばれるほか、稲刈りの頃に脂が乗るため、「飯(まま)刈り」の意味との説もある。初夏は身がやわらかく、秋は脂乗りがよい。
- 旬の食材カレンダー
- 11月、12月、1月
- 主な品種・ブランド
- なし
- 主な産地
- 岡山市、瀬戸内市
この時期のおすすめアミ大根
特産アキアミとダイコンの旨味が絶妙
牛窓や児島湾で水揚げされるアキアミは、10月から年末にかけてが旬。ダイコンと炊き合わせると、ダシの味をしっかりと含んでとろけるような口溶けになり、寒くなる季節には、この上のないごちそうとなる。新鮮な生のアキアミが入手できる岡山の郷土の味だ。
- 美味しい豆知識
- 「アキアミ」は漢字では「秋醤蝦」。体長2~3cmの桜エビの仲間で、アミ科の「アミ」やオキアミ科の「オキアミ」とは別種。
自然の恵みたっぷり!旬の食材日生ガキ
- ジャンル
- 魚介
河水の流れ込みで優しい味わいのカキに
高梁川、旭川、吉井川などの河川が流れ込む日生地域。そこでとれるカキは、海水のみで育ったものとは違い、やわらかく優しい味わいに。この季節、地元では大量のカキが家庭にも出回り、生ガキや焼きガキ、シチューの具材など、さまざまな料理で楽しまれる。
- 旬の食材カレンダー
- 12月、1月、2月、3月
- 主な品種・ブランド
- なし
- 主な産地
- 備前市日生町
この時期のおすすめカキオコ(カキのお好み焼き)
よそにはない“日生流”のお好み焼き
地元の家庭では昔からの定番料理。生地を混ぜ込んだ大量のキャベツを鉄板に広げ、その上にとれたてのカキをふんだんに並べる。火を通しても身縮みしない日生のカキの海のエキスが生地に染み出した味わいは、ひと口食べただけでほかとの違いがわかるはず。
- 美味しい豆知識
-
鉄板の上にのせても、あまり身が縮まない日生のカキ。水揚げされてから、余分な水分を吸わせていないからだとか。