リブロ

ひとり一人の人生に寄り添う身近なとっておきの場所

明るくナチュラルなプロヴァンス風の佇まいに、清潔感ある白壁の店内。ヨーロッパから取り寄せたという建具やアンティーク家具がセンス良くとけ込み、長居するどころか住みたくなってしまうほど居心地がいい。それもそのはず、リブロは材木店から始まった家づくりのプロ。モデルルームとして建てた一軒家を改装して始めたのがこのカフェだという。 　「家は買うものではなく一緒につくるもの。思い描く暮らしがカタチにできるよう、じっくりと打ち合わせることが大切です。だからこそ、来やすくて話しやすい店にしたい……そう思ったのがカフェをはじめたきっかけです」。そう話すのはオーナーの土居潤子さん。「食」は「住まい」と同じくらい大切なものだからと、カフェの食材にもとことんこだわっている。例えば、野菜は、中国山地の奥地で無農薬栽培している望見農園から仕入れており、 「無化学肥料の土と清らかな水で、草も一緒に生やしながらたくましく育てる農法で栽培されていて、白菜やジャガイモなども味が濃くて甘いんですよ」と、土居さんは目を輝かせる。実は無類の野菜好きで、その彼女が惚れ込んだ味なのだ。 　さらに、米は自家製コシヒカリ、牛乳は蒜山のジャージー牛、卵はさとみ農園の平飼い有精卵……とこだわりを挙げればキリがない。それら厳選素材を使って、ジンジャーエールに使う生姜シロップや、サラダのドレッシング、口どけのいいジェラートまで、シェフがすべて無添加で手作りする。そのノウハウを活かした料理教室や、食と花と雑貨のマルシェも開催しており評判だ。 　こんな素敵なところで結婚式がしたい、というカップルも多く、ウエディングを手掛けて７年になる。 　「結婚式をきっかけに、家づくり、マルシェ、カフェでのお食事……と、長いお付き合いになるご家族は少なくありません」と、土居さん。2016年9月には和の会場『GEN（ゲン）』もオープンし、和風ウエディングや、和装での写真撮影、お茶会など趣味の集いも可能になった。 　人々の暮らしに寄り添い、地域に広く親しまれるこの店は、旅人にとっても魅力的な存在だ。おいしい食事はもちろん、人生を楽しむヒントにも出合えるかも知れない。