ヘアメイク/前田亜耶 文/合津玲子(ランズ)
これまでは「旅といえばアクティブに!」というスタイルが多かったと語る岡田さん。最近は絶景に触れてのんびりと過ごす旅が増えているそうです。今回巡った那須塩原でも、景色やアートに触れて存分に癒されたようです。
今回は栃木県の那須塩原を巡りました。
いかがでしたか。
初めての場所ばかりで、発見しかなかったです。特にもみじ谷大吊橋ではテンションがあがりました! 山のなかに大きな吊り橋がかかっているんですけど、なんだか異世界感があって、映画のなかにいるみたいでした。ほかに人がいなかったので、思わず橋の上で「ヤッホー!」って叫んだり、ちょっと走ってみたり。揺れるのもまた楽しいし、すごい開放感で、ついつい、はしゃいじゃいました(笑)。
レトロな街並みでの散策も楽しみましたね。
塩原温泉郷が昭和レトロな雰囲気で、素敵でした。街のなかにあった、昔の蔵を使ったみんなの蔵TEOという休憩スポットは驚きましたね。あれだけしっかり作られているのに、鍵もかかってなくて、無料で自由に使えるなんて考えられないです。それがかっこいいなあって。東京ではありえないですよね。外のベンチでのんびりしたり、中でくつろいだりできるんです。地元の人がアイデアを出し合ってつくった場所と伺って、そういう地元愛が感じられる場所っていいなぁ、と思いました。あとは、黒磯駅前から続く街並みもよかった! レトロモダンな雑貨屋さんが並んでいて、どこも雰囲気があって。私は「Chus」というお店に立ち寄ったんですが、地元の食材でつくったチーズやジャムがあって、どれもおいしそうでした。カフェもあるんですよ、ここ。お店の外のハンモックも気持ちが良くて、とにかく居心地のいいお店でした。
那須塩原の食事も堪能できましたか。
おいしいものがいっぱいでしたね。なかでもおいしかったのが「とて焼」。何種類かあるんですけど、私は、自家製のヨーグルトと、なつおとめというイチゴがのったものをいただきました。甘すぎず酸味もちょうどよくて、ぺろりと完食しちゃいました。まわりの生地もね、どら焼きとクレープのいいとこどり、という感じで。ふわふわなんだけど、結構しっかりした味わいで。食べ歩きにもおすすめです。あとは、道の駅で食べたチーズフォンデュもおいしかった! 地元で作っているチーズがとてもクリーミーで、野菜も甘くて、パンもおいしくて。女子としては、気持ちがあがらないわけがないですよね。チーズに負けない野菜と、野菜に負けないチーズの組み合わせ、最高でした!
ほかに心に残っているものはありますか。
菅木志雄さんというアーティストの作品を展示している板室温泉の大黒屋にあった倉庫美術館ですね。世界観に圧倒されました。菅さんは「この世にあるものはすべて無駄じゃない」とおっしゃっているそうなんですが、ああ、いい言葉だなって思って。最初は、正直、アートの観賞の仕方がよくわからなかったんですけど、案内の方から「好きなように観て、感じることが大事だ」と教わり、「解釈は人それぞれでいいんだ」と気づかされました。さまざまなメッセージがあったり、社会の枠組みにとらわれない、個性を大事にするアートなども多くて、触発されることが多かったです。今回は、自然豊かななかでアートに触れて、おいしいものをたくさん食べて、充実した旅でした。とても自然体でいられる場所だったので、また、違う季節に来ても楽しめそうですね。
トップス20,900円、パンツ44,000円(プリーツ プリーズ イッセイ ミヤケ/イッセイ ミヤケ 03-5454-1705)、コート231,000円(エルマンノ フィレンツェ/ウールン商会 03-5771-3513)、ブーツ97,900円(フリーランス/リディア 03-3797-3200)、バッグ94,600円(トリー バーチ/トリー バーチ ジャパン 0120-705-710)、イヤリング75,900円(カオル/カオル ルミネ有楽町店 03-6269-9305)、リング39,600円(ヨハン シルバーマン/ティーニー ランチ 03-6812-9341)
旅は大好きとうかがいましたが、
これまでの思い出深い旅を教えてください。
母とコロナ禍になる前に行った金沢二人旅ですね。これまで、親孝行らしいこともしていなかったし、母が温泉に行きたいと言っていたので。誰かを喜ばせるための旅行は初めてだったので、いい思い出になりました。一緒に陶芸をしたり知恵の輪をやったり、ビリヤードや卓球なんかもやりました。旅行の間ずっとおしゃべりしていました。小さかったときのことをあれこれ思い出して笑いあったり、「家だとこんな深い話、しないよね」というようなことも話せたり。それって、旅先だからなんだなと思うと、とてもいい時間でした。
それまでは、どんな旅が多かったですか。
サイクリングやスキー、スノボなど、とにかくアクティブに遊ぶことが多かったですね。だから、せっかく観光地に行っても、「別に観光しなくてもいい」と言っていた自分がいて。今思うと、もったいないことしたなあって思います。苦労して歩いて絶景を見に行くとか、そういうのも楽しいし、癒されるし、それが旅をする深さだと、やっとわかるようになったので。街に触れる、人に触れる、自然に触れる。そうやってちゃんといろいろなことを学びたい、吸収したいって、今は思っています。
では、これから行ってみたい場所があれば
教えてください。
日本をもう一度振り返る旅がしたいです。うちの家族は本当に旅行が好きで、小さい頃から1年に何度も旅行をしてきたんですが、そのとき感動した場所に、大人になった今、改めて行くのっていいなあと思うんです。最近、旅の写真を見返してみたんですが、見落としていたり忘れてしまった絶景も結構あることに気づいて。たとえば、「さっぽろ雪まつり」では、氷でつくった巨大な像を見て「人間ってこんなこともできるんだ」って、めちゃくちゃ感動した記憶があるので、ぜひもう一度、あの感動を味わいに行ってみたい。一人旅もしてみたいです。実は18歳のころ、一人旅をしたいといったら、母から「危ないから20歳までは絶対だめ」と言われてあきらめました。でも、もうそろそろいいんじゃないかな。今まで行った場所でも、一人だとまた、新鮮な気持ちになれると思います。
ブラウス91,291円※参考上代(ラ フェティッシュ/リディア 03-3797-3200)、パンツ22,000円(オットダム/ストックマン 03-3796-6851)、ブーツ49,390円(レッドウィング/レッドウィングジャパン 03-5791-3280)、バッグ59,400円(リュニフォーム/リュニフォーム トウキョウ 03-6812-2930)、イヤリング38,500円、リング275,000円(カオル/カオル ルミネ有楽町店 03-6269-9305)
旅の必需品は、その人のスタイルを表すもの。岡田さんの大切にする旅アイテムはなんですか?

旅先や移動中、音楽を聴いたり小説を読んだりするのが大好きです。そして旅の思い出を残すため、カメラも欠かせません。今はフィルムカメラがお気に入り。今回は“写ルンです”を途中で購入して持ってきました。
まるでプライベートのように自然体に旅を楽しんでくれた岡田さん。撮影中もいろんな表情を見せてくれました。



