佐賀県古湯温泉で感じたわたしにとっての「リトリート旅」

佐賀県

2023.11.29

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佐賀県古湯温泉で感じたわたしにとっての「リトリート旅」

旅色LIKESの定例イベントになった「ちゃんと旅を考える会」。このイベントができるきっかけとなったのが、LIKESメンバー美娜さんの「ちゃんと考えると、『旅はもっとおもしろくなる』について考えてみた」というブログでした。そんな美娜さんが佐賀県古湯(ふるゆ)温泉で「リトリート旅」へ。もともと旅好きで弾丸旅などもしていた美娜さんが初めて体験した「リトリート旅」の良さを宿の魅力と共に語っています。

目次

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気づけば旅から離れていた旅好きのわたしが「リトリート旅」へ

恩を送る宿「古湯温泉ONCRI/おんくり」で過ごす「自分をかわいがる旅」

穏やかな時間が流れる自分のためだけに過ごす旅

湯処「SHIORI/しおり」でぬる湯を堪能

「リトリート旅」をして

◆この記事を書いたメンバー

気づけば旅から離れていた旅好きのわたしが「リトリート旅」へ

コロナ渦の規制も解け始め国内外と行きやすくなった今、「リトリート旅」というワードを目にすることが増えてきました。「リフレッシュ」や「観光を目的とする旅行」とは違う旅のかたち。たくさんの旅情報があふれる中、どれこもれも楽しそうで、おいしそうで、美しい景色で非日常を満喫できる旅……。そんな情報を見ると、お腹いっぱいな自分がそこにいました。あれだけ旅に行きたくて仕方なかったのに、旅から離れている自分に気づいた瞬間でした。「リトリート旅」ってどんな旅になるんだろう?

―リトリート(retreat)とは「仕事や人間関係で疲れた心身を癒やす過ごし方」のこと。本来は「静養先」や「避難所」、「隠れ家」という意味でしたが、最近欧米が語源では「再治療」「回復」を意味する「リトリートメント(Retreatment)」が語源という説も。日本では「転地療法(療法)」とも言い換えられます。日常生活から一歩離れた非日常の空間で自分と向き合い、心と身体をリラックスさせる。これは、一日中観光名所を巡り、おいしいものを食べ歩くなど、目いっぱい観光を満喫するアクティブな旅行とは異なります。―

旅色より引用

旅色ではこのように定義されていましたが、わたしの「リトリート旅」の解釈は「何もしない」「起きたいときに起きて、寝たいときに寝る」「ごはんの心配をしない」旅スタイル。とにかく「何も考えない」のがわたしのとっての「リトリート旅」ではないのか……?

とにかく何もしたくない、何も考えたくない、ましてや旅がお腹いっぱいなんて私の人生において初めてのことでした。自分自身に何が起こっているのだろう、非常事態。でもきっとまだ大丈夫。目的はなんでもいい。家事も仕事もしなくていい日が欲しい。長期間は難しいけど、2泊3日の食事付きプランで温泉と部屋でゆっくり好きなように過ごすことにしました。おいしいものを食べて、ゆっくり寝てとにかく「自分をかわいがる旅」。これが私の「リトリート旅」だと考え、初めて観光しない旅に出かけました。

恩を送る宿「古湯温泉ONCRI/おんくり」で過ごす「自分をかわいがる旅」

旅色LIKES

福岡市内から車で約1時間。古湯(ふるゆ)温泉は佐賀市富士町、背振山(せふりさん)の山間にある開湯2000年以上の歴史ある温泉です。古湯温泉では、2食付きプランで2連泊してきました。食べては寝て、起きては温泉に入るこの「自分をかわいがる旅」。歴代の旅では考えられなかった旅になりそうな予感でした。
宿泊先は「古湯温泉ONCRI/おんくり」。宿名の意味は「頂戴したご恩を誰かに送る、その方がまた誰かに……という、“恩送り”・“感謝の連鎖”」だとか。人との付き合いや毎日の忙しさに疲れていたわたし。「感謝」という言葉でドキッとしたと同時に、なんだかご縁を感じました。
宿はわたしの住む福岡市内から車で1時間弱。家を13時に出発し14時過ぎには到着するという、福岡の立地の良さをあらためて認識しました。また、家から15分も走ればすぐにのどかな景色が広がります。山の緑、窓を開ければ聞こえる虫の声、太陽の日差し、照りつける太陽の日差し……。どれもこれも当たり前の光景が、気持ちに穏やかさを持ってきてくれました。あっという間にお宿に到着。ウエルカムドリンクは水出しのアイスコーヒー。ロビーから望む景色は雄大な山。自分を回復する「リトリート」旅の始まりです。

穏やかな時間が流れる自分のためだけに過ごす旅

旅色LIKES
旅色LIKES
旅色LIKES
旅色LIKES

部屋は6階のラグジュアリーツイン。ベッドルームとリビングルームが独立した和モダンな部屋です。リビングは大きな窓から雄大な山を眺められ開放感が抜群。リビングルームの窓に沿って大きなソファーが配置されています。部屋に荷物を置いたら、まずは館内のレストラン「SEBRI/セブリ」でカフェタイム。この日は本日おすすめのデザートを注文。大好きなティラミスで、なんと相性のよいお宿なんだろうと1人感激してしまいました。夕食はレストラン「季味(きみ)」での和食をチョイス。どれもこれもおいしくいただきました。

湯処「SHIORI/しおり」でぬる湯を堪能

旅路LIKES

ホテルHP参照

古湯温泉は、湯治湯として栄えた「ぬる湯」で有名な温泉地でもあり、38℃ほどの人肌なので長湯も楽しめ、リラックス効果が抜群です。人肌ほどの温度で露天風呂では夜空を眺め、虫の声をBGMに最高の時間が過ごせます。その他にも檜風呂やサウナ、別料金での砂蒸し風呂もあり温泉の種類も充実。それでいて湯上がりは体がずっとぽかぽかしていたので本当におすすめです。

◆古湯温泉ONCRI/おんくり
所在地:佐賀県佐賀市富士町大字古湯556
営業時間:チェックイン15:00~、チェックアウト~11:00

古湯温泉ONCRI/おんくり 公式HP

「リトリート旅」をして

非日常というほどでもなく、だからといって日常でもない過ごし方。自分をかわいがるとは、自分をねぎらうということなのでは? 何も旅することがねぎらうことではないけれど、「何も考えない時間」は間違いなく「リトリート旅」でした。次の日からすっきりするわけではなく、ここで過ごした2泊3日の旅をきっかけに、1週間ほどして肩の力が抜けていく感覚になりました。旅をしてすぐに何かを求めたり、答えを出したりする必要はなく、自分のペースでリトリートする。そうすると、不思議と旅に行きたくなったのでした。「リトリート旅」、かなりおすすめです。

◆この記事を書いたメンバー

旅色LIKES

美娜さん(1期生)
福岡市在住です。 写真、寺社仏閣、自然、世界遺産が好きです。 鉄道旅も好きで、青春18切符で日本一周に出かけたことも。 目指せ47都道府県制覇、目指せ世界一周!

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#旅色LIKES #佐賀県 #ちゃんと旅を考える会 #ちゃんと旅を考える #リトリート旅 #リトリート #古湯温泉 #何もしない旅 #自分をかわいがる旅 #温泉

Author

ちゃん旅 美娜

ちゃん旅ちゃん旅

美娜

福岡在住の会社員。夢は世界一周、そして47都道府県制覇。年齢を重ねる度に変わる「旅をするとは? 」を考えながら、旅先でのワクワクでドキドキな感動や景色をお届け。好奇心を忘れず、ちゃんと旅を考えると、旅はもっと楽しくなる! をモットーに発信します。

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