【語る大将、語らない大将】旅色営業スタッフが選ぶ銀座のすし店
ハイブランドショプが立ち並ぶ銀座。有名レストランなどトップクラスのシェフが腕を振るう店がジャンルを問わず揃います。銀座のすし店もそのひとつ。ネタのみならず、しゃりやのり、わさびや醤油、酒までもが洗練されている店ばかり。今回は、銀座エリアでさまざまなすし店を見てきた旅色営業部・キクチが選ぶ、技巧を凝らしたすし店のディープな魅力を紹介します。自分へのご褒美に、銀座のすし店へ足を運んでみてはいかが。
目次
◆お店をセレクトしたエリアマスター:営業部キクチ
今年で3年目の旅色営業スタッフ。都内各地を回ったのち銀座エリアの担当に。銀座は、高級感ある大人の街という印象ですが、それだけではなく個性豊かな、人情にあふれる街だとエリアを1年担当して感じました。今では仕事以外のプライベートでも銀座へ足を運ぶほど街が大好きです!
「味に集中してほしい」メニューがないすし店
銀座いわ
ミシュラン一つ星を獲得している「銀座いわ」。決まったメニューはなく旬のネタをお客さんの要望に合わせてその場で料理し、提供するスタイルが特徴です。6月下旬のおすすめは、冬場に比べると少しあっさりとした味わいのイワシや、初夏のみ市場にでまわるコハダの稚魚・シンコ。さらに、「梅雨いさき」という呼び名があり、卵を持ち出しても味が落ちないといわれるほど脂がのっている、この時期絶品のイサキも見逃せません。ほかにも、6月下旬頃から旬を迎える北海道の雲丹や、歯ごたえがあり、甘みもある石影貝(石垣貝)も必見。
キクチは「銀座のすし店では、ネタを出しながら説明をするお店が多い中、大将の岩さんは食事に集中し、楽しんでもらいたいと、多くは語りません。お客さんの時間を大切にしたいと思う岩さんの人柄や、その腕が生み出す繊細な味にはたくさんのファンがいて、他のすし店の大将にも顔が広く、多くの人に親しまれているお店です」と魅力を教えてくれました。
こだわりの一つひとつを教えてくれるすし店
鮨一也
食への探究心が強い大将の村山さんが営む「鮨一也」。こだわりは、羽釜で昆布天然水を使ってお米を炊いたり、ネタに合わせて赤酢と白酢を使い分けたり、季節によって塩分を調整したりと、しゃり一つとってもこだわりがたくさん。特に「すし屋の5つの『り』」である、しゃり、がり、あがり、のり、おしゃべりのクオリティーにはこだわっているそうです。料理を提供する度、こだわりの一つ一つを言葉に乗せ、接客する姿は、臨場感溢れ、人気だそう。
イチオシのメニューは「海のTKG」で、北海道産のウニやイクラ、ラトビア産スターレットキャビアをトリュフで香りづけした宝石箱のような卵かけご飯(TKG)。6月下旬以降は、ふんわりと炊き上げたアナゴと丁寧に骨切したハモが旬のおすすめだそう。キクチによると「何のネタがどのようにおすすめなのか、解説を聞きながら嗜むことができる人気のお店」だそう。
空間をも味わえる老舗すし店
日本橋すし鉄本館
江戸前寿司を150年以上にわたり提供している老舗すし店「日本橋すし鉄」。料理長の安田さんが、毎日豊洲市場で目利きし仕入れてくるので、日々ネタが変わります。その日一番おいしい魚介を揃えているのが魅力。
キクチが絶賛するのは料理だけでなくおいしく楽しく食事をするための空間へのこだわり。「1階はカウンター、2階は半個室部屋の全19席。上質かつ銀座エリアのすし店の中で稀に見る席数の多さなので、シーンに合わせて席を選べるのも特徴です。少人数で訪れ、料理長との会話に花を咲かせるも良し、家族や友人と行って2階で会話を楽しむのも良し!」。
おわりに
“生”ものが故に、素材の味と処理の技術で差がでるすしの世界。今回紹介した3店舗は、極限まで味にこだわる技術と細部にまで行き渡る気遣いや信念に溢れていました。すし店を選ぶときは口コミだけでなく、何を求めて行くか、目的があるとさらに味わい深くなるはず。最高峰の腕利きが揃う銀座で、大将自身の人柄をも知れる磨きのかかったすしを堪能するショートトリップもおすすめです。