浅田政志の宿旅

旅の目的は、あの宿に泊まること―。色鮮やかな宿泊体験を切り取る写真連載。第33回は、外観、フロア、客室のすべてが色とりどりのホテル。カラフルでシンプル、映えるうえに落ち着く、不思議な空間が広がっています。
写真家 浅田政志の宿旅
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いつでも新緑

Vol.33「toggle hotel suidobashi」東京都千代田区

館内すべてがグリーンやブルー、ピンクなどで統一されいます。「トグル」には“切り替え”という意味があるそうで、ホテルの中と外、また色ごとに別世界にいるようです。
探せ! 推しカラー
フロアカラーはライトブルー、ダークブルー、パープル、ピンク、グリーンの全5色で、差し色としてイエローやベージュ・グレーなども。そしてここは東京ドームが近く、3人以上で宿泊できる客室も多数。となると、ライブ終わりの宿は決まってくるはず。ちなみにDVDプレーヤーの貸し出しもしてくれます。
色あそび
館内すべてがおしゃれなバイカラーなので、服の色を合わせてアートな写真を撮っている人も多いそう。うまくいくと忍者のように存在を限りなく消すことも可能。アイデア次第で、忍者にもアートにもなれます。
シンプル is カラフル
3人以上で泊まれる客室が多いのも特徴。子どもが落ちないよう小上がりにお布団を敷いたつくりなので、ファミリーにもぴったり。自分のものがわかる色違いの歯ブラシ(米粉配合)などのアメニティや、2次元コードに集約された館内ガイドなど必要なものがシンプルに揃っています。
差し色は自分色
予約の際は客室タイプだけでなく、カラーの希望を伝えるのもお忘れなく。宿泊階以外は入れないフロアもありますが、宿泊者は、撮影スタジオのような鮮やかな黄色のランドリールームには入室できます。
保護色
最上階にあるカフェでは、朝食の提供も。周囲を見渡せるので、ここは東京だったと思い出します。それほど色の魔法は強力で、夢のような不思議な世界にひたれます。洋服の色を合わせられないときはフロントで買えるオリジナルのTシャツをどうぞ。

「toggle hotel 
      suidobashi」

館内だけでなく、外観もバイカラーで、無彩色のオフィス街で目を引くtoggle hotelは2021年4月にオープン。世界的に有名なデザイン賞を受賞するなど、国内外から注目を集めています。デザインだけでなくホテルとしての機能も魅力的で、客室のカラーも素材によって風合いが異なり、穏やかな発色なのでその色に没入しているようでリラックスできます。また、宿泊料は1室あたりの価格なので、グループで宿泊するのもおすすめです。

住所 / 東京都千代田区飯田橋3-11-4
料金 / 1泊1室あたり10,700円~(税・サービス料込)、オリジナルTシャツは2,000円

浅田政志
Masashi Asada浅田政志
1979年三重県生まれ。2007年に写真家として独立。2008年、写真集『浅田家』(赤々舎刊)で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。2020年、『浅田家!』として映画化された。著書に『NEW LIFE』(赤々舎刊)、『家族新聞』(幻冬舎刊)、『浅田撮影局 まんねん』(青幻舎)など。また、国内外で個展やグループ展を精力的に開催している。2月19日(土)~5月8日(日)まで、水戸芸術館で個展「だれかのベストアルバム」が開催される。
http://www.asadamasashi.com/