標高1400mの山頂にあるロープウェイ発着地
(天空の楽園 日本一の星空ナイトツアー)
テーマのある旅 星空から目が離せない冬の天体観測
星空から目が離せない冬の天体観測

星空から目が離せない冬の天体観測

冬は乾燥により空気中の水蒸気が少なくなるため、大気の透明度が上がります。さらに、四季のなかでも最も明るく見える一等星の数が多いため星空が明るく見え、天体観測にはぴったりの時期です。照明を切って星空を楽しむナイトツアーや特徴ある望遠鏡で観察できる天文台で、夜空に輝く星を眺めに出かけましょう。

文/松尾好江(ランズ)

りくべつ宇宙地球科学館 銀河の森天文台
陸別町から見る北天に輝く星
提供:銀河の森天文台

Spot01 日本一寒い町で夜空を仰ぐ りくべつ宇宙地球科学館 銀河の森天文台

北海道陸別町
りくべつ宇宙地球科学館 銀河の森天文台
6台の望遠鏡を備える銀河の森天文台
りくべつ宇宙地球科学館 銀河の森天文台
115cm大型望遠鏡「りくり」は、覗き口が人の背丈に合わせて変えられるので、子どもや車いすの方など誰でも無理のない姿勢で覗くことができる
りくべつ宇宙地球科学館 銀河の森天文台
1階展示室には人工オーロラ発生装置があるほか、オーロラや宇宙について学べる

陸別町は、マイナス30度を下回ることもある寒さが厳しい町です。この寒冷な気候が、星空観測に大切な澄み切った空気を作り出します。平成9(1997)年、環境省の「星空にやさしい街10選」に選出されたことをきっかけに翌年「銀河の森天文台」が建設されました。天文台には、一般公開している天文台の中では日本最大級の115cm反射望遠鏡「りくり」をはじめ、小型望遠鏡や大型双眼鏡などが備えられています。りくりでは、見ごろの惑星や月、銀河、星雲、星団といったさまざまな天体を見ることができます。1階の展示コーナーでは、モニターを使ってオーロラや宇宙について、また、パネルの写真で星空を紹介しています。

りくべつ宇宙地球科学館 銀河の森天文台 住所/北海道陸別町宇遠別
開館時間/13:00~21:30(10~3月)、14:00~22:30(4~9月)
休/月・火曜日、5月第3週月曜日~第4週金曜日
料金/300円(10~3月13:00~17:00、4~9月14:00~18:00)、500円(10~3月17:00~21:30、4~9月18:00~22:30)
アクセス/車:道東自動車道足寄ICから約45分
電話/0156-27-8100

県立ぐんま天文台
県立ぐんま天文台で撮影された冬の大三角形とモニュメント

Spot02 世界最大規模の望遠鏡を覗く 県立ぐんま天文台

群馬県高山村
県立ぐんま天文台
小高い山の上に建てられた県立ぐんま天文台

県立ぐんま天文台は、平成6(1994)年に群馬県出身の向井千秋さんが日本で初めて女性宇宙飛行士として宇宙に行ったことなどを記念して平成11(1999)年に建てられました。夜間の天体観望に使用する主鏡の直径150cmの望遠鏡は、目で直接覗くことができる世界最大級の望遠鏡です。スタッフが操作し、天体の解説をしてくれるので、初心者でも気軽に楽しく見られます。2階の展示室では、望遠鏡や観測装置の模型を見ながら、仕組みや観測データの解析方法を知ることもできます。また、土・日・祝日には昼間の星の観察会や、3Dシアター「地球から宇宙の果てまで」といったミニイベントが開催されているので、参加してみるのもおすすめです。

県立ぐんま天文台 住所/群馬県吾妻郡高山村中山6860-86
開館時間/昼間の施設見学10:00~16:00(11~2月)、10:00~17:00(3~10月)、夜間の天体観望18:00~21:00(11~2月)、19:00~22:00(3~10月)
休/月曜日(祝日の場合は翌火曜日)※日により異なる
料金/300円
アクセス/電車:JR上越線渋川駅からタクシーで約30分、車:関越自動車道渋川伊香保ICから約35分
電話/0279-70-5300

県立ぐんま天文台
直接覗くことができる世界最大クラスの「150cm反射望遠鏡」
県立ぐんま天文台
本館前広場では、18世紀のインドの天体観測器機群ジャンタル・マンタルを再現
天空の楽園 日本一の星空ナイトツアー Season 2021
富士見台高原ヘブンスそのはらから見る冬の夜空

spot03 日本一の星空の村にある絶景エリアで 天空の楽園 日本一の星空ナイトツアー Season 2021

長野県阿智村
天空の楽園 日本一の星空ナイトツアー Season 2021
約15分かけてロープウェイで標高1400mにある「富士見台高原ヘブンスそのはら」へ
天空の楽園 日本一の星空ナイトツアー Season 2021
天体望遠鏡メーカー「Vixen-ビクセン-」を使って、地球に最も近い天体「月」を見る(2月7日~10日、3月9日~12日に開催)
天空の楽園 日本一の星空ナイトツアー Season 2021
山の麓には星や宇宙をテーマにしたショップが

長野県の南端に位置し、標高410mから恵那山山頂2191mの山間地に56の集落が点在する阿智村。環境省の全国星空継続観察で平成18年に「星が最も輝いて見える場所」に認定されました。高低差600m、全長2500mのロープウェイで約15分かけて登ると標高1400mにある「富士見台高原ヘブンスそのはら」へ。町の光が届かない山頂では、合図とともに一定時間すべての照明が消灯されるので、暗闇の中で星々の輝きをゆっくりと見ることができるのです。「STAR GUIDE AREA」では、スターガイドが季節の星座を紹介してくれます。また、2月11日~14日、3月13日~16日は、芸人の「星のお兄さん」が笑いを交えて星座解説をするイベントも開催。星や宇宙をテーマにしたショップも用意されています。

天空の楽園 日本一の星空ナイトツアー Season 2021 住所/長野県下伊那郡阿智村智里3731-4(富士見台高原ロープウェイ ヘブンスそのはら)
営業時間/18:00~20:30
料金/2000円~
アクセス/JR中央線上諏訪駅から専用バスで約1時間30分、車:中央自動車道飯田山本ICから約10分
電話/0265-43-3001

石垣島天文台
石垣島の海辺から見た南十字星 ©NAOJ

spot04 南十字星も見られる美しいスポット 石垣島天文台

沖縄県石垣市

星が瞬いたり重なって見えたりするのは、気流の乱れの影響で光が屈折するためです。石垣島では、ジェット気流の影響が少なく大気が安定しているので、星の瞬きがなく、星の像が鮮明に見えます。また、南十字星やカノープス(南極老人星)など本土ではなかなか見られない星を観察することができるのも特徴です。街の明かりの影響が少ないので、「天の川」も見ることができます。石垣島天文台は九州・沖縄では最大の口径105cm「むりかぶし望遠鏡」を備える国立天文台の施設。併設施設「石垣市星空学びの部屋」では、3Dメガネを使って立体的な宇宙を見られる4D2Uシアターが開催されています。土・日・祝日の夜には望遠鏡を用いた天体観望会で星空解説も。

石垣島天文台 住所/沖縄県石垣市新川1024-1
開館時間/10:00~16:30 ※要電話予約
休/月・火曜日(月曜が祝日の場合は火・水曜日)、第2木曜日
アクセス/新石垣空港から約35分
電話/0980-88-0013

石垣島天文台
前勢岳山頂近くにある石垣島天文台 ©NAOJ
石垣島天文台
口径105cmの光学・赤外線反射式望遠鏡「むりかぶし望遠鏡」
©NAOJ
石垣島天文台
土・日・祝日の夜には、月や惑星の観望や、星空解説のある天体観望会が開催(当面の間、密を避けるため屋上にある口径40cm望遠鏡を使用) ©NAOJ