鬼伝説が息づく亀岡の山麓で
川のせせらぎと湯に癒される
かつては戦国武将・明智光秀の居城がそびえた城下町、亀岡の山あいに位置する湯の花温泉。温泉街を流れる川は、田畑を潤して亀岡盆地を流れ、やがて保津川へと合流していきます。はるか昔、この地には鬼がいたという伝説がありました。それによると人気アニメ『鬼滅の刃』のように、鬼が住み着いて里の人を怖がらせていたそう。そこで、この地で産出される「桜石」を投げつけると、鬼の目から涙があふれて温泉になり石の霊力で鬼が退治されたとか。
ちなみにこの伝説が、節分の豆まきの始まりだともいわれています。なお、戦国時代に刀傷を負った武将が湯治に訪れたと書かれた古文書も残されていて、それに基づいて調査を行ったところ、温泉の源流が発見されました。やわらかい肌ざわりの湯は、新陳代謝が活性化して、免疫力や治癒力向上にも期待できます。温泉とともに、歴史と伝説が生きる史跡散策や、四季折々の景色やグルメを楽しんでみてはいかがでしょう。
- 泉質/
- 単純弱放射線温泉(天然ラジウム温泉)
- 効能/
- 神経痛、筋肉痛、冷え性、疲労回復、慢性婦人病 など
嵯峨野トロッコ列車
嵯峨から亀岡まで、7.3kmをつなぐトロッコ列車。クラシカルな5両編成の車両が、美しい景色の中をゴトゴトと走ります。窓ガラスのないオープン車両「リッチ号」も人気。
桜天満宮
湯の花温泉北側の山にある積善寺内にひっそりと佇む天満宮。境内では、表面に桜のような紋様が入った「菫青石仮昌(きんせいせきかしょう)」、通称「桜石」が産出されることも(採取は不可)。
*桜石は亀岡市文化資料館でも見られます。
かめおか霧のテラス
晩秋から春にかけ、亀岡盆地に発生する雲海の景色「丹波霧」が見られる展望スポット。発生条件が合えば雲海を眺めることができます。前日との段差が大きく、風の少ない晴れた早朝が狙い目。
湯の花温泉みすと
湯の花温泉観光旅館協同組合が作ったオリジナルミスト。やわらかく清涼な肌ざわりの湯の花温泉100%で作られた化粧水は、肌本来の機能を高め、潤いを与えてくれます。1本(80g)1,320円。
雅な京風情を感じながら
多種多様な湯を愉しむ
松園荘 保津川亭
日本の人気旅館250選「五つ星の宿」や、プロが選ぶ旅館100選にも選ばれた魅力あふれる温泉旅館。木のぬくもりを感じる客室は、露天風呂や檜風呂付きをはじめ、スタンダードな和室からベッドルーム付きの和洋室まで、6種類からセレクトできます。大浴場もバリエーション豊かで、能舞台を囲むように設置された足湯から、スパ感覚のジャグジーバスや寝湯など、さまざまな湯を体験しましょう。料理には、京野菜や丹波牛、京都中央市場からの鮮度抜群な海の幸など、旬を集めた味に舌鼓。館内の居酒屋やラウンジも利用できます。
住所/亀岡市湯の花温泉
電話/0771-22-0903
自然に囲まれた温泉で
極上の湯浴みを満喫
すみや亀峰菴
篠山街道から少し奥まった、山麓に佇む湯宿。趣のある茅葺の門が印象的です。離れにある露天風呂のほか、「木立の散策路」の先にある貸切露天風呂「山の隠れ湯」は自然に包まれながら贅沢な湯浴みが存分に楽しめます。風呂上がりの夕涼みに最適なフリースペース「森の陽だまり」や、オーストラリアワインが楽しめる「Café Grüner」など施設も充実。数寄屋造りに、足湯のある丹波の古民家風といった、趣向の異なる客室が選べます。丹波牛やふぐ、京野菜など旬の食材を使用した、京の料理人が作る会席料理も絶品です。今年4月にリニューアルした現代美術作家・柳幸典氏の構想によるロビー&ギャラリーもお見逃しなく。
住所/亀岡市ひえ田野町湯の花温泉
電話/0771-22-7722