夏休みを使って北海道へ! 北の大地を駆ける避暑の自転車旅

こんにちは! トラベルライターの土庄です。うだるような日本の夏、どこに行ってもムシムシとした暑さがつきまとい、外出するのも億劫になってしまいますよね。しかし、だからこそ涼感を求めて、アクティブに旅を楽しみたいものです。そこで今回は夏休みを使って北海道・東北へ避暑の自転車旅をご紹介したいと思います。驚くほど過ごしやすく、そして絶景が連続する北の大地を目指してみませんか。
目次
旅の可能性を広げる「飛行機輪行」
自転車を専用の袋に入れて公共交通機関で運ぶ「輪行(りんこう)」。飛行機で活用することで、旅の可能性がぐんと広がります。また移動時間をかなり短縮できるのもポイント。早朝便を利用すれば、遅くともその日のお昼前には自転車旅をスタートできますよ。
<飛行機輪行の注意点>
・各航空会社によって輪行の追加料金の有無が変わる ※ANA/AIRDO、JAL、スカイマーク、FDA等は無料
・前後輪を外す輪行に慣れておく必要がある
・潤滑油(オイル)は保安検査を通らないので注意
また早朝便の利用で慌ただしくなるという場合は、あらかじめ空港近くのホテルをおさえておくと安心です。
飛行機でアクセスしやすい「北海道」
私も愛用している中部国際空港〜女満別空港(ANA)
北海道は飛行機で自転車と一緒にひとっとび飛び。新千歳空港は全国各地の空港から多くの便が就航しているほか、地方空港についても羽田空港や中部国際空港からの就航便が充実しています。
<地方空港直通便の一例>
・羽田空港〜旭川空港・たんちょう釧路空港・とかち帯広空港・女満別空港(ANA/AIRDO、JAL)、根室標津空港(ANA)、稚内空港 ※ANA、2023年6月1日~9月30日のみ季節運行
・中部国際空港〜旭川空港、女満別空港 ※ANA、2023年7月14日~9月30日のみ季節運行
・中部国際空港〜とかち帯広空港 ※JAL、8月の1ヶ月間のみ季節運行
本州ではほとんど見ませんが、北海道はバス輪行が可能な都市間高速バスが発達しています。飛行機とバス、そして電車を効率的に組み合わせることで、いいところ取りをした旅程を組むことも可能です。晴れの日は自転車旅を満喫し、雨の日は移動やグルメに充てるなど、楽しみ方を変えるのがおすすめです。
<わたしが立てたスケジュールの一例>
1日目 神戸空港〜(①飛行機輪行)〜新千歳空港〜(②電車輪行)〜札幌〜(③バス輪行)〜富良野〜美瑛
2日目 美瑛〜旭岳温泉・旭岳登山〜パッチワークの路・美瑛
3日目 美瑛・青い池サイクリング、美瑛〜(④電車輪行)〜旭川〜(⑤バス輪行)〜札幌〜(⑥電車輪行)〜小樽
4日目 小樽〜神威岬自転車旅、神威岬〜(⑦バス輪行)〜余市
5日目 余市周辺を観光、余市〜(⑧電車輪行)〜新千歳空港〜(⑨飛行機輪行)〜神戸空港
5日間で合計9回輪行を利用しています。詳しくはこちらの記事の実践編でご紹介しています。
自転車で北海道を旅する3つのポイント
それでは、自転車で北海道を旅する魅力を3つご紹介します。走ったことのある方なら共感してもらえるはず! 毎年北の大地・北海道を目指したくなるリピートする理由があります。
自転車旅を楽しめる過ごしやすい気候
まず最大の魅力が過ごしやすい気候です。本州では40℃を超えるエリアも多い8月ですが、北海道では25℃前後が平均気温となります。かつて道東を旅していたとき、日中に30度を超えた日はビールが割引になるお店を見つけたことがあります。裏返せば、それほど真夏日になる日は珍しいといえるでしょう。
涼しい気候のなか、大スケールの自然の中を走り抜ける気持ちよさは、夏の北海道ならでは。気温が高く本州では長距離走るのが難しい真夏だからこそ、ただ気持ちよく自転車に乗れるというだけでもプレミアムです。飛行機という出費を考えても、十分価値があります。朝夕の涼しさも北の大地を旅している旅情を感じられますよ。
果てしないロマンがある北海道
ホッカイダー(北海道をこよなく愛する旅人)という言葉があるように、夏の北海道には全国各地から旅人が集まります。なかでも多くの割合を占めているのが、バイクや自転車の二輪ライダー。8月の北海道は、まさにツーリングの聖地です。なぜ多くの旅人が北海道を目指すのか? と問われれば、それは「果てしないロマンがあるから」ではないでしょうか。日常は仕事で忙しくても、内に秘めている少年心を解放し、気の向くまま北の大地へ旅をすれば、言葉にできない感動を覚え、目に焼き付いて離れない景色に出会うことができます。夏の北海道へツーリングに行くことが生き甲斐だというホッカイダーに、私もこれまで何人もお会いしてきました。ツーリングの聖地を物語る「ライダーハウス」での出会いは一段と濃いですよ!
旅中で求められる適応能力と唯一無二の旅
一つとして同じ旅にはならない点も、北海道を自転車で旅する魅力です。夏の北海道では天気予報が1日単位で変わり、予報が当たらないこともざらにあります。そのため、旅中での適応能力が求められるのもポイントです。時には大胆に旅程や、宿泊先を変えるケースも出てきます。しかし、本来意図していなかった旅程や出来事から、旅のオリジナリティが生まれていくのがおもしろいのです。
例えば、先ほどご紹介したスケジュール一例も、元々は美瑛・富良野と大雪山のみ訪れる計画でした。しかし中日で天気が崩れること、比較的天気予報が良かったのが積丹半島方面だったため、1日雨の日を移動&小樽の観光に充てて、組んだ結果になります。雨を避けるように上手く旅を楽しんだ記憶は、友人とのかけがえのない思い出です。
ハードルが高いようで、意外と低い「北海道自転車旅」。夏休みを使ってぜひ大人の冒険に出てみてはいかがでしょうか。きっと忘れられない感動体験や出会いが待っているはず。