蛇骨渓谷の川音に癒されながら
太閤ゆかりの箱根の隠れ湯で寛ぐ
標高440m、早川と蛇骨川が合流する渓谷の上に位置する底倉温泉。箱根七湯の一つで、宮ノ下温泉の西隣にあります。箱根温泉郷内でも小さな温泉地で、深山の秘境の雰囲気のなかで自然を思いきり感じることができます。その歴史は、500年以上。1400年代にはすでに温泉地であったことが江戸時代後期の文献『底倉記』に記されていました。ほかにも、天正18(1590)年に豊臣秀吉が天下統一を目指して小田原を攻めた際、秀吉軍の将兵たちが底倉の湯で疲れを癒したことでも知られています。秀吉軍が実際に浸かったとされる「太閤石風呂」と、その隣に流れ落ちる「太閤の滝」を訪ね、武士の歴史に思いを馳せてみて。また、一軒宿の「つたや旅館」はゲストハウススタイルなので、食事の際は周辺のおいしいお店や箱根名物を探しに出かけましょう。温泉は、無色透明で浴後はさっぱりとするのが特徴。底倉の自然を眺めながら湯に浸かれば、心身ともにリラックスできるひと時へと誘ってくれます。
文/清水由香利(RUNS)
- 泉質/
- ナトリウム‐塩化物温泉
- 効能/
- 疲労回復、筋肉痛、切り傷、健康増進など
底倉の歴史を継承する
老舗旅館型ゲストハウス
老舗旅館型ゲストハウス
底倉の湯 つたや旅館
江戸時代に蔦屋平左衛門が創業した、歴史ある湯宿を10代目として引継ぎリノベーション。2019年、新たに「温泉で交流を楽しむ」をコンセプトに老舗旅館型ゲストハウスとしてオープンしました。温泉は、露天風呂と大浴場があり、大浴場は床から湯船まで全面に伊豆青石を使用しています。保温性に優れ、肌触りの良さが特徴です。客室は、老舗旅館「蔦屋」の面影を残し、蛇骨川が眺められる部屋や、リーズナブルに宿泊を楽しめるキャビンタイプの籠床があります。写真を撮りたくなるレトロな家具や、風呂桶をあしらったカウンター、随所にアートが配された温泉ラウンジでは、居合わせた旅の仲間との交流も楽しめます。宿泊は素泊まりになりますが、キッチンを使って調理も可能。徒歩圏内にある飲食店で、箱根ならではの料理をいただくのもおすすめ。
住所/〒250-0403 神奈川県足利下郡箱根町底倉240-1
電話/0460-83-9580