因州和紙や弓浜絣、牛ノ戸焼など、鳥取には長い歴史と豊かな自然が育んだ貴重な工芸品が受け継がれています。大正時代、全国で「用の美」を提唱する民藝運動が活発になった際には、吉田璋也が鳥取における運動の旗手となり、陶磁器をはじめ、さまざまな工芸品に影響を与え、「鳥取民藝」と呼ばれる新しい潮流を生みだしました。受け継がれる技と時代のニーズを巧みに融合した鳥取の民工芸品は、いまも多くの人を魅了してやみません。
Text:REIKO GOTSU(RUNS)
3色に染め分けられた大胆な模様が美しい尺皿。吉田璋也の手ほどきを受けた染分の技法が生かされた鳥取を代表する焼物。
伊賀の土を贅沢に使ったロングセラーの「土鍋」シリーズ。じんわりと食材に熱が伝わり、料理がさらにおいしくなると人気。4寸5000円(税別)など
登り窯で焼いたマグカップ。乳白色の釉薬の上にトルコブルーをかけて焼き上げた。2700円(税込)
木地引きの技法により削りだされる、欅の木目が美しい茶筒。20000円(税別)。問い合わせは0858-82-1530まで
吉田璋也がデザインし、80年以上愛され続けているロングラン商品。因州和紙を通した柔らかな光に心が和む。丸傘小76000円(税別)
智頭杉を使って丁寧に作った白木の曲げわっぱは使うほどに味わいが出る。草刈庄一作。小6000円、中6500円、大7000円(税別)
因州・中井窯など鳥取の窯元の器をはじめ、さまざまな手仕事品、吉田璋也が手掛けた暮らしの道具などが揃う。島根県の出西窯や湯町窯の器など、全国から集めたものも多数あり見ているだけで楽しくなる。
電話/0857-26-2367
時間/10:00~18:00
休/水曜
サンロード商店街にある開放的なギャラリー&クラフトショップ。山陰の若手作家の手仕事品を中心に、陶器、木工、ガラス、布、アクセサリーなど幅広い作品を展示販売。お土産選びにもぴったり。
電話/0857-29-1622
時間/11:00~17:00
休/水曜(祝日の場合は営業)、年末年始
1945年に築窯し、伝統の緑、黒、白の釉薬で染め分けた大胆なデザインの作品が特徴。和洋どちらにも使えるモダンな作風はファンも多く、現代民藝を代表するひとつになっている。
電話/0858-85-0239
因久山の名は、窯の所在地である因幡国久能寺にちなみ、鳥取藩主から下賜されたと伝わる歴史ある窯元。江戸時代から続く7室の登り窯が健在で、さまざまな釉薬を用いた格調高い焼物が作られている。
電話/0858-72-0278
吉田璋也やバーナード・リーチに感銘を受けた山本教行氏の窯。敷地には、山本氏の作品を展示したギャラリーや、山本氏が集めた古今東西のコレクションを展示した「参考館」、岩井窯の器でお茶やランチをいただける「喫茶HANA」があり、のんびり陶芸の世界に浸れる。
電話/0857-73-0339
時間/10:00~16:00
休/月曜・火曜休(祝日は開館)、
臨時休館あり
※窯元を訪れる際は、事前に電話をして確認するようにしてください。