すらりと伸ばして美脚をアピール、「道の駅」浅虫温泉ゆ～さ浅虫＜青森＞

看板自体もなかなかのサイズですが、これだけの大きさで「美人度アップ」と書かれていると、本当に効果がありそうです。矢印も2本上がっていますし。すらりと伸ばした美脚を重ねる美女の構図ですが、実は顔部分が開閉式の顔ハメ看板で、どちらにもハマれます。顔で自信のある向きの方でハマるとよいでしょう。

「いいお湯と絶景にハマれ！」と書かれているのと背景の写真からもわかるように、温泉施設がある道の駅です。陸奥湾（むつわん）に沈む美しい夕日を眺めながら、“東北の熱海”とも呼ばれる浅虫温泉を堪能しましょう。青森出身作家の作品を中心に、常時展示しているギャラリーなどもあるので、時間に余裕をもって堪能したいスポットです。


◆「道の駅」浅虫温泉ゆ～さ浅虫
住所：青森県青森市大字浅虫字螢谷341-19
電話：017-737-5151

アメリカのセックスシンボルであのポーズを、飯坂ホテル聚楽（じゅらく）＜福島＞

「じゅらくよ～ん」のCMでお馴染み（お馴染みなのは確実に昭和生まれですが……）の飯坂ホテル聚楽ではアメリカのセックスシンボル、マリリン・モンローになれます。そもそもそっくりさんの顔ハメ看板ではありますが、顔が抜かれている時点でモンローになれるといっても差し支えないかと。モンローの顔ハメ看板は、静岡と神奈川と岐阜でハマったことがあるのですが、ほかはすべてアニメ調。こちらが一番生々しく美人になれます。

飯坂温泉は歴史ある日本の名泉。また、くだものの里でもあります。6月のサクランボから始まり、様々なフルーツが12月まで半年以上楽しめますが、桃、ブドウに梨とリンゴの旬の季節がかぶる秋が特におすすめ。温泉と合わせて美容に期待できます。


◆飯坂ホテル聚楽（じゅらく）
住所：福島県福島市飯坂町西滝ノ町27
電話：024-542-2201
チェックイン：15：00
チェックアウト：10：00
アクセス：電車：福島交通飯坂線飯坂温泉駅から徒歩約10分
車：東北中央自動車道福島大笹生ICから約15分

歴史ロマンに浸りつつ絶世の美女に、壽丸（すまる）屋敷＜宮城＞

かつて白石一の豪商であった渡辺家の建物である壽丸屋敷。入館無料で入れる上に、敷地内に顔ハメ看板もあります。2016年の大河ドラマ、「真田丸」で主人公として取り上げられた真田幸村の三女、阿梅姫（おうめひめ）になれます。

美しく聡明であったと伝えられており、司馬遼太郎の小説では、片倉小十郎が絶世の美女の阿梅姫を見染めた、という話があります。顔ハメ看板の方も可愛らしく梅があしらわれていて、おしとやかな美女といった趣です。

白石市は温泉地としても有名で、鎌先温泉、小原温泉、白石湯沢温泉など、派手さはありませんが、いずれも歴史ある名湯で、四季折々の景色と合わせて楽しめます。特に小原温泉郷には絶景の紅葉スポット「碧玉渓（へきぎょくけい）」があるので、秋に訪れるのがおすすめです。


◆壽丸（すまる）屋敷
住所：宮城県白石市中町48-5
電話：0224-25-6054
営業時間：09：30～16：30
定休日：無休 ※年末年始を除く
アクセス：JR白石駅より徒歩約5分

東北のハワイで憧れのフラガールに、スパリゾートハワイアンズ＜福島＞

映画「フラガール」で全国区となったスパリゾートハワイアンズには、期待を裏切らずにフラガールになれる顔ハメ看板があり、男前のファイアーナイフダンサーとツーショットが楽しめます。広い館内にいくつか点在しており、男性ダンサーが全て違う方なので、全部ハマってコンプリートを目指しましょう。フラガールとして舞台デビューするには、常磐音楽舞踊学院に入学して、数か月のレッスンを受けるのですが、顔ハメ看板ならその場で即なれます。

1966年に常磐ハワイアンセンターとしてオープンして以来、色々な施設がオープンしたり増設されたりで、かなり大規模な施設になっているスパリゾートハワイアンズ。いわき湯本温泉から引かれる温泉に浸かりながら、アクティブに過ごすもよし、ぼーっとするもよしです。


◆スパリゾートハワイアンズ
住所：福島県いわき市常磐藤原町蕨平50
電話：0570-550-550
アクセス：JR常磐線湯本駅から無料送迎バスで約15分

中国の古代四大美女になれる、道の駅象潟「ねむの丘」＜秋田＞

女性になれる顔ハメ看板は数あれど、中国の歴史上、特に美しかったとされる四大美女になれる顔ハメ看板は珍しいかと。春夏時代を代表する美人・西施になれる顔ハメ看板が、道の駅象潟「ねむの丘」に、石像の写真プリントものという大胆さで設置されています。

相手の国を亡ぼすために送り込まれて、狙い通り王が美貌に惑わされて国が傾いたとか、川で洗濯をしている姿に見とれて魚が泳ぐのを忘れてしまったとか、エピソードのスケールもかなり大きめで、ただハマるだけでも緊張します。

看板に書かれている句からもわかるように、松尾芭蕉が「奥の細道」で訪れた象潟です。この看板のすぐ横には、“奥の細道最北の旅”と銘打たれている、松尾芭蕉と同行者の河合曾良の顔ハメ看板もあります。歴史に触れるついでにそちらにもハマっておきましょう。

東北最大級の道の駅ということで、レストランやお土産売り場だけでなく、宴会場まであったりします。日本海を一望できる展望温泉がおすすめ。泉質が海に近いため塩分を含んでおり、美肌効果があるのだそうです。


◆道の駅象潟「ねむの丘」
住所：秋田県にかほ市象潟町字大塩越73-1
電話：0184-32-5588
アクセス：JR象潟駅からタクシーで約5分、徒歩で約25分

おわりに

美人になれるという切り口で顔ハメ看板を見つめ直してみたところ、全て温泉関連の施設か温泉のある土地という結果に。日本人の美は温泉と繋がるのかもしれません。暑さも和らいできたこの秋、温泉のついでに美人になれる顔ハメ看板にハマるか、美人になれる顔ハメ看板にハマるついでに温泉に行くか、そんな旅先の決め方はいかがでしょうか。


◆塩谷朋之（しおや・ともゆき）
仕事の傍らハマれる看板を求めて出掛ける日々。これまでにハマった看板は4,000枚以上。2015年に『顔ハメ看板ハマり道』（自由国民社）を出版。顔ハメ看板に関するアプリやイベントのプロデュース、情報発信を続ける。

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