日本最南端の波照間島でマーリャン獲り。貝と味わう極上ビール体験
みなさん、こんにちは。“酔い子の味方”ビールおねえさんこと古賀麻里沙です。梅雨がすっかり明けて、待ちに待った夏がやってきました。夏といえば海! 海といえば沖縄! 今年も来ちゃいました、日本最南端の有人島・波照間! 年に2回は必ず訪れるほど大好きな島なのですが、今回は海でとてもおいしい“アレ”を調達して、極上のビール体験をしてきました。
目次
帰ってきたよ、ハテルマブルー
“ハテルマブルー”と呼ばれる透き通った海の中には生き物たちがたくさん。港からでも賑やかな海の世界を覗き見ることができ、波照間の海の美しさは言葉では言い表せないものがあります。毎年訪れている場所なので勝手に「第2の故郷」と呼んでいるくらい私にとって馴染み深いところ。石垣島からフェリーで波照間港へやってきたら、まずは防波堤で海を眺めて「今年も来たぞー! 気持ちいー!」と心の中で叫びます。
港でひとしきりはしゃいだら、今晩のビールのお供を探しに冒険へ出発です。
海でおつまみ調達
それでは、本日のお目当て“マーリャン”を獲りに行きましょう。マーリャンというのは、珊瑚などの中に穴をあけて住みつく巻き貝の仲間です。ここ、波照間では昔からよく食べられているそうで、潮が引いている時が狙い目。珊瑚の表面をよーく見てみると黒くて丸いものがところどころにあります。そう、これがマーリャンです。穴の入り口に蓋をして身を守っているんです。写真の中にたくさん隠れているの、わかりますか? いくつ見つけられるかな? 上手に珊瑚に溶け込んでいますねぇ。
車のワイパーを加工した道具を殻と中身の隙間にグッと差し込み、貝が気付いて中に引っ込む前にワイパーの先っぽを身に引っかけて一気に引きずり出します。これがなかなか難しい。マーリャンってすごく力が強くって、ワイパーがうまく身に引っかかってもものすごい力で穴の奥に潜り込んでいきます。一度捕らえたら一瞬たりとも油断はできません。しばらく奮闘して……
見てください、大漁です! 身を取り出すとき、慣れるまでは身が途中で切れて小さくなってしまうんですが、コツを掴むと全部一気に出てくることもあります。この瞬間がたまらなく気持ちいい! 一度やったら激ハマりしちゃいました。さてさて、これだけあればいろんなおつまみを楽しめそうですね。どうやって食べるのがおいしいかは地元の人に聞くのが一番。知り合いのお店に持って行って調理をしてもらうことにしました。
偶然発見した、この大きなウミガメにお店まで連れていってもらうことにしましょう。
とれたてピチピチの貝料理
さぁ、いよいよご馳走タイムです。今獲ってきたばかりのマーリャンたちをおいしく調理してもらい、いただきます! まずは軽く塩茹でした刺身で。上にくっついている蓋をひとつずつ丁寧に取って、醤油をかけてちまちま食べるのが最高にうまい。身はコリコリと歯ごたえがあって、旨味が凝縮されています。いくらでも食べられそうです。
続いての料理は「マーリャンじゅーしー」。オリオンビールと地元の泡盛と一緒に。じゅーしーとは沖縄風炊き込みご飯のことです。たっぷりのマーリャンと一緒に炊き上げている今回のじゅーしーは、ご飯に貝の旨味がしっかりと染み込んでいます。贅沢にザクザクと入っているマーリャンの存在感もすごい。これはお箸が止まらなくなりますね。思わずおかわりしちゃいました。そしてもちろんビールとの相性も抜群!!
ぷはぁー! 自分で調達した貝と一緒に飲むビール、最高にうますぎます。貝の出汁がよく出ていて、すっきりとしたオリオンビールがめちゃくちゃ合う。
ビール豆知識▶貝からつくったビール
ビールには副原料といって、主原料である麦芽、ホップ、水以外の原料が使われることがあります。果物、野菜、ハーブ、海藻など、その種類はさまざま。なかには貝を原料として使っているビールもあるんですよ。イギリス発祥の「オイスタースタウト」という、濃厚でコクのある黒ビールが有名です。19世紀から20世紀前半頃に誕生したといわれていて、醸造工程でビールを濾過する時に牡蠣の殻を使っているんです。日本でも各地でつくられています。牡蠣のほかにもホッキ貝やホンビノス貝、ホヤを使った変わり種ビールなんかもあって、貝の産地でお土産ビールを探してみると面白いかもしれません。ちなみにマーリャンビールは今のところまだ誰もつくっていないようです。
まさに極上ビール体験でした
マーリャン獲りは今回初めて挑戦したのですが、どハマりしました。日常生活でも丸くて黒いものを見つけるとほじくり出したくてうずうずしちゃうくらい。貝との駆け引きに勝ってスポンッと獲れる感触が忘れられないんですよね。そして島に来て改めて、私生活で自然と触れ合える環境が身近にあるってとても羨ましいなと思いました。港で見かけた地元の中学生たちが、何度も防波堤から海に飛び込んでは向こう岸に泳いで渡って、また飛び込む、というのを繰り返しながら元気に遊んでいたのを見かけて、次に飛び込む人に向かって楽しそうに掛け声をかけていたのですが、よくよく聞いてみると「アンコール、アンコール、飲むのはテキーラアルコール!」と。え!? そんなのどこで覚えたんだ中学生! まだ早いぞ~。でも、将来お酒が飲めるようになったら、ぜひ乾杯したいな。
マーリャン獲りははもちろん、自分で調達したおつまみと流し込む極上ビール体験、大満足でした。波照間は過去のビール旅記事でも取り上げているので、併せて読んでみてくださいね。この島の魅力は一度の記事では語り尽くせません。それではまた次のビール旅もお楽しみに!