「旅先納税」って何?川越市で体験してみたらお得に旅を満喫できた
ふるさと納税の新ジャンル、「旅先納税」って知ってますか? 旅や出張で訪れた地域で「この街いいなあ~」と思ったら、スマホからその場で寄付ができる仕組みなんです。返礼品はその地域で使える電子マネー。飲食店やお土産屋さん、レジャー、ホテルなどの支払いに使えます。
従来の“返礼品が送られてくる”ふるさと納税とは違って、寄付したらその場で使える電子マネーをもらえるのが新しいし、おもしろい!
現在全国に旅先納税が使える地域がどんどん増えているので、使い方や使える場所、還元率などの詳しい解説と、実際に川越市に旅先納税し、電子マネーを使ってみた様子もお届けします。思った以上に簡単で、楽しく使えましたよ!
目次
旅先納税®とは?
「旅先納税」は、ふるさと納税の仕組みを使って旅や出張で訪れた地域にその場で納税できる、いわばニュータイプのふるさと納税。
例えば京都市に旅して「京都ってやっぱりいいなあ、応援したいわ」と思ったら、その場でスマホから京都市に寄付が可能。寄付額に応じた電子マネー※をその場でもらえて、加盟店(飲食店やお土産店、ホテル、レジャー施設、交通など)ですぐに使うことができます。
※電子マネーは正式には「e街ギフト®」といい、その名称は自治体によって異なります。例えば京都市は「京都市おでかけ商品券」、川越市では「小江戸かわごえe旅ギフト」など。ややこしいので、ここでは「電子マネー」で統一します。
旅先納税の還元率は?
旅先納税の還元率はほとんどの場合30%。例えば10,000円寄付すると3,000円分の電子マネーがもらえて、その地域の加盟店で1円から支払いに使えます。
寄付額の下限~上限は自治体によって違いますが、例えば京都市の場合は5,000円(1,500円分の電子マネー還元)からMAX100万円(30万円分の電子マネー還元)。だいたいどの自治体もミニマム5,000円から寄付できるので、寄付枠が余ってるときの調整にも使いやすいですね。高松市はなんと1,000円から寄付できます。
ただし、電子マネーには有効期限があり、寄付日から180~365日間(北海道猿払村のみ90日間)と自治体によってまちまちなので必ず確認しましょう。過ぎると無効になるのでご注意を!
旅先納税ってどこで使えるの?
2024年2月現在、全国50の自治体で使えます。
【秋田県】男鹿市・仙北市・大館市
【埼玉県】川越市
【石川県】加賀市
【山梨県】笛吹市
【長野県】軽井沢町・山ノ内町・安曇野市
【京都府】宮津市・福知山市・京丹後市・伊根町・綾部市・舞鶴市・与謝野町・京都市
【兵庫県】宝塚市・三木市
【和歌山県】白浜町
【島根県】出雲市
【岡山県】瀬戸内市
【香川県】土庄町・高松市
【沖縄県】南城市・東村・国頭村
北海道と京都で使えるところが多いですね。こうしている間にもどんどん増えているので、旅や出張の予定がある方は行き先の自治体で使えるかどうか旅先納税公式サイトでぜひチェックを!
旅先納税の電子マネーが使える加盟店も、各自治体のページから確認できます。例えば和歌山県白浜町では「アドンベンチャーワールド」、北海道北広島市では「Fビレッジ・エスコンフィールド」といった人気施設でも使用できますよ。
▼北広島市の「Fビレッジ・エスコンフィールド」では、ファイターズの観戦チケットやグッズ、スタジアムツアー、宿泊など、施設内の20店舗で旅先納税の電子マネーが使えます
旅先納税のやり方
旅先納税は以下の手順ですぐに始められます。
【Step1】まずは納税したい自治体の旅先納税専用ページへ。各自治体の公式HPから、もしくは旅先納税公式サイトから探して「寄付する」で専用ページに行けます。
※あらかじめ寄付金控除上限額は調べておこう
【Step2】 Step1のページで旅先納税IDを作る。
※旅先納税IDは全自治体共通なので、一度IDを作ると以後全ての自治体で使えます
【Step3】寄付額を選び、個人情報やクレジットカード情報などを登録すると寄付できます。今回は川越市に1万円寄付してみました。
※ワンストップ特例制度の申請書送付も選べます
【Step4】寄付額に応じて付与された電子マネーを、加盟店で支払いに使う。1円から好きな分だけ支払いにあてることができます。
ものの数分であっという間に寄付完了。私は埼玉県川越市に10,000円寄付し、3,000円の電子マネー(川越市での名称は「小江戸かわごえe旅ギフト」)を返礼品としていただきました。
各自治体の旅先納税専用ページにて「マイページ>お礼の品>利用する」と遷移すると支払いページが表示され、都度残高をチェックできます。このページをブックマークしておくと支払い時にぱっと出せて便利ですよ。
加盟店も各自治体の旅先納税専用ページからチェックできます。
例:埼玉県川越市の旅先納税加盟店
川越市に旅先納税して3,000円分の電子マネーを使ってみた
東京から一番近い観光地、埼玉県川越市に10,000円旅先納税し3,000円分の電子マネーをゲットしたので、さっそく遊びに行ってきました。趣のある町並みに、観光やグルメのスポットがぎゅっと詰まったにぎやかなまち。いつ来ても人がスゴイ……! それでは、加盟店をめぐって残高を使い果たそうと思います。
川越市は歩ける範囲に飲食店やレンタル着物、お土産、ものづくり体験、ホテルなどなど、旅先納税加盟店がたくさんあって、旅先納税の電子マネーだけで観光できるレベル。
まずは、加盟店の「glin coffee 元町1号店」へ! 自家焙煎のコーヒーやかわいい揚げパンが人気のお店で、川越に来た際は必ず立ち寄るお気に入りです。
390円のコーヒーを購入するため、会計の際に電子マネーの残高ページを表示して「390円」と入力。店員さんが不思議なハンコを画面にかざし、表示された「支払い」ボタンを押すと支払い完了!
支払いに物理的なハンコ(風のデバイス)を使うのがおもしろい~。というわけで、旅先納税で無事コーヒーをゲットしました。深煎りで香り高くて最高に好み! こういうふらっと立ち寄れるコーヒースタンドで旅先納税が使えるのはうれしいですね。街歩きのお供をゲットし、電子マネーの残りは2,610円。
旅先納税を食べ歩き、ランチ、お土産にも使う
お次は、鐘つき通りを散策して川越銘菓の「いも恋」を旅先納税で購入。200円でした。ホクホクしたさつまいも×あんこという鉄壁のおいしさなので、川越に来たら絶対買うべし。電子マネーの残りは2,410円。
ちなみに、「いも恋」のお店「菓匠右門」での支払いはQRコード決済でした。「glin coffee」ではハンコ型デバイスを使っていましたが、お店によってはQRコードを読み取るところもあります。
※「QRコード」は株式会社デンソーウェーブの登録商標です。
そのあと、埼玉中のお土産が勢ぞろいする「川越市産業観光館 小江戸蔵里(こえどくらり)」までお散歩。施設内のレストラン「まかない処大正蔵」で川越三元豚肉汁そば(1,320円)をいただき、電子マネーの残りは1,090円。豚のうまみが効いてる~。
そこから歩いてすぐの場所にあるレトロな甘味処「川越あかりやのあんみつ」で焼きだんご(110円×2本)をいただき、電子マネーの残りは870円。焼き立ての醤油の香ばしさがたまらん、あと100本は食える。
旅先納税電子マネーの残高はいよいよ870円。最後に、お土産を買うために「紋蔵庵(もんぞうあん)」へ。さつまいもの形をしたかわいい「川越ぽてとクッキー」(10枚入り1,350円)を購入しました。電子マネー残高870円をすべて使い、差額は現金払いに。こういった使い方ができるのもありがたい!
川越市に10,000円旅先納税し、返礼品として還元された3,000円分の電子マネーをすべて使い切りました! 電子マネーには有効期限(川越市の場合は寄付日から180日間)があるので、旅先で使い切っちゃうのがおすすめです。
それにしても、お茶にランチに食べ歩きにお土産に……と、3,000円あればけっこう遊べるな~という印象。個人的にお気に入りのコーヒースタンドや、「いも恋」など人気銘菓のお店でも使えてテンション上がりました。川越は近いエリアにお店がぎゅっと集まっていて加盟店も多いので、旅先納税を楽しみやすいまちだと思います。次は川越名物の鰻店やレンタル着物店でも使ってみたいですね。
鰻といえば、今回は行ってないですが、私のおすすめ「大穀(だいこく)」でも旅先納税が使えます。焼きたての鰻は、やわらかくて甘辛いタレと山椒のマッチングも最高! ほかにも川越では名店・人気店が多く加盟していて、どんどん増えているのでぜひ川越市の旅先納税加盟店一覧からチェックを。
お得で便利な旅先納税をふるさと納税の候補に
使ってみて、思った以上に簡単で便利だった旅先納税。それもふるさと納税の返礼品としての電子マネーなので、ふつうに旅で訪れて消費するよりもお得感があって“地域に貢献している感”も味わえました。
旅先納税IDは全国共通なので、一度作っておけばふらっと訪れた地域でパッと納税して電子マネーをもらえるのもよいところ。もっと全国のいろんな自治体&施設に広まってほしいです……!
今年のふるさと納税何にしようかな~と迷っている方、ふるさと納税はしたいけど特に欲しいモノがない方、旅や出張で食や体験を楽しみつつ地域を応援したい方は、ぜひ旅先納税を候補に入れてみてくださいね。
旅の予定がある方は、行き先の地域や施設が対応しているか旅先納税公式サイトでとりあえずチェックを!
※「旅先納税」、「e街ギフト」は株式会社ギフティの登録商標です。