旬の人に旅への思いとおすすめの旅先をインタビュー。
今回は、自身のYouTubeチャンネルに
旅先での動画の数々をあげている仲 里依紗さん。
最新作の劇場版『TOKYO MER~走る緊急救命室~』では
緊張感のあるシーンの連続でしたが、
旅先でも同じくらいハードに欲ばりに旅を楽しんでいるよう。
取材・文/小松孝裕(エンターバンク) 写真/山下陽子
仲さんは、よく旅行に行かれているイメージがありますが、どんな旅をしていますか?
子どもが小学生なので、最近では春休みや夏休みなど子どもの休みに合わせて出かけます。長いお休みが取れると海外に行くことが多くて、最近ではハワイに。国内だと、実家のある長崎が一番多いですね。あとは、隣の佐賀県にも足を延ばします。温泉が好きなので、嬉野温泉はよく行きます。ただ、旅先であれもしたい、これもしたいってスケジュールを詰め込むので、バタバタ(笑)。荷物も引っ越しレベルで多いんです。たくさん遊んで「あー疲れた」となったら温泉でリフレッシュしています。ほとんどの旅は温泉目当てというくらい、温泉が大好き。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンに遊びに行ったときも、天然温泉があるホテルを調べて、少し離れていても泊まりに行きました。もともと両親が温泉好きなので、どこかに旅行に行くときはいろいろ聞いてから行ったりしています。
温泉へのこだわりはありますか?
お湯はぬるめがいいです。熱い温泉が好きだったこともありましたが、最近は、せっかくの温泉なので、炭酸泉とかぬるめにゆっくり浸かりたいなと思うようになりました。何度も出たり入ったりして、サウナや水風呂があればそちらにも入って、じっくり堪能しています。温泉が好き過ぎて、最近では温泉施設を経営したいと思うほど(笑)。やるなら自分も行きやすい都内に近いところがいいですね。
温泉に入る以外の、旅の目的はありますか?
やっぱり甘いもの! おいしいご飯も好きですが、やっぱり一番はスイーツ。特にアイスとかかき氷が好きなので必ず食べるようにしています。お店は旅先に着いてから調べて、その時のフィーリングで決めることが多いかな。いろいろなところにご当地アイスがあるので楽しみにしているのですが、変化球系はつい避けて定番の味ばかりになっています。おすすめは長崎のミルクセーキ。ミルクセーキ発祥のお店「ツル茶ん」とか、島原の金物屋さんがやっているカフェがあるんですけどそこのミルクセーキもすごくおいしかった! 島原は温泉もあるし、おすすめですよ。
いま行ってみたい旅先はありますか?
一番行ってみたいのは、沖縄県の久米島。お世話になっているスタッフさんの出身地で行ったことがないのですが、一度は見ておかないとなって思っています。
そうやってリフレッシュしたら仕事にも身が入りますよね。今回、「TOKYO MER~走る緊急救命室~」で、テレビドラマに続き、高輪千晶を演じられました。
劇場版の話は、テレビドラマの撮影をしているころから風の噂で聞いてはいたのですが、正式に決まったのはドラマの撮影が終わってからでしたね。ドラマの時から毎回事故が起こっていて、鈴木亮平さんたちMERチームのキャストの人たちは大変そうで。劇場版であればじっくり撮影できるので、作品的にはすごく映画に向いていますし、話を聞いた時は「劇場版になってすごいな」と思う一方で、「まぁ、この作品なら劇場版やるよね」と、そこまで驚きはなかったですね。ただ、鈴木亮平さん演じる喜多見先生と再婚しているとは(笑)。
鈴木亮平さんはじめ、再会したMERチームの皆さんはいかがでした?
ドラマ版ではMERチームとはあまり共演がなかったのですが、今回共演してみて、みんな仲良しだなと思いました。学園ドラマのような青春感みたいなものがあって、その大人版といった様子で、撮影していて、ちょっと懐かしい感じがしました。それに、あれだけ過酷な撮影を乗り越えてきただけあって、チームワークも完ぺきに出来上がっていましたね。
ドラマ版とは環境が変わった千晶ですが、今作では仲さんは、千晶をどのように見ていましたか?
今作では、まだ生まれてきてはいないけれど、おなかに子どもがいて母親になっているんです。そういう自覚が、ドラマ版のころとは違うんだろうなと感じました。喜多見先生への言い方だったり、子どもや家族を守るということだったり。そういう部分は、今作での千晶の見どころなのかなと思います。
ドラマ版は勤務医だった千晶ですが、今回は過酷な環境に巻き込まれてしまいます。
ドラマ版では勤務医だったので、快適なところで撮影していました。なので今回、事故現場のロケに初めて参加したのですが、「これを毎回ドラマでやって、みんなよく元気でいたよね」と思いました。至るところから炎が上がっていて、一瞬、体験型のゲームかなって思うくらい(笑)。映像に映っている汗も、全部本物。それぐらいものすごく暑かったです。休憩の時は“暑い”が合言葉になっていて、氷やアイスを食べて体を内側から冷していました。
そんな過酷な状況での撮影でしたが、完成した映像はいかがでしたか?
今作は、最初から最後まで、常に何か事件が起こっています。この波が落ち着いたかなと思ったら、すぐに次の波がきて、その波がだんだんと大きくなっていく。正直、オープニングの事故もすごい迫力ですが、本編はそれ以上でしたね。ドラマ版の100倍くらいの迫力になって、劇場版として帰ってきているので、最初から最後まで気が抜けない物語になっていて、満足できる映画です。映像の迫力だけでなく、家族の絆など感動もあったり、私としては千晶のドラマ版とのギャップを楽しんでもらえたらうれしいです。ドラマ版では、喜多見先生と千晶のカップリングに盛り上がっている人たちもいたので、劇場版でもキュンとできるポイントがあるんじゃないかなって思います。
長崎県の島原
長崎が発祥のミルクセーキがおすすめ。島原にある金物店に併設されたカフェ「茶房&ギャラリー速魚川」というお店のミルクセーキがとにかくおいしいんです。そこで作っている金物で削るそうで、口どけがいいんです。島原は温泉もあるので、訪れてみてほしいですね。
劇場版
「TOKYO MER
~走る緊急救命室~」
オペ室を搭載した大型車両“ERカー”で事故や災害現場に駆け付け、患者のために戦う都知事直轄の救命医療チームのTOKYO MER。彼らの使命は“死者を一人も出さないこと”。全国にMER発足の動きがある中、横浜・ランドマークタワーで爆発事故が発生し、数千人が事故に巻き込まれる緊急事態に。TOKYO MERとともに、厚生労働大臣が新設したYOKOHAMA MERも出動。しかし、爆発は次々と連鎖し、人々に炎が迫るが、炎と煙で救助ヘリは近づけず、絶体絶命の危機が…。
監督/松木 彩 脚本/黒岩 勉 出演/鈴木亮平、賀来賢人、中条あやみ、要潤、小手伸也、佐野勇斗、ジェシー(SixTONES)、フォンチー、菜々緒、杏、徳重聡、古川雄大、渡辺真起子、橋本さとし、鶴見辰吾、仲里依紗、石田ゆり子ほか 配給/東宝
公式サイト/https://tokyomer-movie.jp/
1989年10月18日生まれ。2006年、劇場版アニメ『時をかける少女』でヒロインの声を担当。高い評価を受け、話題を集める。2010年に「第34回日本アカデミー賞」新人俳優賞など数々の映画賞を受賞。以降も、ドラマや映画を中心に活動するほか、ファッション誌ではモデルとしても活躍中。