思わず恋に落ちる“メロンにロマン”をかけた日本初のメロン専門店へ
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私はオタクを尊敬している。というのも、“何かに盲目になる”という行為に憧れを抱いているからだ。わりと(というか、かなり)現実主義でチキンな私にとって、推しに自分の人生を捧げるほどの覚悟は到底できない。安全運転でのらりくらりしてきた私……その道にアクセル全開な人は異様に眩しく見える。
その反動からなのか、自分にないものを補給するためなのか、私は「専門店」に弱い。ひとつのカテゴリーで真っ直ぐに貫く姿勢が健気すぎるし、カッコ良い。そんな訳で本日は、“メロンにロマン”をかけた日本初のメロン専門店に訪れた。
「果房 メロンとロマン」
ネーミングからグッとくるこちらは、実は青森県つがる市のアンテナショップ。ちょっと意外に思うかもしれないが、つがる市はリンゴだけでなく、日本を代表するメロンの産地なのだ。(全国4位の売上額なのですよ……!)
年々、多くのバズりフードが生まれ、流行の流動が早い日本。ひと昔に比べるとメロンに思いを馳せる人も少なくなってきた。「もっと多くの人に愛される果物にしていくにはどうすればよいか……!?」まだまだみんなが知らない可能性を秘めるメロンちゃんの魅力を引き出すために、最高の舞台設備、魅惑的な衣装、観客をもてなす会場を備えたのがここ「メロンとロマン」なのだ。
メロンタイルがキュートな1階から上階へ。2階には愛らしいカフェスペースが。
ぐるりと見渡すと、視覚でメロンを楽しめるオリジナルのメロンカラーの万年筆インクや、触って楽しいメロンの網目のコースターなど、味覚以外の五感でメロンと触れ合う要素が溢れている。
専門店のメロンクリームソーダ/680円
本物のメロンを贅沢に使用した、リアルメロンソーダ。上品な甘みと、リアリズムな鮮度。すまし顔で浮かぶ洗練された特性のメロンジェラート。もう、メロンの暴力である……。フルパワーで殴られて、最高に気持ち良い。
ひと口味わうと、私のメロンクリームソーダへのイメージがガラガラと音をたてて崩れ、本日付で革新的にアップデートされた。
あぁ、プロが本気出すとこうなるのか……。
知っちゃった、出会っちゃった、本物に。もう戻れないよ、罪ですよ、あなた。
メロンとシャンパンと白のパフェ/1,850円
ドラゴンのようなお茶目なモチーフの周りに、キラキラ輝く大ぶりのメロン様たち。
豪勢な装飾は一歩間違えると下品になる。しかし、このパフェは嫌味なく大ぶりの宝石を身にまとっている。
今が最旬のつがる産“タカミ“が織りなす、儚げにとろける甘さの奥ゆかしさに思わず目尻が下がる。透明なシャンパンゼリーの下には、ココナッツホワイトタピオカ、豆乳クッキー、マシュマロ、特製ババロアの層。それらは楽しい食感と味覚の幅を拡張させて、掘り下げる私をいろんな角度からアプローチしてくる。グラスの底まで笑顔が続きますねえ。
生メロンのフルーツサンド/1,000円
衝撃作はまだまだ。生メロンのフルーツサンドがもう、すごかった。
大理石のように淡く発光する“レノン“と“タカミ“。この輝かしい主役の良さを引き立てるサイドのナイスなサポートに私は驚いた。
使用しているのは、なんと“レーズンパン“。レーズンの酸味がメロンの甘さと手を取って小粋に踊り出す。そこに新たなエスコート役がひょっこり。濃厚だけど爽やかな甘さをはらむ特製ホイップだ。品のよい甘さが、さらなる甘さを優しく引き立てるという、私の頭になかった方程式が確実にお口の中で実証されていく。なんとも不思議で美味しい食体験。
味覚だけではなく、様々な角度からメロンを“体験“できる唯一の場所。この工房の推しに対する妥協ない愛情に揺れ動かない子は果たしているのだろうか?
「メロンとロマン」は、おいしいメロンの魅力だけでなく、今後のメロンの可能性にロマンをかけた本気の愛が潜んでいた。
そんな覚悟と確かなる証拠に、私の心はすっかりメロメロ。今日は、メロンの本気に恋に落ちた“私のメロン記念日“だ。
◆果房 メロンとロマン
住所:東京都新宿区神楽坂3丁目6-92
電話:03-6280-7020
営業時間:11:30~17:30
定休日:月・火曜日※祝日の場合は営業
※当面の間、2階カフェは予約制(詳しくは公式HP参照)