余市グルメと一緒に堪能! 秋もおすすめのワインツーリズム
旅とお酒が大好きな旅色LIKESライターあやっこです。ワイナリーを訪れたり、その地のグルメとワインを楽しむ旅のスタイルのことを「ワインツーリズム」といいます。町全体でワインツーリズムを盛り上げている北海道余市町では、「余市ワイン」をおいしい料理と楽しめるお店がたくさんあります。気楽な居酒屋からグルメサイトで高評価のこだわりのレストランまで、おすすめのお店をご紹介します。
目次
旅の目的地になるレストラン「余市SAGRA」で最高のランチ
余市駅から車で10分ほどいくと、葡萄畑にたたずむログハウスのようなおしゃれな建物が現れます。私が余市で一番おすすめしたいレストラン「余市SAGRA(さぐら)」です。元々、札幌で人気のイタリアンレストランでした。しかし、オーナーシェフの村井さんが余市をはじめとする周辺エリアの食材に魅了されて移転したそう。余市に移転しても人気は衰えるどころかますます高まり、予約困難なレストランです。
「SAGRA」は、イタリア語で“収穫祭”の意味。地元の旬食材を使ったコース料理と余市エリアの各種ワインを楽しめます。好きなワインをグラスでたのむのもいいですが、お酒が飲める人だったら料理に合わせたペアリングがおすすめ。訪れたときは、前情報なしで余市のワインを純粋に楽しんで欲しいというお店の人のおもしろい提案でワインの名前を出さず提供する「ブラインド」で出していただきました。
コースは全員一斉にスタート。シェフから食材の特徴や、素材を活かした調理のこだわり、合わせるワインのポイントなどを聞いてから食べることで、より一層おいしく感じられます。
地元のイカとトマト、パンを煮込んだ「パッパ」という料理は、トマトの旨味を吸ったパンがジューシーでイカの甘さを際立てていました。合わせた白ワインはドメーヌ モンの「モンペ」。一般的なワインは濾過作業などを施して浮遊物のない透明感のある均一な味わいに仕上げますが、こちらは無濾過製法のためボトルの上下で味の濃さが変化します。そしてこの料理にはあえてボトルの下の方の味が濃い部分を合わせるというこだわり。葡萄の香りや風味がしっかり感じられるワインと旨みたっぷりの料理のペアリングは最高でした。
豚の脂身の塩漬けととうもろこしが入ったパンは、焦がし醤油風味。札幌の大通公園で食べられる焼きもろこしをイメージしたそう。シンプルな見た目ながら甘さと塩気のバランスが絶妙で思わずおかわりしたくなりました。残念ながら一人一つ……。
コースは、地元の野菜や魚介がメインの料理が続きます。どれも素材のおいしさが引き立っていて大満足。また、素材に合わせてペアリングされたワインは一般的な白ワインから赤ワインといった順番ではなく自由な組合わせでしたが、料理との相性が抜群でした。
蕎麦粉で作られた「タリオリーニ」というパスタをキノコのつけ汁といただきます。合わせたのは待望のドメーヌタカヒコのフラッグシップワイン※1 「ナナツモリ」。ワインの持つ松茸のような芳しい香りが料理のおいしさを倍増させます。口福とはまさにこのこと!
※1 生産者の代名詞にもなるワインのこと
デザートをいただきながら、飲んだワインの答え合わせ。ブラインドで飲んだからこそ、新しくお気に入りのワインも見つかりました。食べはじめてから2時間近く経ちましたが、絶品の食事とワインで大満足なランチになりました。
「旅の目的地になるレストラン」の意味を持つディスティネーションレストランという言葉がありますが、その言葉がピッタリな素敵な場所でした。宿泊施設もあるので今度は泊まりで楽しみたい!
◆余市SAGRA
住所:北海道余市郡余市町登町987-2
電話:0135-22-2800
レストラン営業:ランチ 12:00〜、ディナー 18:00~
営業日:ランチ 日曜日のみ、ディナー 火~土曜日
※食事は一斉スタートです
※2024年4月より変更予定のため、お出かけの前に公式ホームページをご確認ください
ワインを楽しむホテル「LOOP」で過ごす夜
余市駅前に建つおしゃれな建物。1階はレストランで2階、3階がホテルの「Yoichi LOOP」です。レストランには、ドメーヌ タカヒコのワインがずらりと並んだワインセラーが。ほかにも入手困難な余市ワインも揃っています。コースに合わせたペアリングもありますが、グラスでもいただけるので好きなワインをピンポイントで楽しむこともできるのが嬉しいです。
レストランでは、コース料理をいただけます。スペイン料理がベースで余市ワインがよりおいしく感じられる品ばかり。食事の間に北海道ワインにも詳しいソムリエからおすすめのワイナリーを教えていただけるのもとっても有意義な時間でした。
余市町のブランド豚「北島豚」のローストはうっとりするようなロゼ色。ペアリングされたドメーヌ タカヒコのワインは2018年のヴィンテージでした。様々な年代のドメーヌ タカヒコのワインが揃っていて、飲み頃のワインを出してもらえます。熟成されたワインの持つしっかりした味わいが豚の脂の甘さを引き立て、おいしかったです。
最後は、華やかな見た目の具沢山パエリア。ワインと一緒にペロリと食べ切ってしまいました。
「ワイナリーに泊まるようなホテル」がコンセプトで、ワインの貯蔵庫のようなちょっと無機質な雰囲気がおしゃれ。小上がりのスペースで夜遅くまでワイン片手に語らうのも素敵ですね。またキッチンが備わっているお部屋もあります。近くのお店で海産物や地元の食材を買って部屋飲みするのも楽しそうです!
◆Yoichi LOOP
住所:北海道余市郡余市町黒川町4丁目123
電話:0135-21-7722
<レストラン>
営業時間:ランチ 11:30〜、12:30〜の2部スタート制、ディナー 18:00〜、19:00〜の2部スタート制
営業日:ランチ 金~日曜日、ディナー 火~土曜日
地元民にも愛される「ガンガラ」で焼き鳥とワインを気楽に楽しむ
気軽に余市のワインを楽しみたい方におすすめしたいのが、やきとり居酒屋「がんがら」です。ちなみに、北海道で「やきとり」は鶏肉ではなくて豚肉を焼いたものをさすことが多く、がんがらも豚串がメイン。タンやハツなど内臓系の串もある、いわゆるモツ焼き居酒屋。ワインのイメージがないジャンルのお店ですが、余市産ワインが豊富に揃っています。さすが余市にあるお店!
お肉には赤ワインとはよくいわれますが、シンプルに焼かれた豚串は臭みもなくロゼワインが絶妙に合いました。豚肉と玉ねぎの「ねぎま」は北海道ならではの味わいです。タレの甘さとワインの相性も抜群。余市ワインとモツ焼きの組み合わせ、ハマりそうです。
◆がんがら
住所:北海道余市郡余市町黒川町2-75
電話:0135-22-6109
営業時間:17:30〜22:00
定休日:月・日曜日
グルメも楽しんでこそのワインツーリズム
ワイナリーを訪れワインを買うだけでなく、その土地のグルメも一緒に楽しむのがワインツーリズム。余市町は、町全体で盛り上げているためワインと一緒に楽しめるグルメ情報が載ったガイドブックも作られています。旅行の途中にちょっと立ち寄るのもおすすめですが、時間が足りず「次回は余市を目的に旅しよう」と思ってしまうはずです。ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。