函館じゃないと食べられない! 現地限定グルメ5選

日本の流通事情は本当に優秀です。多少時間はかかっても、離れた土地のものでさえ入手・賞味できるんですから。利便性には感謝しつつ、現地でしか食べられないものが頭をよぎるのも事実。近隣に住んでいる人と、旅をした人へのご褒美ともいうべきご当地限定の味、せっかく手が届く場所を訪ねていたとしても知らずに食べ逃してしまったら……。食べるも食べないもあなた次第ですが、「食べたほうがいい」と心から思うので提案させてください。現地で便利に楽しめる方法もご紹介します。
撮影/佐野円香
目次
[1]肉汁と旨みが炸裂! 函館カール・レイモンの「チューリンガー」

焼きソーセージセット1皿 1,080円。上にのっている、奥のほうがチューリンガー
「ここを知らない函館っ子はいない」と言っていいほど地元の人々に愛されている、ドイツ製法のハム・ソーセージ専門店。国指定重要文化財の旧函館区公会堂や函館ハリストス正教会が立ち並ぶ元町エリアにあるレイモンハウス元町店では、眼の前で焼き上げてくれる焼きソーセージやホットドッグが食べられます。
なかでもレアなのが、ソーセージ「チューリンガー」です。茹でたあと、店内のグリルで香ばしく焼き上げ、肉汁で輝いています。食感は「ぱりっ」とくるとお思いかもしれませんが、しっかりとした噛み心地。「肉っ!」と主張する旨みがあふれだし、スパイスが香る、素材の見えるソーセージです。

チューリンガー210g(3本入り)972円
ちなみに、店舗ではお土産にソーセージやハムが販売されていますが、チューリンガーは店舗での配送のみ受付。非加熱のまま加工しているがゆえに少しの解凍でも品質が変わってしまうおそれがあるそうです。オンラインストアにも常時あるわけではなく、私も首を長くして待っています。待ちきれない方は、『月刊旅色2024年2月号』の撮影で訪れた森 七菜さんが絶賛した「レモン&パセリ」をどうぞ。オンラインストアにも並び、函館市のふるさと納税の返礼品にもなっています。
[2]正式な食べ方が意外! スナッフルスの「チーズオムレット」

チーズオムレット250円(コーヒー付き)
函館スイーツといえば、断然、函館スナッフルスの「チーズオムレット」。「ほぼ、おいしい空気」と言いたいほど、シュワッとして軽やかなのに確かにチーズを感じるなめらかな口溶けです。これは、北海道産の新鮮なチーズや卵、牛乳などを使い、すべて手作りで仕上げているからこそ。しかもできてから一度も冷凍せず、消費期限は製造日を含めて7日のため、現地での購入が必須です(要冷蔵)。ただ、持ち帰るまで待てますか? 待ちきれない方におすすめなのが、金森洋物館店の「Catchcakes Bar(キャッチケーキバー)」。Catchcakes(キャッチケーキ)とは、思わず手づかみで食べてしまいたくなる同店の人気シリーズで、チーズオムレットのほか、「蒸し焼きショコラ」や「ティラミスオムレット」、期間限定など味のバリエーションも多彩。「Catchcakes Bar」ではそれらが1つから購入できて、コーヒーとセットでその場で食べられます。
衝撃なのはその食べ方!まずは、ビニールで包装されたままのキャッチケーキを上下逆さにひっくり返し、包みをあけると、台紙が一番上にきます。それを和菓子でいうところの黒文字のようにして、切り分けたりすくったりして食べます。ふわふわゆえの知恵でした。
[3]有名アーティストが太鼓判! ハセガワストアの「やきとり弁当」

やきとり弁当(小)560円
函館市を中心に展開するコンビニ・ハセガワストアの「やきとり弁当」は、函館出身のロックバンド・GLAYのJIROさんが、メディアで紹介したり函館を訪れるアーティストに差し入れしたりしたことから全国的に知られるようになりました。やきとりだけのパック販売はありますが、お弁当として食べられるのは函館だけ!“やきとり”と言いながら、豚肉を使っているのも特徴で、店内のポスターによると北海道の道南エリアでは養豚が盛んで昔から“やきとり”といえば、豚精肉が一般的だったそう。味は、甘辛のタレ、コショウがきいた塩、酸味がアクセントの塩だれ、じんわり辛いうま辛、コクのあるみそだれと5種ありますが、人気はダントツでタレ。やきとりの本数の増減や部位のカスタマイズなど自分好みに注文できます。
できたての温かいお弁当を食べてほしいとの思いから作り置きはせず、注文を受けてから店内で焼き上げてくれるのがいいんです! 店内で食べることも可能なので、熱々が食べられます。
[4]函館っ子のソウルフード ラッキーピエロの「チャイニーズチキンバーガー」

チャイニーズチキンバーガー462円(テイクアウトは454円)
函館市を中心に17店舗を展開するラッキーピエロ(通称ラッピ)は、今やご当地バーガーの代表格。ジャンボオムライスや焼きそばも人気ですが、まずは不動の人気を誇る「チャイニーズチキンバーガー」から始めるのが王道ルートです。珍しいほど柔らかなバンズの間に挟まっているのは、てりやきソースとは違う、甘辛のタレが絡んだ大きな唐揚げ。しかも、バンズ越しにも熱々とわかる揚げたてです。噛みしめていると、バンズのごまが存在感を出してくるラッピならではのご当地バーガーです。
ちなみに、北海道では広く飲まれているガラナをはじめ、オリジナルのお土産が揃うので要チェックです。
[5]名店の味がワンハンド! 五島軒の「函館カレーパン」

函館カレーパン 378円
安政元(1854)年のペリー来航により開港した函館には、外国人居留地があったことから神戸や横浜同様、洋食文化が根付いています。その代表格ともいえるのが「五島軒(ごとうけん) レストラン雪河亭」です。当初はパン屋としてスタート、その後、西洋料理店となりました。名物のカレーはお土産やふるさと納税の返礼品にもなるくらい有名で、店舗には行列も。それが手軽に味わえるのが「函館カレーパン」です。
少し甘めでもちもちの生地には、人気の函館カレーをベースに道産の素材を6時間かけて作ったフィリングが詰まっています。予定を詰めがちの旅の途中で、伝統の味を気軽に味わえるのは助かります。週末は売り切れ必至なので、早めに行きましょう。

五島軒 レストラン雪河亭の人気メニュー「明治の洋食&カレーセット」3,300円
支払いは現金、スマホ決済のほか「ふるさと納税」もあり
函館といえば夜景やレトロな街並みも外せませんが、「食の街」としても絶対的な実力があります。北海道の港町というポテンシャルゆえに、市民の皆さんの口が肥えているから食のレベルが高いのではと推理しているのですが、その実力、ぜひ現地で確認してください。函館を巡るときに便利なのが、「ふるさと納税」の返礼品として受け取れて、函館市内の各所で使えるポイントやクーポン。まずその場で味を確かめてから、改めて自宅で「ふるさと納税」を……という慎重派にもおすすめです。

このマークが目印 撮影/ホソブチ
ほかにも函館の魅力を『月刊旅色2024年2月号』で公開中
函館市で提供される食べ物のアツいこと! “熱量”という意味もありますが、単純に温度も熱いのです。油断していると火傷しますが、「熱いがごちそう」といいますし、それが函館の本気です。ふるさと納税を申し込んだ上でお得に楽しみましょう。また、森 七菜さんが表紙を飾る『月刊旅色2024年2月号』では、函館市を巡るモデルコースや、函館市の名物をご紹介した特集が盛りだくさん。ぜひ参考にしてください。