GW連休でいかに旅できる? 長期自転車旅計画のコツを解説
トラベルライターの土庄です。そろそろGWの旅の予定を立て始めている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。社会人にとって貴重な長期休暇、いかに非日常の冒険を楽しめるか? ということが、後の仕事のパフォーマンスに大きく影響します...…。そこで今回は、GWをまるまる自転車旅に充てる土庄が、長期自転車旅の立て方をご紹介。 いくつかのポイントを押さえつつ、自分だけのオンリーワンの自転車旅に挑戦してみてはいかがでしょうか。
目次
年数回の長期連休ぐらい思いっきり旅がしたい
私は大学3・4年生の時、かなりの時間を自転車旅に費やしました。しかし学生の頃はたっぷり時間を取ることができた休暇も、社会人なると貴重な長期連休に。また新社会人の洗礼も受け、負荷の高い日々を過ごすなか、その反動として、「年数回の長期連休ぐらい思いっきり旅がしたい...…」という感情がふつふつ芽生えます。
毎年GWには、しっかり休みが取れるように、綿密に長期自転車旅計画を立てていました。具体的な計画内容の一例は以下の通り。主に九州四国へ、飛行機やフェリーで輪行ワープしたのち、300〜800kmほど走っていました。
・四国の屋根・UFOライン自転車旅&石鎚山登山(3泊4日)
・新緑の阿蘇くじゅう・耶馬溪自転車旅(4泊5日)
・五島列島・長崎外海自転車旅(8泊9日)
天候に恵まれたことも大きいですが、予定通りに行かなかった旅はほとんどなく、毎回絶景・グルメ・人や文化、そんな刺激的な出会いに富んだ冒険を楽しむことができました。こんかいは長期自転車旅の計画ノウハウをお伝えします。
自転車旅の基本ステップ! 旅程の大枠を押さえる
1つ目は、旅行先の選定です。まず行きたいエリアを決定。アクセスは飛行機・フェリー・電車のどれがいいか、料金や時間を見ながら比較し、往復の交通手段の予約を少なくともGWの1ヶ月半前には終えておきます。
次にそ確実に押さえたいスポットを3〜4つ設定します。スポット同士の距離を見て、1日の走行距離を80km前後で試算していきます。1日予備日を設定し、最終日の前日にスタートまで戻ってくれれば、一旦旅程の大枠は完成です。4泊5日なら320km、5泊6日なら400km、6泊7日なら480kmといった距離感がベストです。
ロングライドのルート案を考えるときの2つのポイント
ポイント① 平均時速は15km/h。1日の移動時間と距離を考える
どれほどの平均時速をキープできるかが、1日の走行距離に大きく影響します。慣れたサイクリストの方であれば、20km/hでも大丈夫かと思いますが、私は15km/hで想定することが多いです。また4時間ごとに1時間の休憩を設定します。
つまり1日の標準的な走行時間を8時間とした時、休憩時間は2時間となり合計10時間。平均時速15km/hで理論上、120kmの距離を走ることを距離の上限として設定することが多いです。無理のないスケジュールを立てることで余白の時間が生まれ、旅の寄り道時間も確保できるのもメリットです。
ポイント② 獲得標高をもとに、1日の移動時間・距離を調整する
ロングライドにおいて、もう一つ大切な指標が「獲得標高」です。獲得標高とは、自転車に乗って上がった高度の累計値のこと。距離100kmに対して獲得標高1,000mが一般的とされています。仮に距離100kmに対して、獲得標高が2,000mだった場合、同じ距離でも負荷が全く異なるのです。
獲得標高は「RouteHub」「GarminConect」といった無料サービスを利用し、ルートを引くことで算出することが可能です。獲得標高が2,000mを超えるレベルになってくると、険しい山岳道路を走るルートになることも多いため、その坂の区間は2倍の時間がかかると想定します。
輪行で移動シュミレーション、そして宿予約
悪天候や機材トラブルといった状況に陥った時、宿に到着できず旅程が破綻してしまう可能性もあります。そのため輪行(自転車を専用の袋に入れて交通機関で運ぶこと)で、宿近くまで移動できることを前提に旅程を組めるとベターです。ここまで考えてから、宿を予約します。
宿を予約するときには極力、1日前までキャンセル料のかからない宿を押さえると良いでしょう。天気予報によって、直前まで予約をキャンセルするリスクがあるためです。私が重宝しているのは、料金がリーズナブルなゲストハウスや民宿。朝はとても早い時間に出発する可能性も考慮して、素泊まりか夕食付きのプランを選択します。
1週間前の天気予報次第で旅程を大幅に修正する
綿密に旅行計画を立てましたが、計画通り旅を遂行できることは、ほとんどありません。なぜなら、自転車旅は天候に左右されてしまうからです。1週間前の天気予報をチェックし、場合によっては、旅程を大幅に修正します。
晴れの日数が限られる場合、晴れの日をいかに活用するか、が大事になります。場合によっては、2日分の旅程を1日に詰め込むことも。早朝5時に出発し、19時に宿にゴールする計算で、1日で約160km近く走った経験も稀にあります。部分的にかなりストイックな旅程になりますが、走破できた時の感動と充実感はひとしおです。
考えることも多いけれど、それも楽しい長期自転車旅
今回は旅行先のご紹介というより、ノウハウの部分が大きいですが、長期自転車旅計画の立て方をお伝えしました。非常に考えることが多いですが、その苦労を踏まえて、旅の全日程を無事に終えた時、その旅はきっと忘れられない思い出になるはず。このGWに、ぜひ長期自転車旅に挑戦してみてはいかがでしょうか。