浅田政志さんから学んだ、人物撮影で大事なこと

2022年10月1日(土)に開催されたた写真家・浅田政志さんによる写真撮影イベント。参加した旅色LIKESメンバーのほしこさんが、ご自身の経験と重ね合わせて今回のイベントで学んだことをまとめてくれました。
目次
◆この記事を書いたメンバー

ほしこさん(5期生)
都内在住の会社員。国内外問わず、色々なスタイルで旅を楽しんでます! (ほぼ)毎年欠かさないのが、御蔵島でイルカと泳ぐこと。ハワイのツアーをきっかけに、週末で泳ぎに行っています。入手したばかりの御酒印帳を手に、全国の酒蔵巡りをするのがこれからの楽しみです!
参加のきっかけ
最高の天気の中、横浜で開催された「講師は写真家・浅田政志さん! 写真撮影講座in横浜」に参加してきました。浅田さんを知ったのは、今年2月、友人に連れられて行った水戸芸術館の展覧会「浅田政志 だれかのベストアルバム」でした。浅田さんが撮った写真に写る人たちは、とてもイキイキした表情をしていたのが印象的で、今回の写真講座の開催を知り、少しでもそのコツを盗んでみたい! と思ったのです。
参加してみて、写真について考えるいい機会になりました。そしてなにより、たくさんの人物写真を撮りたくなりました。
人物写真へのホンネ

私の場合、一緒にいる人のタイプによって撮る写真が違います。たとえばこちらの写真(湖畔で物憂げな表情をしてもらいました。こんな表情をしていますが、撮影前後はノリノリです)。
写真を撮られるのが好きで、慣れている友人なので、何度も撮り直しできるし、撮りたい写真をリクエストできるのが嬉しいところ。「今度はこう撮ろう!」とおしゃべりしながら撮影できるのも楽しく、「こんなところにこんなのあった!!」と、撮りながら気づくこともあります。

一方で、「好きに撮っていいよ」スタイルの人が被写体の場合、後ろ姿や何かしている姿の写真が多くなります。相手が身構えない分、自然な写真が撮れるのがいいところです。
そして一番難しいのが「撮られるのが苦手な人」の場合。当然ですがなかなか撮影できず、時々手が映る程度で、風景や食事ばかりになってしまいます。本当は人物写真をたくさん撮りたいなと思いながらも、私自身撮られるのが苦手なので、強く言うこともできず、ほぼ諦めていたのが今まででした。
とはいえ、せっかくなら旅の記録には人を写して、できるだけ「自分や一緒に行った人がいた証拠」を残したい。きっと同じ思いの人が多いのでは? と感じ、今回の講座で学んだことをまとめてみました。
昔の写真から気づいたこと
撮るのも撮られるのも苦手という参加者が多いなか、浅田さんが見せてくださったのが、写真が発明された当時の写真でした。写真を撮ることが好きになって10年以上経ちますが、写真の歴史を考えたことはありませんでした。ついつい、「どうやったらいい写真撮れるか」「よく写れるか」を考えてしまいますが、昔の写真の存在は今とは違ったのだと浅田さんから学びました。
写真ができた当初の写真は1枚しか残せなかったといいます。撮影には数秒かかり、モデルはその間静止していないといけません。もちろん、撮り直しもできないため、ここぞ! というときに撮影し、大事に扱われていたそうです。
誰かを撮影するときに大事なこと
デジタルになった今、写真は何度も撮り直しができるうえ、撮りながらその場で画面を見ることもできます。何よりも気軽に撮影できるようになりました。それと同時に、1枚1枚を撮影する目的が曖昧になって"なんとなく"撮ることも増えたなと感じます。
そんななか、浅田さんのレクチャーで教わったのが「撮影する相手に、撮影の目的や、自分が何を撮りたいかを伝えることが大事」ということです。旅先で出会った人、写真に写る友人や家族に自分の想いや考えを伝えることで、イメージを共有することができ、お互いに撮りたい写真に近づけることができるとのこと。
では、どうしたら撮りたい写真をイメージできるのでしょうか?
浅田さんがくれたヒントのひとつが「背景と人物のバランスを考えること」。背景を決めて、どこにどのように人物を配置したいかを決めるといいそうですよ。また、人物を撮影するときは逆光がおすすめだそうです! まつげなどの影の心配がないこと、加工しやすいことも背景にありそうです。逆光なら目をつぶる心配も少ないですね! 私の母は、毎度目をつぶってしまうので、その機会を減らしてあげられそうです。
実践! 初めて会う人との撮影
そんな話を伺った後は、実際に横浜を舞台にペアになって撮影を行います。私のパートナーはChieko さん。初めてお会いする方でした。撮影時間は約1時間。「横浜赤レンガ倉庫」までの道中におしゃべりをしながら、「こんな写真が撮りたい!」と企んでいました……が、実際にはうまく伝えられず。伝えるって難しい!
「爽やかで優しい雰囲気が伝わる写真にしたい」
「横浜らしい風景を写したい」
「二人とも白いトップスだったので、映える場面で撮影したい」
たとえばこんな提案をしてみました。シチュエーションごとに、もっといろんな提案ができたらよかったなと思います。実際に2人で撮影した写真はこんな感じになりました。

撮影序盤に、浅田さんから教わった方法でセルフタイマー撮影にチャレンジです。空の青をキャンバスと思って撮影しました。色々なポーズを取ったり、橋を写したい!!なんてやり取りをしていたら、自然と楽しくなって一緒になってはしゃぐことができました。

そんな流れで撮影したのがこちらの写真です。「赤レンガ倉庫の柱をポールに見立てて、ポールダンサー風にしましょう!」と方針が決まりました。初めて会ったとは思えないほど打ち解けられたのも、写真のチカラでしょうか。白のファッションが赤に映えて、思惑通り。

撮影/Chieko
柱を活かした、こんな写真も撮影してもらいました。

撮影/ほしこ
撮影の途中、たまたま散歩中の通行人の方を見ていて「いいな!」と思ったのがこのルートです。右を見たら横浜の海、左を見たらランドマークタワーや観覧車。写真には写りませんが、横浜の景色を見ながら微笑む姿が爽やかで素敵な1枚です。(実際には、カメラに向かって歩いてもらいました)。

撮影/Chieko
同じ場所でChieko さんに撮影いただいたこちらの写真は、家族にも評判がよかったので、プロフィール写真にさせていただきました。自分が思っているよりも自然な表情ができていたのに驚きました。
撮影を終えて
撮られるのが苦手だった私が、話をしているうちに「こう撮ってほしい!」「こう撮ったらどうかな?」と思えるようになったのも新たな気づきです。浅田さんのわかりやすいレクチャーのおかげで、改めて人物を撮る楽しさと、撮る相手とのコミュニケーションの難しさを感じた1日でした。相手に自分の想いを伝えることを今まで以上に考えながら写真撮影したいと思います。
またぜひ、第2弾の企画があれば参加したいです! それまでにたくさん人物写真を撮って、鍛えようと思います。
※本イベントは感染症対策を講じて実施されています。撮影時のみマスクを外しています。