―― 今回巡ったスポットのなかで特に印象的だったのは？

吉野ケ里遺跡ですね。足を踏み入れたとき『教科書で見た世界が今、目の前に広がっている！』という感動がありました。施設の方から、弥生時代の方がどんな生活をしていたのか、いろんなお話が聞けて、教科書の2ページくらいにきゅっと納まっている情報のその奥を知ることができました。展示物をただ見るだけではなく、学ぶことができて、弥生時代の人の営みがより鮮明に想像できるようになったのが楽しかったです。撮影で見学できたのは全体のごく一部みたいなので、今度はぜんぶ見てまわりたいです。

―― 施設のスタッフさんに、積極的に質問されていましたね。

弥生時代の住居は、窓も煙突もないんですよね。でも暖を取るために火を焚いていたらしいので、換気システムがないのにどうして呼吸が苦しくならないのかと聞いてみました。当時の屋根は草葺きだから、煙は草の間を抜けていくのだそう。半地下になっているのは、夏は涼しく冬はあたたかく過ごせるから。思っていた以上に合理的に考えられている住居なんだということがわかりました。

―― 縁結びや開運にまつわるスポットもたくさん巡りました。

仁比山（にいやま）神社は、そこかしこにお猿さんの置物がありました。招き猫がたくさんいる神社は見たことがあるけど、お猿さんは初めて。お猿さんにお水をかけて願掛けをする場所では、ひとつひとつのお猿さんが苔むしていて、きっとこれまでたくさんの人が来てお参りしたんだろうなと時間の流れも感じることができました。縁結びの愛逢橋（あいあいばし）がある仁比山公園は足湯が気持ちよかったです。そこから見える景色もきれいでした。

―― 樹齢1000年のクスノキはどうでしたか？

白角折（おしとり）神社のクスノキは圧巻でした。約1000年もの間、あれだけ形が残っているのがすごい。櫛田宮（くしだぐう）のクスノキの中が黒くなっていたのは、どうしてなんだろう？ 朽ちているわけではないのに真っ黒で不思議でした。神聖で神秘的なパワーがあったように感じました。

―― クスノキを使った香りアイテムがある雑貨屋さんにも行きました。

「ecobito（えこびと）」はお店に入った瞬間にクスノキの香りがぶわ～っと香ってきて癒されました。クスノキのシャンプーやディフューザー、リップなど、いろんなクスノキのグッズがあったけれど、私はクスノキのチップが気になりました。

―― どのような香りが好きですか？

クスノキやビャクダンといった和の香りが好きなんです。うちはネコがいるので自宅で精油を使ったものは使わないようにしているのですが、出先ではリフレッシュミストなどで、香りに癒されています。

―― 尾崎人形工房の絵付け体験はいかがでしたか？

そんなに器用なタイプではないので、けっこう悩みました。尾崎人形の伝統的な色使いが青と赤と黄色だと聞いていたので、それを軸にどうオリジナリティを出そうか考えていてとっても難しかったのですが、工房の方が「一旦筆が乗り出すと、どんどんイメージが見えてくるようになりますよ」っておっしゃっていた通り、ある場所に思い切って一筆入れたら、そこからどんどんイメージが湧いてきて、そこからはスピーディーに仕上がりました。

絵付けは初めてだったのですが、ラインを入れるだけなら初心者で不器用な人でもきっと簡単にできると思います。作ったものをそのままお土産にできるのもいいですよね。私は来年の干支の辰にしたので、玄関に飾ろうかな。

―― 神埼の旅は、どんな人におすすめしたいですか？

パワースポットが好きな人におすすめしたいですね。空気がきれいなので深呼吸するだけで浄化されるような気持ちになれますし、落ち着きます。特に緑の多い場所は神聖で神秘的な空気が漂っていて、ジブリの『もののけ姫』みたいな世界観！ 私のまわりにはパワースポット好きがたくさんいるので、みんなに教えてあげたいです。

―― 特に見てもらいたい景色は？

やっぱり吉野ケ里遺跡。もう大好き（笑）。物見やぐらから見た風景が特によかったです。吉野ケ里遺跡の敷地内だけでなく市街地もその向こうの山まで見渡せて、気持ちよかった。もっとずっとあそこにいたかったですね。

―― 松井さんにとっての開運スポットは？

京都の晴明神社にはときどき行きます。きっかけはお仕事で知り合った方が晴明神社にお参りしてから運がよくなったと言っていたから。私は定期的に行くというよりは「あ、今、行かなきゃ」っていう、いわゆる呼ばれていると感じるときがあって。だから先日も京都へ一人旅をしたのですが、その日は「今日は行かなくていいか」って気持ちになって目的の用事だけ済ませて帰ってきちゃいました。なんなんでしょうね？ お参りに行ったときはお守りとステッカーを買って帰ります。

―― 今、行きたい旅先は？

2022年に西九州新幹線が開通したとき、1日駅長をさせてもらったのですが、新幹線には乗れなかったんです。なので実際に乗ってみたい。北陸新幹線ももうすぐ延伸されるので、新しく開通したエリアを旅したいですね。

―― 新幹線が好きなんですね。

見るのも乗るのも好きです。東海道新幹線以外の新幹線は、車両にそれぞれの土地にちなんだ素材だったりモチーフを取り入れているんですよ。観光列車もいいですよね。その土地の食材が入ったお弁当を食べながら景色を楽しめる。鉄道に乗りながら、土地を感じられるという取り組みが素敵だなって思います。

―― プライベートでの旅のスタイルを教えてください。

昔から一人旅が好き。拠点となるホテルを決めたら、そこから徒歩でどこまで行けるのか考えたり調べたりするのが楽しいんです。午前中はアクティブに出かけて、夜はホテルでまったりと気ままに過ごせるのも一人旅のいいところ。友達といっしょなら「どこ行きたい？」「何食べたい？」とあれこれヒアリングして、楽しませたい！ と思うタイプです。

―― 松井さんの旅の必需品は？

最近、仲間入りしたのは、Yogiboのネックピロー。高さがあって首をしっかり支えてくれるので座ったまま眠れるんですよ。中にはアイマスクも内蔵されていて、移動中にしっかり眠れるので、旅好きの友達にプレゼントしています。