長崎県生まれで、島に行くのは好きだという足立さん。ご自身の旅の楽しみは「自然」と「食事」、そして今まで味わったことのない「体験」なのだそう。今回はそんな足立さんの希望を満たす旅になったようです。

――鹿児島県には仕事で何度か来られたそうですが、
　　種子島は初めてなんですね。

2009年にアニメ『銀河鉄道999 ダイヤモンドリングの彼方へ』のアフレコの仕事で、「銀河鉄道999映画祭 in 鹿児島」に参加させていただきました。そのときはちょうど「種子島宇宙センター」でロケット試験機が打ち上がるタイミングで、私たちも種子島に渡る予定があったのですが……天候不良により移動ができなくなってしまって、打ち上げは鹿児島県から見ることに。その様子は肉眼では小さくしか見えなかったのですが、感動しましたね。だから今回、種子島の西之表市に来られたのは念願叶った思いです。

――初めて種子島に降り立ったときは、どんな思いでしたか？

飛行機の窓から島の地形が見えてきたときは、ワクワクしました。飛行機を降りて歩いて行くと、小さくて可愛い「種子島空港」が見えてきて。こんなに間近に飛行機を見たのも、タラップを降りて空港内を歩いたのは初めて。この年齢になってもまだ初めての体験があるんだ、とうれしくなりました。

――今回の1泊2日の旅では、西之表市の歴史と自然と食を
　　体験しました。

「種子島開発総合センター 鉄砲館」では、世界中の鉄砲が見られるだけではなく、種子島の歴史全体を知ることができました。「七尋五葉の切株」の大きさにはびっくりしたし、東宝さんが製作したという「鉄砲伝来物語」のジオラマもさすがの力作！種子島の方言クイズも挑戦させていただきました。正解率はイマイチでしたけど（笑）。

――歴史を学んでからの「赤尾木城文化伝承館 月窓亭」訪問は、とてもいい流れでしたね。
種子島家を支えてきた羽生氏が花道の修行を行った屋敷だと教えていただきましたが、種子島さんという氏族がいたことも知らなかったです。今から270年以上前にできた建物だそうで、美しい庭園を見ながら休憩できる素敵な空間でした。黒糖を使ったお菓子や月桃のお茶を出していただいたのですが、こういうおもてなしもうれしいですね。

――黒糖は鹿児島県の特産物ですが、種子島の食べ物はいかがでしたか？
私、旅で地元のおいしいものを食べるのが大好きなんです！「味処 井元」でいただいた「特上海鮮丼」のカンパチやイカ、本当に感動しました。朝市場で仕入れた新鮮な食材を見て、日によって丼の中身が違うというのがいいですよね。サーモンがバラの花のように盛り付けてあって、そういう気遣いが感じられるのも素敵。ほかにもホタの焼き物や安納芋など、いただいたお料理は全て最高においしかったです。

――「天女ヶ倉」での絶景を眺めながらのヨガ体験はいかがでしたか？
仕事でヨガを体験したことはありますが、あんなに絶景のスポットでヨガをするのは初めて。やはり旅では、普段の生活ではできない体験がしたいです。美しい景色を眺めながら、気持ちいい風を感じてするヨガ、素晴らしい体験でした。ヨガはほかでもできますが、あのシチュエーションでのヨガはここでしかできないですよね、きっと。

――大型のシダの一種「ヘゴ自生群落」もすごかったですね！
違う時代に来たかと思うくらい、迫力のある場所でした。太古の雰囲気があって、ヘゴの大きな葉に、その葉の中からのぞくクワズイモのオレンジがものすごく映えていて！木漏れ日が差し込む場所は心地よくて、写真に収めたくなるスポットでした。不思議だったのが、この日はすごく暑い日だったのですが、「ヘゴ自生群落」の中はなんだか涼しく感じたんですよね。

――海にも行きましたよね。
今までも全国のいろんな海を見てきましたが、「浦田海水浴場」の透明感あふれる淡いブルーの海は、どこの海とも違いますね。その“浦田ブルー”と淡いピンクのブランコの対比はキレイで、写真映え抜群！私も写真を撮りたくなりました。私はどちらかというと運動が苦手で……今回みたいに足だけ入らせていただくのが大好きです（笑）。海岸沿いを歩く時間は心地よい時間でした。

――旅でのこだわりはありますか？
写真を撮るのが趣味なのですが、カメラにお詳しい佐野史郎さんにおすすめされた、FUJIFILMのミラーレス一眼カメラを使っています。そして、旅には必ずPENTAXのフィルムカメラを持って行くんです。フィルムはFUJIFILMの「フジカラーPREMIUM400」がお気に入り。プライベートでは、ときどき親友と旅行に行きますが、その友だちもカメラが趣味なんです。彼女もフィルムカメラを持っているのですが、フィルムはKodak派。旅の前にお互いのフィルムを1本交換して、それをそれぞれのカメラにセットして、お互いを撮り合うんです。

――旅の計画は立てる派？
毎回、思いつきです！ だから日帰りで弾丸が多い。親友が車を運転している横で、私は当日のリサーチ係。だからモバイルバッテリーは必須ですね。

――では事前の準備は特に何もしないんですね。

それが、お互い旅のファッションだけは念入りに事前に準備をするんです（笑）。お互いカメラが趣味なので、「明日は神社に行くから、こんな色の服が映えるんじゃないか」とか「山に行くから緑以外にしよう」とか「この場所でSNSのプロフィール写真を撮りたいから、お気に入りの服を着て行こう」とか、いろいろ考えながら前日はファッションショーですよ。撮影すること前提で、行く場所に映えるファッションを意識しています。

――2022年は30歳になられるということで、今後は仕事とプライベートはどうしていきたいですか？
10代でデビューして、20代はちょっと何かに追われるように走り続けてきた感じでした。ずっとこの仕事を続けていきたいと思うので、挑戦できるものはなんでもしたいです。スポーツは得意ではないのですが、観るのは好きなので、Jリーグやソフトテニスのお仕事をさせていただいています。こんな風にいろんな方の趣味が増えたり、その趣味がさらに楽しくなるような情報を提供するお手伝いもしていけたらなと思います。プライベートでは「手話」を勉強したいですね。お話しできる方の幅が広がるのはうれしいですし、手話がわかる人同士なら、ちょっと離れた場所でも会話できるし、この時代にも合っていると思います。これからの目標としては“楽しむ”ことですね。仕事でもプライベートでも、「楽しい一日だったな」と思えることが増えたらいいなと思います。楽しみますよ～30代も！