【和歌山・橋本市観光】真言密教の聖地!高野山周辺で寄りたいおすすめ神社仏閣11選

2024/01/24

【和歌山・橋本市観光】真言密教の聖地!高野山周辺で寄りたいおすすめ神社仏閣11選

和歌山県にある高野山(こうやさん)は、弘法大師・空海が真言密教を日本に広め、修禅の道場として弘仁7(816)年に開山した聖地です。最大の特徴は、高野山全体が「金剛峯寺」というひとつの境内地であること。山中には、117カ寺が存在し、その内の51カ寺は宿坊としても利用できます。空海はもちろん、真田昌幸や真田幸村といった歴史的人物にもゆかりが深く、さまざまな角度で楽しめるのもポイント。「紀伊山地の霊場と参詣道」として熊野三山と吉野・大峯とともに世界文化遺産にも登録されています。今回は、そんな高野山周辺にある、神社仏閣をご紹介します。

丹生都比売神社

知る人ぞ知るパワースポットで高野山参拝をスタート!

高野山の入り口にあたる「丹生都比売(にうつひめ)神社」は、1700年以上前に創建された古社です。紀伊国一宮で、空海を高野山に導き神領の一部を授けた丹生都比売大神(にうつひめのおおかみ)をお祀りしています。本殿四殿は、春日大社に代表される「一間社春日造り(いっけんやしろかすがづくり)」で日本最大規模を誇ります。境内の朱塗りの輪橋(りんきょう)は、秀吉の側室・淀君(茶々)が寄進したといわれ、神様が渡るパワースポットとしても人気を集めています。

高野山真言宗 総本山金剛峯寺

和歌山県随一の観光地かつ信仰の聖地

弘法大師・空海によって開創された高野山真言宗の総本山「金剛峯寺(こんごうぶじ)」。日本三大霊場のひとつであり、日本の総菩提所、日本仏教の聖地ともいわれ、年間を通じて国内外問わず多くの参拝者が訪れています。明治2年の政令により豊臣秀吉が母の為に建てた青巌寺と隣の興山寺を合併して総本山金剛峯寺となりましたが、元々は金剛峯寺とは高野山内全体を指し「一山境内地」と呼ばれていました。現在の金剛峯寺は、総坪数4万8,295坪の広大な境内の中に主殿(本坊)をはじめとした多くの建物があり、また襖絵や建具・彫刻、日本最大級の石庭「蟠龍庭(ばんりゅうてい)」など見どころ満載。少し足を伸ばせば高野山の二大聖域のひとつ「壇上伽藍」があり、高野山の総本堂である「金堂」では、多くの重要な法会が行われます。山内には、117の塔頭寺院(たっちゅうじいん)があり、そのうち51カ寺は宿坊として参拝者の宿を提供しています。

奥之院

弘法大師の願いを体感する聖域へ参拝

「奥之院」は、弘法大師・空海が「ご入定(にゅうじょう)」されている聖域です。「入定」とは真言密教の修行のひとつで、無我の境地に至るために瞑想すること。弘法大師は現在もここ奥之院で生きており、弥勒菩薩の下生(この世に生まれる)まで常にこの世の幸せを願って永遠の瞑想をされていると信じられています。奥之院は、有田川の源流「御殿川(おどがわ)」に架かる「一の橋」からスタートするのが正式な参拝方法。一の橋から弘法大師御廟(こうぼうだいしごびょう)までの約2kmの道のりには、樹齢600年以上の杉木立を縫うように参道があり、その周りにはおよそ20万基を越える墓石が建ち並びます。戦国武将や諸大名をはじめ供養塔や慰霊碑として建立されている企業の墓、慰霊碑や謂われのある地蔵菩薩像、芭蕉をはじめとする著名な俳人・歌人の句碑や歌碑などが点在し、日本人の高野山への信仰心の深さを感じさせます。最奥の「御廟橋(みびょうのはし)」を過ぎると撮影禁止区域。弘法大師御廟の拝殿としての役割を担う「燈籠堂」には、1000年以上守られてきた、消えずの灯明「祈親灯(きしんとう)」をはじめとする20,000基を超える燈籠が灯されています。燈籠堂の裏側に佇む弘法大師御廟にもぜひ参拝を。

宝亀院

御衣替えの行事で知られる寺院

「宝亀院(ほうきいん)」は、高野山の中心・壇上伽藍からすぐ近くにある、高野山真言宗の別格本山の寺院です。空海が亡くなったあと、醍醐天皇は空海に「弘法大師」の大師号を送り、毎年空海の亡くなった3月21日には新しい衣を空海の霊廟へお供えするように観賢僧正に申し渡しました。そこで開基されたのがこちらの宝亀院で、現在も、毎年3月21日には「弘法大師御衣替法要」が行われています。また、空海の制作した「十一面観音像」「弁才天像」といった多数の重要文化財を有しているのも特徴です。予約しておけば、宿坊に宿泊することもできるのでぜひ。

持明院

約2,000坪の庭園の中に立つ風情と歴史ある寺院

高野山の中心部に立つ「持明院(じみょういん)」は、参拝に便利な宿坊として知られる高野山真言宗の別格本山の寺院です。見事な庭園が自慢で、どの部屋からも風情ある景観を楽しむことができます。春はしだれ桜、夏はシャクナゲなど、四季折々の風景も魅力。「お勤め」と呼ばれる伝統的な朝の勤行(ごんぎょう)のほか、写経や座禅といった体験も充実しています。寺院内には、仏像・仏画・経典などが飾られており、江戸時代初期の日本画家によるふすま絵や調度品も鑑賞できます。

赤松院

四季の移ろいを感じる広大な庭園が魅力

「赤松院(せきしょういん)」は約1100年前に、聖快阿闍梨によって開基されました。かつては「山本坊」と呼ばれていましたが、室町時代に後醍醐天皇の皇子であった護良親王が住職となり、その護衛であった赤松則村(あかまつのりむら)が円心入道として随従したその後、「赤松院」へ改称。現在に至るまで、代々、赤松家の菩提を弔う寺院として続いています。高野山を代表する美しさといわれる2,000坪の庭園は大きな見どころのひとつ。宿坊としても利用できます。

密厳院 苅萱堂

悲劇の物語が伝わる地でその風格を感じよう

高野山の中心に位置する「密厳院(みつごんいん)」は、新義真言宗の開祖である興教大師覚鑁上人(こうぎょうだいしかくばんしょうにん)が修行された地に建立された寺院です。境内に立つ「苅萱堂(かるかやどう)」は平安時代末期の悲話「苅萱物語」にゆかりがあり、父・苅萱道心(かるかやどうしん)と母・千里(ちさと)姫、その子どもである石童丸(いしどうまる)の親子の悲劇を絵で紹介しています。また、精進料理や早朝勤行などを体験できる宿坊として、宿泊も可能です。

本覚院

見事な天井絵や庭園など見どころ満載

「本覚院(ほんがくいん)」は、智証大師(ちしょうだいし)によって作られた不動明王像(秘仏)をご本尊とする寺院で、宿坊としても利用できます。見どころは、本堂の天井に描かれた色彩豊かな天井絵。建立から250年以上経った現在でも、美しい彩色を残しており、一枚一枚すべて趣向を凝らした絵のはめ込み板が、本覚院の本堂を特徴づけています。苔を配した石庭、滝の落ちる北翠庭など5つの庭園に囲まれており、風情ある風景を楽しむことができます。※2023年12月現在、宿坊のみ利用可能、参拝のみは不可。

蓮華定院

表門

庭の梵字

大広間

真田家墓所

上段の間

写経

真田家ゆかりの寺院で修行体験

「蓮華定院(れんげじょういん)」は、鎌倉時代初期に創建された寺院。関ケ原の戦いのあと、真田昌幸公と真田信繁(幸村)公が仮寓(かぐう:仮に住むこと)していた、真田家ゆかりの地としても知られています。現在の本堂・庫裏(くり:寺院における台所のこと)・山門は、江戸時代の万延元(1860)年に真田家の援助により再建されたもの。明治21(1888)年の大火を免れ、現代まで江戸期の大名寺院の格式を伝えています。瞑想を通し仏と心を一体とする修行「阿字観(あじかん)」など、宿泊者だけが修行体験できる宿坊もぜひ利用しましょう。※2023年11月下旬より2024年3月上旬まで庭園の改良工事のため、一部の客室は宿泊不可

成福院

ミャンマー(旧ビルマ)と交流が深い寺院

高野山内ほぼ中央にある「蓮華谷」に位置する「成福院(じょうふくいん)」。ビルマ方面戦没者の供養を行っており、ミャンマー(旧ビルマ)とのゆかりが深い寺院です。境内では、全国的にも珍しい八角形のお堂「摩尼宝塔(まにほうとう)」があります。ビルマ(現ミャンマー)から贈られた釈迦如来さまをご本尊とした「摩尼宝塔」は、ビルマのパゴダ(仏塔)を表すものとして建造されたもの。2000年には塔内の壁にステンドガラスを施し、床にはミャンマーより取り寄せた大理石を使用するなどの大改修が行われました。宝塔の内部に貼られた仏画15,000体も圧巻です。また、宿坊では写経を無料(奉納の場合は1,000円)で体験できます。

西南院

不眠や悪夢でお悩みの方におすすめの寺院

高野山霊場第一番にあたる「西南院(さいなんいん)」は、平安初期に、弘法大師さまの高弟である真然大徳によって開基された寺院です。ご本尊としてお祀りされている太元帥明王(だいげんすいみょうおう)は空海の御真筆で、除災招福のために拝されたといいます。本堂の迎門の二神には「阿吽の貘(バク)」が住み、獏は悪夢を食べる聖獣であることから、「吉夢招来」「悪夢退散」祈願も行っています。境内にはカフェコーナーがあり、香り高いコーヒーとともにのんびりとした時間を過ごせます。宿坊も利用可能。

おわりに

かつての修験者と同じように写経や座禅などの修行体験をしたり、空海にまつわる寺院をめぐったりと、さまざまな楽しみ方ができる高野山。ぜひ、いくつかの寺院を参拝して、その歴史にふれ、パワーを授かってみてはいかがでしょうか? 参拝するなら、朝の勧行や精進料理をいただける宿坊を利用するのもおすすめですよ。

旅色編集部 おおもり

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記事企画・監修:旅色編集部 おおもり

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