【京都】芸術の秋を味わう!おすすめの美術館15選

【京都】芸術の秋を味わう!おすすめの美術館15選

美術館・博物館

2023/09/27更新

秋の京都観光といえば、美しい紅葉と神社・お寺とのコラボレーションを思い浮かべる方も多いと思いますが、実は、京都市内には「芸術の秋」を楽しめる、たくさんの素晴らしい美術館が点在していることをご存じですか? 例えば、京都ならではの歴史が感じられる美術館や、自然との調和が美しい建物、観光の合間にふらっと気軽に立ち寄ることができるスポットなど多岐に渡ります。今回はそんな芸術の秋を味わいたい方におすすめの美術館15選をご紹介。好奇心を満たす日帰り旅を満喫してみてください。

【下京区】美術館「えき」KYOTO

京都駅直結、国内外問わず幅広いジャンルの展覧会を開催

百貨店「ジェイアール京都伊勢丹」の7階に隣接する『美術館「えき」KYOTO』は、文化都市・京都で、多くの方に喜んでいただける文化・情報発信基地となることを目指し1997(平成9)年に開館した美術館です。絵画や写真をはじめ、絵本・工芸・アニメ・ファッションなど、国内外を問わず幅広いジャンルで文化性、話題性の高い展覧会を開催しています。また、京都駅に直結しアクセスもよく気軽に立ち寄って鑑賞が楽しめるのも魅力です。

【下京区】角屋もてなしの文化美術館

江戸の名残を感じながら貴重な品々を観賞

江戸時代、京都を代表する花街・島原で高級料亭として営業していた「角屋(すみや)」。江戸期の饗宴・もてなしの文化の場であった角屋は、1952(昭和27)年に国の重要文化財に指定されました。現在は「角屋もてなしの文化美術館」として建物内部とさまざまな美術品を展示・公開しています。かつて新選組や幕末志士が足を運んだとされる角屋の空気を感じながら、重要文化財にも指定されている与謝蕪村「紅白梅図屏風(こうはくばいずびょうぶ)」など、貴重な品々を鑑賞しましょう。

【下京区】遠藤剛熈美術館

本館東1F

デッサン

遠藤剛熈の作品展示のほか、本人デザインの建物にも注目

自然に実在する生命と、純粋永遠なものを追究した京都出身の画家・遠藤剛熈(えんどうごうき)。こちらの「遠藤剛熈美術館」では、そんな遠藤の初期から近年の作品まで約2,000点を収蔵しています。重厚かつ透明で生命感あふれる油彩画、下絵ではなくそれ自体で独立した作品の一筆入魂のデッサンなど、収蔵されている作品はさまざま。遠藤が自らデザインしたというギリシャ神殿をモデルにした外観や、正面玄関や階段といった内装部分にも注目です。

【東山区】高台寺掌美術館

豊臣秀吉と正室・ねねゆかりの品を展示

1606(慶長11)年、豊臣秀吉の正室・ねねが夫を弔うために創建した「高台寺(こうだいじ)」。その高台寺の門前向かいにある京・洛市「ねね」の2階に位置する「高台寺掌(こうだいじしょう)美術館」は、寺の宝物館的役割を担う美術館です。館内には高台寺と関連寺院の宝物・収蔵品を中心に、秀吉とねねのゆかりの品を展示しています。寺院には多くの蒔絵の調度品が伝わっており、中でも秀吉が愛していたのが、安土桃山時代を代表する漆工芸「高台寺蒔絵(こうだいじまきえ)」なのだそう。そのほかにも、絵画、文書や刀剣類などの所蔵品の数々が季節ごとの企画展で公開されています。

【東山区】何必館・京都現代美術館

山口薫 「おぼろ月に輪舞する子供たち」1968年 何必館・京都現代美術館蔵

村上華岳 「太子樹下禅那図」1938年 何必館・京都現代美術館蔵

北大路魯山人「つばき鉢」1938年 何必館・京都現代美術館蔵

光庭

祇園の花街の中心に佇む美術館

1981(昭和56)年にオープンした、京都祇園に位置する「何必館(かひつかん)・京都現代美術館」。「学問でも、芸術でも、人は定説にしばられ自由を失ってしまう。その定説を『何ぞ必ずしも』と疑う、自由の精神を持ち続けたい」という願いから「何必館」と名づけられました。日本画家・村上華岳(むらかみかがく)、洋画家・山口薫、美術工芸のあらゆる分野で活躍した作家・北大路魯山人(きたおうじろさんじん)の作品を中心に展示。そのほかにも、国内外から近現代までの幅広い作品を収蔵しています。

【左京区】細見美術館

洗練された館内で美術鑑賞からランチや喫茶まで

実業家であり日本美術コレクターだった細見古香庵(ほそみここうあん)から始まる細見家三代のコレクションを収蔵・展示している「細見美術館」。同館のコレクションは、神道・仏教美術から茶の湯の美術、琳派や伊藤若冲(いとうじゃくちゅう)といった江戸絵画など、日本美術の幅広い時代・ジャンルにわたります。日本の美しく繊細な美術作品を鑑賞した後は併設されている、数寄屋建築の名匠が仕立てた茶室、カジュアルな雰囲気の中でランチや喫茶が味わえるカフェでひと休みしましょう。

【左京区】京都市京セラ美術館(京都市美術館)

撮影:来田猛

中央ホール 撮影:来田猛

光の広間 天の中庭 撮影:来田猛

屋上庭園「キューブテラス」 撮影:来田猛

美術鑑賞からイベント、カフェまで多彩な楽しみ方が可能

1933(昭和8)年にオープンした「京都市京セラ美術館(京都市美術館)」。2020年春には創建当時のデザインを活かしながらも現代的な要素が加えられリニュアルオープンしました。明治以降の京都を中心に日本画、洋画、彫刻、工芸、書、版画など4,200点を超える作品を収蔵しています。作品展示やパフォーマンス、イベントなども行う美術館前の広場「京セラスクエア」や屋上テラス、カフェ、ショップなども併設。たっぷり美術鑑賞を楽しむも良し、カフェや屋上テラスでのんびり過ごすも良し、さまざまな楽しみ方が可能です。

【左京区】京都市美術館 別館

撮影:福永一夫

美術団体による展覧会を開催

1930(昭和5)年に京都市公会堂東館として建てられ、1960(昭和35)年からは京都会館別館となり、2000(平成12)年、建物の外観を保ちながら、内部を全面改修してオープンしたのが「京都市美術館別館」です。主に、美術団体による展覧会などを開催。そのため、さまざまなジャンルの作品を鑑賞することができます。本館である「京都市京セラ美術館」は歩いて2分ほどなので、両方に足を運んで、思う存分芸術の秋を堪能してみてはいかがでしょうか。

【左京区】野村美術館

1階展示室

席飾

立礼茶席

春と秋にはテーマに基づいた特別展を実施

南禅寺の北にある東山の別荘地の中に位置する「野村美術館」は、野村財閥を築き上げた野村徳七(のむらとくしち)、号 得庵(とくあん)のコレクションを展示しています。野村徳七は茶の湯と能に精通していたため、茶道具・能面・能装束を中心に、書・絵画・工芸など1,900点余りを収蔵。そのうち重要文化財7件、重要美術品9件が含まれています。春と秋にはテーマに基づいた特別展を実施。また、館内には抹茶と生菓子を堪能することができる立礼席が設けられています。

【上京区】北村美術館

春と秋には、昭和数寄屋の傑作「四君子苑」を一般公開

実業家で茶人の北村謹次郎(きたむらきんじろう)が、半世紀かけて集めた美術品を展示している「北村美術館」。こちらは、1977(昭和52)年にオープンしました。茶道具や書跡、絵画、陶磁器、金工、染織品など約1,000点を収蔵しています。その中には「佐竹本三十六歌仙断簡藤原仲文像(さたけぼんさんじゅうろっかせんだんかんふじわらなかふみぞう)」「牡丹唐草文高麗螺鈿経箱(ぼたんからくさこうらいでんきょうばこ)」などの重要文化財34点、重要美術品9点を収蔵。毎年春と秋には、昭和数寄屋の傑作といわれる茶苑「四君子苑(しくんしえん)」を一般公開しています。

【上京区】相国寺承天閣美術館

古刹・相国寺に佇む美術館

1392(明徳3)年、室町幕府三代将軍・足利義満によって創建された臨済宗相国寺派の大本山・相国寺(しょうこくじ)。1984(昭和59)年に創建600周年記念事業の一環として建てられたのが「相国寺承天閣美術館(しょうてんかくびじゅつかん)」です。同館では、相国寺・鹿苑寺金閣・慈照寺銀閣などに伝わる美術品の保存・展示を行っています。現在は、国宝5点、重要文化財145点を含む、中近世の墨蹟・絵画・茶道具を中心に、貴重な文化財を多数収蔵。古刹に佇む美術館で名品の数々に酔いしれましょう。

【上京区】天鵞絨美術館

ビロード専門美術館でオリジナルパフが作れる体験教室も

かつて天鵞絨(ビロード)屋が軒を連ねた京都・西陣。ビロードの専門美術館「天鵞絨美術館」は、西陣で唯一ビロードを専門とする織元「杣長(そまちょう)」が運営しています。受け継がれてきた技術で織られた輪奈天鵞絨(わなびーどろ)の標本帳のほか、パリコレクション出品作品、化粧品ブランドに採用されている各種パフ生地、天鵞絨版画の数々を展示。歴史的にも貴重な資料の数々を鑑賞できるほか、オリジナルパフが作れる体験教室も楽しめます。見学・体験はいずれも事前予約が必要です。

【北区】京都府立堂本印象美術館

展示のほか、堂本氏デザインの外観・内装にも注目

1966(昭和41)年、大正から昭和にかけて京都で活躍した日本画家・堂本印象(どうもといんしょう)によって設立された「京都府立堂本印象美術館」。同館には堂本のデビュー作から晩年の作品まで所蔵されており、そのほかにも、洋画・彫刻・陶芸・工芸品など約2,300点がコレクションされています。また、同館の外観・内装のデザインは、ヨーロッパの美術館を参考にした堂本氏によるもの。船をイメージしたというユニークな形、大胆なレリーフが印象的です。

【北区】古田織部美術館

武将茶人・古田織部の世界を体感

千利休が亡くなった後、天下一と称されたのが、武将茶人・古田織部(ふるたおりべ)です。「へうげもの*」として知られる織部の活躍を、後世に伝えるために、没後400年にあたる2014(平成26)年にオープンしたのが「古田織部美術館」です。彼にまつわる茶杓・書状・織部好みの茶道具といった品はもちろん、千利休や豊臣秀吉など織部周辺の人々ゆかりの品などを展示しています。独自の美を体現した古田織部の世界を、ぜひその目で体感してみてください。
*「ふざける」「おどける」という意味

【左京区】京都国立近代美術館

京都を中心にした作家の作品を多数収蔵

1963(昭和38)年、平安神宮と同じ岡崎公園内に東京・国立近代美術館の分館としてオープンした「京都国立近代美術館」。現在は独立して地元・京都を中心に関西の近現代の作家たちの絵画や陶芸、写真、版画など約13,000点を収蔵しています。特に、長谷川潔(はせがわきよし)の銅版画、河井寛次郎(かわいかんじろう)の陶芸作品が豊富です。美術館の設計は世界的に知られる建築家・槇文彦(まきふみひこ)氏。ガラス張りですっきりとした印象を与える、モダンな造りとなっています。

おわりに

京都の美術館では日本ならではの美術はもちろん、国内外の近現代で活躍するアーティストの作品も多数鑑賞することができます。そのため、美術作品が好きな方だけでなく、普段はあまり美術館に行かなかったり、絵画や陶芸などの作品に強い関心がなかったりする人でも、気軽に楽しめるスポットが多いことも魅力です。美術館は市内の至るところにありますので、観光名所巡りと合わせて立ち寄ってみてください。

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