旅好きが考える行程はひと味違う あの人の旅プラン

女優 羽野晶紀さん おいしいものがみんなを一つに!

手作りプラン掲載数No.1の「みんなの旅プラン」とのコラボ連載。
旅好きな著名人に、実際に使える旅の行程を教えてもらいます。
第5回に登場するのは、ご主人の和泉元彌さんやお子さんの狂言公演に同行し
日々、日本と海外の各地を周っていたという女優・羽野晶紀さん。
忙しい日々でなかなか観光目的の旅はできないそうですが
ご両親の金婚式のお祝いで訪れた北海道は、とても心に残っているといいます。

今回のプランナーは...

女優 羽野晶紀さん

  • 前編 「旅について語る」
  • 後編 「プランをつくる」
女優 羽野晶紀さん 初の3家族旅行楽しかった~♪
女優 羽野晶紀さんのご家族
女優 羽野晶紀さん
子どもたちが大興奮だったという、函館朝市のえきに市場でのイカ釣り体験。ここでとったイカは、その場でさばいてもらいみんなで食べたそうです

ご自身の舞台や、狂言師として活躍する夫の和泉元彌さんとお子さんのサポート、家事など日々お忙しく過ごされていると思います。旅に出られることはあるのでしょうか?

純粋な観光目的で出かける機会は少ないのですが、コロナ禍になる前までは狂言公演で家族と一緒に日本各地、海外公演にもよく同行していました。時間があれば観光ができることもありますし、なければ空港でお買い物だけして帰ってくるときもあります。

お忙しいスケジュールのなかでも、旅気分を味わうために何かしていることはありますか?

ご当地グルメは、なるべくおさえるようにしています(笑)。狂言公演の場合、団体行動になるので自分ひとりがどこかに行きたいというのはなかなか難しいんですね。でも地元の名産でおいしいものであれば、みんなの意見も一致し、行きやすいというメリットもあります。あとはホテル到着後の自由時間を利用して、料理を食べに行くなんてこともありましたね。

両親の金婚式のお祝いで2泊3日の北海道へ。親子3家族みんなが大満足できた思い出の旅

ではこれまでに行ったプライベートな旅行で、思い出に残っていることはありますか?

2016年に私の両親の金婚式祝いで、私たち家族、妹家族、両親の3家族が揃って北海道旅行に行ったことです。私と妹、その子どもたちが両親と一緒に旅行に行ったことは数回あったのですが、それぞれの配偶者まで来るというのは初めてのことだったんです。元彌さんも1日遅れでしたが、合流してくれました。北海道は両親からのリクエストで、食べたいものや行きたい場所も基本的には両親から希望を出してもらったのですが、子どもたちが楽しめる場所も合間に入れるようにしていました。大人の希望で札幌の「サッポロビール園」でビールとジンギスカンを味わって、函館では市場に行き、新鮮でおいしい海鮮を食べて。そして子どもたちも楽しめるように、妹が調べてくれた函館のラッキーピエロでハンバーガーも食べました。別行動はせずレンタカーを2台借りて、みんなで周ったのですが、全員が楽しめる旅になったと思います。

ご両親もさぞうれしかったでしょうね! その旅行のときに、特に印象に残っているのはどんなことでしょうか?

函館山ロープウェイです。日本三大夜景にもなっている名所だったので、暗くなってから行ったのですが、当日は霧がすごくて……残念ながら夜景を見ることはできなかったんです。でも山頂のテイクアウトコーナーに、夕張メロンを半分に切って、ソフトクリームをのせたものが売っていて、それがめちゃくちゃおいしくて! 残念な気持ちを一気に吹き飛ばすことができましたね。半分のサイズの夕張メロンを食べられるだけでもぜいたくなのに、上にのっているソフトクリームも濃厚で……! このときの北海道旅を思い出すと、真っ先にこのメロンが出てくるくらいです(笑)。

もうひとつ思い出深かったのが、そのあとに車で小樽の街を走っていたら、急に花火があがったことです。その日が偶然、花火大会だったようで、みんなで一緒に花火を見ることができました。両親のお祝いに花を添えることもできたような気がして、うれしかったです。このようにすごく楽しい旅だったので、今はコロナ禍で難しいですがまたみんなで思い出を作りに行きたいですね。

女優 羽野晶紀さんのご家族
宿泊したホテルで金婚式のお祝いのプレートを囲む羽野さんのご両親と、お子さん、甥っ子・姪っ子たち。家族勢ぞろいでかけがえのない時間を過ごしたそう
女優 羽野晶紀さん

コロナ禍でも仲間との交流を大切に。2時間歩きながら一緒に過ごした大阪ショートトリップ

コロナ禍でなかなか思うようにご家族みなさんと時間がもてないのが、もどかしいですよね。

家族のことだけでなく、さまざまなところでもどかしさを感じますね。私はコミュニケーションって、人間関係においてとても大切なことだと思っているんです。たとえば一緒にご飯を食べに行ったり、お酒を飲んだりすることで、ちょっと踏み込んで本音で話すことができる瞬間がありますよね。そうするとその人のことがもっとよく理解できるようになって、仕事でもお友たち付き合いでもうまくいくことがあると思っていて。そういう機会が持てなくなっていることが、さみしいなぁと思いますよね。なので感染対策はもちろんばっちりして工夫しながら、仕事仲間やお友だちとの時間もたまには取るようにしています。

女優 羽野晶紀さん

たとえばどんな工夫をされているんですか?

マスクはきっちりつけながら、テラス席のあるお店で一緒に時間を過ごしたり、外を歩きながらおしゃべりを楽しむ、なんてこともあります。実は先日『INTO THE WOODS』の公演で大阪に10日ほど滞在していたのですが、コロナ禍でどこにも行けないので、ホテルと劇場の往復だけになっていたんです。そこで休演日に共演者に声をかけ、外の空気を吸いながら大阪の街を2時間ほど歩くショートトリップをアテンドしました。私はもう13年ほど毎週金曜日に関テレの「よ~いドン!」という番組に出ているので、大阪は庭のような感じで。合間合間に私がおすすめする、おいしいものも挟みながら歩きました。共演者の方たちとも深い話ができて、お互いをよく知る良いきっかけになったと思います。コロナ禍でもこういう工夫次第でコミュニケーションをとれますし、すごく遠くまで行かなくても、幸せな旅を味わえるんだと気付けた体験でした。

撮影/十河英三郎 取材・文/上野郁美(エフェクト) ヘアメイク/長船恵子 スタイリスト/吉田真規子 衣装協力/REAL CUBE

Profile
女優 羽野晶紀さん
羽野晶紀Aki Hano

大学在学中に劇団☆新感線に入団。狂言師の和泉元彌氏と2002年結婚し、その後2児を授かる。しばらく家庭に入っていたが、2008年に復帰。現在は長女、長男ともに狂言師として活動している。バラエティや舞台、ドラマ、映画と幅広く活躍中。