浅田政志の宿旅

わざわざ泊まりに行きたい宿を訪ねる写真連載。第5回は、横浜で愛される美しいクラシックホテル。
写真家 浅田政志の宿旅
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Vol.5 「ホテルニューグランド」神奈川県横浜

自分の格をあげてくれる特別な場所
本館2階のロビー。
数十年前に客室で使われていたという椅子が並ぶ空間は、
自然と背筋がのびる場所。空気が違います。
面影はいまも変わらない
1992年に横浜市認定歴史的建造物に、2007年には
経済産業省により近代化産業遺産に認定された本館。
90年間変わらぬ姿で、横浜市民に愛されています。
昔日の足音に思いを馳せる大階段
本館の大階段を彩る装飾やタイルは開業当時のまま。かつて胸を踊らせて階段をのぼった人々の足音が聞こえるようです。
ワンデイトリップという贅沢
本館の客室は山下公園に面しているのに静か。
東京からわずか1時間ほどでこの異国情緒。自分を甘やかすのにぴったりな場所です。
ルームキーに歴史の重みあり
幾多の旅人の手を渡ってきたルームキーのキーホルダー。
あえてのシリンダーキーは「旅らしさを感じてもらうため」。
味わい深いキズからも、クラシックホテルの特別感が漂います。
時空を超えた旅へ
由緒ある建物やインテリアに囲まれると肩に力が入りがちですが、
クラシックホテルの本質はその居心地のよさにあります。
地域にも旅人にも長く愛されている秘密をご自身の目で確かめてください。

ホテルニューグランド

昭和2年(1927年)、関東大震災で被害を受けた、横浜の復興のシンボルとして市長や横浜の財閥・原家はじめとする政財界の後押しにより開業しました。世界のVIPが利用したことでも有名な日本を代表するクラシックホテルです。歴史的建造物の本館のほか、横浜を一望できるタワー館も人気。そして訪れたら楽しみたいのが食事です。「ドリア」や「ナポリタン」「プリン・ア・ラ・モード」など今や定番の洋食メニューはホテルニューグランドが発祥。その味は本館1Fのコーヒーハウス「ザ・カフェ」で食べることができます。

住所/神奈川県横浜市中区山下町10番地
電話/045-681-1841(代表)

浅田政志
Masashi Asada浅田政志
1979年三重県生まれ。2007年に写真家として独立。2008年、写真集『浅田家』(赤々舎刊)で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。著書に、『NEW LIFE』(赤々舎刊)、『家族新聞』(幻冬舎刊)、『家族写真は「」である』(亜紀書房)など。国内外で個展、グループ展を精力的に開催している。