まもなく、新緑芽吹く季節。「春の皿には苦みを盛れ」ということわざをご存知ですか? ここでいう苦味とは山菜のこと。春に山菜を食べるべき理由や、実は四季を通して楽しめる山菜のおすすめ料理と一緒に美味しいお店もご紹介。さわやかな苦味と野趣あふれる食感を楽しめるのは旬の時期だけ。ぜひ食べに出かけましょう。

そもそも山菜って……?

山菜とは、山や野に自生している植物のなかでも、食用になるものを指します。山中にあるため、収穫、および、毒性のあるものとの見極めが難しいこともあり、今では栽培されていたり、国外から輸入されているものも。そして、山菜の特長は苦味やエグミ。アク抜きなどの下ごしらえが必要ですが、ポリフェノールなどの栄養も豊富で、旬を感じられる貴重な食材として注目を集めています。
また、春の食材として想起されますが、春にとれるのは「ウド」「ウルイ」「タラの芽」などで、10月あたりまで収穫できる「ウワバミソウ」やヤマイモの肉芽「ムカゴ」など春以外の山菜もあり、一年を通して楽しめます。

苦味、食感…… 特長を楽しむ 山菜料理3選苦味、食感…… 特長を楽しむ 山菜料理3選

豊かな味わいと香りをサックリ食感とともに 天ぷら

サクッと噛んだ瞬間から口に広がるほろ苦い季節の味。注文した天ぷら盛りやコースの中に旬の山菜が含まれていると、なんだか嬉しく感じるという人は少なくないはず。また山菜が苦手でも、クセや苦味がやわらぐ天ぷらなら食べられるという人が多いのでは。山菜は油と相性が良く、なかでもフキノトウ、コゴミ、タラノメなどが人気です。揚げたてにパラリと塩をかけて、季節の味覚を楽しみましょう。
天ぷら

温かいダシとの相性抜群、際立つ独特の旨味 そば

あっさりといただける温かい山菜そば。湯気とともにダシと山の香りがふわりと鼻先をくすぐり、食欲をそそります。シャキシャキの山菜からあふれる旨味も魅力のひとつ。ワラビやゼンマイ、タケノコなどにキノコがプラスされているのが主流で、大根おろしやとろろがかかっていることも。その土地ならではの山菜が使われていることが多いので、旅先でご当地山菜そばを探してみては。
そば

自然の美味しさを上品にさっぱりと堪能 おひたし

シンプルな味付けだけに山菜本来の味が引き立つお浸しは、さっぱりといただける大人の料理。コゴミやウルイ、コシアブラなど比較的クセの少ない山菜が向いていると言われています。走り(出始めや初物)・旬・名残を大切にしている日本料理では、走りの山菜が使われているのが定番。また身近なところでは、定食屋さんで菜の花やミョウガのお浸しが副菜として登場すると、新しい季節の訪れを感じます。
おひたし

知ってそうで知らない山菜プチ辞典知ってそうで知らない山菜プチ辞典

  • 苦味・エグミにデトックス効果が!?
    「春の皿には苦みを盛れ」ということわざがありますが、ここでの苦味とは山菜を指します。冬眠から目覚めた動物が真っ先に口にするのがフキノトウなどの山菜。特有の苦味やエグ味が、冬の間に溜め込んだ脂肪や毒素の排出を促すといわれています。昔から正月の暴飲暴食に疲れた胃を休めるため、また無病息災を祈ってセリやナズナなどを使った七草がゆを食べますが、理に適っているのですね。
  • わらび餅にくず餅その原料は山菜!
    もっちり食感がたまらない和菓子「わらび餅」の原料が、山菜のワラビだということを実は知らない人が多いのでは。ワラビの根から取り出したデンプンを乾燥させたものが“ワラビ粉”です。またプルプルの「くず餅」の原料となる“クズ粉”も葛から作られたもの。食卓に上がる山菜としては馴染みが薄いですが、食材としてもツルの部分は美味。漢方薬「葛根湯」の原料としても有名です。
  • 山菜を食べてアンチエイジング
    山菜の栄養素で注目したいのが、苦味の原因ともなっているポリフェノール。アンチエイジングに欠かせない栄養素のひとつで、老化の原因となる活性酸素を取り除く抗酸化作用が期待できます。特に含有量が高いことで知られているのは、モロヘイヤ、セリ、紅ズイキ。ポリフェノールは水に溶けやすいため、アク抜きはできるだけ控えめにしたいところ。下処理の少ない天ぷらなら上手に摂取できます。

「旬のごちそう、山菜日和」
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