古くから、世界中で様々な調理法で根付き、美容や健康面からいま改めて注目されている「発酵」。発酵食文化はその土地の自然や文化から生まれているものなので、地域の新たな魅力発見の手掛かりになるんです。その地のよさを再認識できる、おいしい発酵食を食べに出かけましょう。

そもそも発酵って?
発酵とは、微生物の力によって食品が変化すること。実は、発酵の定義は曖昧で、人間にとって有効な微生物の働きがあれば「発酵」、害があれば「腐敗」に分類されるのだそう。世界と比べても発酵先進大国の日本。理由は湿度の高さも大きいですが、麹もその一つです。これを使って発酵食品をつくっているのは世界中で日本だけ。日本の発酵文化を古くから支えてきたのです。
「cafeterrace TAKACHIHOYA」の米麹で作った甘酒スムージー

発酵をつくり方別にチェック

  • 01.アジアで発展調味料

    まず一つ目は調味料。米や大豆などを発酵して溶かしたもので、醤油・味噌・酢は発酵を利用してつくられる三大発酵調味料です。味噌は田楽など日本料理に古くから使われ、全国には数千種類ものご当地味噌があるとされています。醤油も濃い口・薄口など5種類もバリエーションがあるんです。近年身近になったアジア料理を代表する調味料・魚醤や話題の発酵バターなどにも注目です。

    上:「マルク・シャガールゆふいん金鱗湖美術館」の発酵バターが使われたクロワッサン,左下:魚醤,右下:「旬彩ダイニング 葵匠」の生麩三色田楽
  • 02.世界中でそのルーツが知れる漬物

    日本には3,000種類以上あるとされる漬物。漬物とは、塩、乳酸菌、麹などの床に食材を入れて発酵させたものです。漬ける期間によって一夜漬け・即席漬け・当座漬け・保存漬けの4つに分類されます。漬ける期間が短いと素材の食感や味を活かし、塩分控えめな漬物になり、期間が長いと保存性が高まり、味の良い漬物になります。サンマを発酵させたなれ寿司や塩辛もこのカテゴリーです。

    上:「旬彩ダイニング 葵匠」の京漬物寿司の盛り合わせ,左下:「よね田」のおさしみ糀(海鮮甘塩糀),右下:「たらこ家 虎杖浜 本店」の虎杖浜たらこ
  • 03.日本はバリエーション豊かそのほか

    上記「調味料」、「漬物」に当てはまらないもので、納豆や鰹節に始まり、イカの塩辛にイカ墨を混ぜた富山の郷土料理「黒づくり」、サツマイモを発酵させでんぷん質だけを取り出してつくる長崎・対馬の保存食「せん団子」など日本はバリエーションが豊富です。江戸時代からある伝統的な和菓子「くず餅」も実は発酵もので、小麦粉のでんぷん質を発酵させてつくる、和菓子で唯一の発酵食品です。

    左上:黒づくり,左下:「TSUJIMURA & Cafe kiton」のくずもち+大和ほうじ茶付,右:豆腐よう

「発酵に、やみつき!」
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