浅田政志の宿旅

旅の目的は、あの宿に泊まること―。至高の宿泊体験を切り取る写真連載。第20回は、自然に囲まれたアトラクションとモータースポーツの聖地でのグランピング。想像以上に、手ぶらで、本格的です。
写真家 浅田政志の宿旅
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Vol.20「 ツインリンクもてぎ」栃木県茂木町

くればいいのに。
グランピングエリアを望む高台にある、1日1組限定の「グランピング・ワイド 森のテラス」は食事付き。夜は贅沢なBBQ、朝はホテルでモーニング。ホテルの大浴場も利用できます。あなたは来るだけでいいんです。
やることは「ぼーっと」
暖房器具や冷蔵庫もありますが、キャンプならではのわくわく感も満点。自然と一体化できる、静かな時間が流れています。ここですべきは「ぼーっ」と。初心者でも簡単にできます。
森を歩く、薪をくべる、思索の時間
「グランピング・ワイド 森のテラス」にはプライベートビーチならぬ、プライベート“森”があります。専用の焚き火スペースもあり、初心者でもスタッフが手伝ってくれるので安心。時折、タヌキや野うさぎなど野生動物も姿を見せるそう。
“人生は一方通行”――アガサ・クリスティー
広大な園内を巡るためには、車がぴったり。グランピングエリアには雰囲気を壊さないように、かわいい標識があります。
ONE WAY=一方通行。ミステリーの女王の名言が浮かびますが、ここでは決して事件は起きません。どうぞリラックスを。
プー「ただいま滑空中のため 電話に出ることができません」
「メガジップライン つばさ」は全長約561m、中継地点があり、2回に分けて滑ります。
中継地点からはレーシングコースが望め、ここでしか見られない景色が広がっています。
ちなみにジップラインに携帯電話は持ち込めません。
“フィニ――――ッシュ!!!”
レーシングカートでは、ヘルメット、グローブをつけて本格的なレース体験を。
普通免許があれば最高時速40kmのカートから挑戦できます。
最終コースで振られるチェッカーフラッグがかっこいい!
名車だけ
車やバイクにまつわる博物館「ホンダコレクションホール」も見もの。
1964年F1世界選手権で初の国産マシンとしてデビューを飾ったホンダRA271はじめ、
名車がところ狭しと並んでいます。
速さをとるか乗り心地をとるか
コレクションホールに併設された「ピット工房」では自らサスペンションやタイヤを選んで電動カートを組み立て、
試運転で速さや乗り心地の違いを確かめられます。指導してくれるスタッフの萩原さんは柔和な微笑みで、かなりの車マニア。
ここには至るところにプロが潜んでいます。

ツインリンクもてぎ

東京ドーム約137個分の敷地にグランピング施設や遊園地、サーキット場があり、一日ではとても遊びきれません。満喫したいなら宿泊を。グランピング、ログキャビン、ホテルなどスタイルに合わせて選べます。敷地内のアスレチックやアトラクションはほとんどが自社開発。ミッションをクリアするような仕掛けがあって、何度通っても楽しめます。

住所 / 栃木県芳賀郡茂木町桧山120-1
電話 / 0285-64-0001(予約番号は0285-64-0489、受付は10:00~16:00)
料金 / グランピングサイト(素泊り、大人2名と小学生2名の計4名まで)20,400円~、グランピング・ワイド 森のテラス(1泊2食付き、大人2名と小学生2名の計4名まで)75,380円~ ※6名宿泊可能のグランピングワイド、ホテルなどもあり
URL / https://www.twinring.jp/f-glamping/

浅田政志
Masashi Asada浅田政志
1979年三重県生まれ。2007年に写真家として独立。2008年、写真集『浅田家』(赤々舎刊)で第34回木村伊兵衛写真賞を受賞。2020年、『浅田家!』として映画化された。著書に『NEW LIFE』(赤々舎刊)、『家族新聞』(幻冬舎刊)、『家族写真は「」である』(亜紀書房)など。最新作は『浅田撮影局 まんねん』(青幻舎)。また、国内外で個展やグループ展を精力的に開催している。
http://www.asadamasashi.com/