テーマのあるスイーツ旅

山口市は2009年から毎年12月になると
「12月、山口市はクリスマス市になる。」を合言葉に、
市内で様々なイベントを開催している

スイーツで華やぎながら……今こそ日本のクリスマスを知る旅へ

クリスマスに向けて街中がキラキラと輝き始める季節がやってきました。国内旅の注目が高まる今こそ、日本のクリスマスをひもとく旅に出かけませんか? 今回はゆかりのある地と、そこで注目のお店をご紹介します。この時期しか食べられないクリスマススイーツを堪能する旅に出かけましょう。
文/松尾好江(ランズ)

スイーツで華やぎながら……今こそ日本のクリスマスを知る旅へ
東京都中央区銀座
資生堂パーラー銀座本店ショップ
2019年11月1日にリニューアルオープンした、資生堂パーラー 銀座本店。1階ショップでは、定番の洋菓子やケーキ等を販売
資生堂パーラー銀座本店ショップ
50個相当のいちごを使った贅沢なケーキ「ココット ドゥ ノエル オ フレーズ」(11,880円、クールバック付)
資生堂パーラー銀座本店ショップ
ドイツの風習で、プレゼントを持ってきてくれるとされている金色の巻き髪をした天使「クリストキント」をイメージしたツリーのパッケージ。3種のクランチチョコレートが詰められた「クリスマススイーツ」(1,598円)

Spot01 資生堂パーラー銀座本店ショップ

クリスマス飾り発祥の地で
限定クリスマスケーキを

日本のクリスマス飾りをスタートさせたのは、老舗スーパーの明治屋。創業者・磯野計(はかる)氏のイギリス留学経験を基に横浜店で実施していたクリスマス飾りを、明治33(1900)年、銀座に進出した際に展開したところ評判に。その後、周りの店もならってクリスマス飾りを始めたことから、銀座の冬の風物詩となりました。
そんな銀座で、明治35(1902)年、資生堂パーラーは日本で初めてソーダ水やアイスクリームを製造・販売する「ソーダファウンテン」を薬局の一隅に設け、のちに飲食業をスタートさせました。今年も、いちごを贅沢に使った「ココット ドゥ ノエル オ フレーズ」や12月1日から発売開始のシュトーレンなどのクリスマスケーキが、銀座本店ショップ限定で予約を受け付けています(限定数に達し次第終了)。

資生堂パーラー 銀座本店ショップ 住所/東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル1階
営業時間/11:00~21:00
休/年末年始
アクセス/電車:メトロ銀座線銀座駅から徒歩約7分、JR山手線新橋駅から徒歩約5分
電話/03-3572-2147

資生堂パーラー銀座本店ショップ
大正11(1922)年、銀座の明治屋で行われた
クリスマス飾りの様子
山口県山口市
焼き菓子やをぜ 後河原店
「山口サビエル記念聖堂」は火災により焼失してしまったが、平成10(1998)年に再建された

Spot02 焼き菓子やをぜ 後河原店

クリスマス発祥の地でいただく
ヨーロッパ伝統のクリスマス菓子

天文21(1552)年12月9日に、キリスト教の布教活動のために山口に訪れていたフランシスコ・サビエルが、山口で降誕祭を開催し、クリスマスを祝ったことから日本のクリスマス発祥の地とされる山口市。
そんな山口市内を流れる一の坂川の近くに、古い町家を改装した地元の人気店「焼き菓子やをぜ」が佇んでいます。焼き菓子は、市内にある「瑠璃光寺店」の工房ですべて手作りされたもの。季節のフルーツを使ったタルトやパウンドケーキなどを販売し、12月からは、イギリス生まれの「ミンスミートフルーツケーキ」(356円)や、ベルギー発のビスケット「スペキュロス」(216円)などクリスマスに欠かせない焼き菓子が並びます。

焼き菓子やをぜ 後河原店
ドライフルーツやナッツなどを砂糖やスパイスと一緒にラム酒やブランデーに漬け込んだ「ミンスミート」を使った「ミンスミートフルーツケーキ」

焼き菓子やをぜ 後河原店 住所/山口県山口市後河原188
営業時間/11:00~18:30
休/月~火曜日、木~日曜日
アクセス/電車:JR山口線上山口駅から徒歩約16分
車:中国自動車道山口ICから約15分
電話/083-941-6424

焼き菓子やをぜ 瑠璃光寺店 住所/山口県山口市天花2-4-22
営業時間/金・土曜日 11:00~18:00、日曜日 11:00~17:30
休/月~木曜日
アクセス/電車:JR山口線上山口駅から徒歩約23分
車:中国自動車道山口ICから約15分
電話/083-902-2140

焼き菓子やをぜ 後河原店
シナモンやナツメグなどのスパイスとバターをたっぷり使ったビスケット「スペキュロス」
焼き菓子やをぜ 後河原店
古い町家を改装した後河原店は落ち着いた雰囲気
京都府宇治市
たま木亭
広々とした店内には、良質な素材で作られた多くの焼きたてパンが並ぶ
たま木亭
黒糖の生地に丹波産の黒豆をたっぷり練りこんだ「黒豆のシュトーレン」
たま木亭
2種類のシュトーレンを食べ比べるのもおすすめ

Spot03 たま木亭

キリスト教徒と南蛮文化発信の地で
行列必至なベーカリーの
シュトーレンを味わう

織田信長と会見し、京都での布教を許可されたルイス・フロイスらは、天正4(1576)年に「南蛮寺」と呼ばれる3階建ての礼拝堂を建設。南蛮寺は京都の名所として評判となるとともに、キリスト教と南蛮文化発信の中心 地となりました。
ドイツでは、クリスマスまでカウントダウンしながら薄くスライスしたパン菓子「シュトーレン」を食べる風習があります。ドライフルーツやナッツを生地に練り込み、表面に砂糖をまぶしたものが一般的な形です。京都で行列になることで有名なパン店「たま木亭」は丸い形のシュトーレンを販売しています。「黒豆のシュトーレン」(1,728円)と甘酸っぱく煮たフルーツとクルミの「カソナッドのシュトーレン」(1,728円)の2種類、どちらも味わってみて。

住所/京都府宇治市五ヶ庄平野57-14
営業時間/7:00~18:45
休/月~水曜日
アクセス/電車:JR奈良線黄檗駅から徒歩約5分
車:京滋バイパス宇治東ICから約5分
電話/0774-38-1801

南蛮寺の礎石
同志社大学今出川キャンパスの図書館入口付近には、豊臣秀吉の禁教令で破壊された「南蛮寺の礎石」が残っている
写真提供:同志社大学
大阪府
森森舎
織田信長が攻めた石山本願寺の跡地に建てられた大阪城で行われる「大阪城イルミナージュ2020」。大阪の歴史探訪がテーマ

Spot04 森森舎

モミの木のクリスマスマフィンで
“戦場のメリークリスマス”をしのぶ

永禄9(1566)年~永禄11(1568)年の間に、武将・松永久秀と三好三人衆、久秀と織田信長が大阪で「クリスマス休戦」をしたという逸話が残っています。一説では、久秀、三好三人衆、信長のどの軍にもキリスト教信者がいたからと伝えられているのです。
そんな大阪に陶芸教室を併設した話題のカフェ「森森舎(しんしんしゃ)」があります。食材はオーガニックにこだわり、毎年12月には「クリスマスツリーのマフィン」(850円)を販売しています。有機栽培のさつまいもと抹茶で作ったクリームを細かく絞り、モミの木を再現。見た目もかわいい和のクリスマススイーツです。

住所/大阪府大阪市住吉区万代東1-3-14
営業時間/11:00~18:00(LO17:30)
休/木・日曜日
アクセス/電車:阪堺電気軌道上町線姫松駅から徒歩約5分
車:阪神高速1号環状線夕陽丘ICから約15分
電話/06-6696-6313

森森舎
お店で使われる器や小物は全て手作り。豆腐を使ったチーズケーキやショコラケーキなども提供している
森森舎
有機栽培されたカボチャを使ったクッキーで作った星がアクセント
森森舎
フードメニューには、クリスマスツリーをイメージしたナン(350円)も