この秋ひらく 河口湖でアートな旅路

スカート19,000円(マノン|エムケースクエア 06-6534-1177)、バッグ33,000円(ダイアナ|ダイアナ 銀座本店 03-3573-4005)、イヤリング1,700円(ゴールディ|ゴールディ 0120-390-705)、ニット、靴(共にスタイリスト私物)

※表示価格はすべて、税抜表示となります。

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ワンピース19,000円(スメラルダ|スメラルダ)、バッグ35,000円(ダイアナ|ダイアナ 銀座本店 03-3573-4005)、イヤリング1,900円(ゴールディ|ゴールディ 0120-390-705)、靴(スタイリスト私物)

※表示価格はすべて、税抜表示となります。

軽やかな声でころころと笑いながら、顔をほころばせる。その瞬間、場の空気が和らぎ、一緒にいる人々を幸せな気分にしてしまうのは、小説家やエッセイストとしての顔を持つ、女優の松井玲奈さん。旅先では友だちを楽しい気分にもしてくれる、気配り上手で頼りになる松井さんの旅スタイルを参考にしたら旅がよりステキなものになりそうです。写真/齋藤 弦(ACUSYU) スタイリング/佐藤英恵(DRAGON FRUIT) ヘアメイク/白石久美子 文/小竹亜紀


Special Interview Rena Matsui

すてきな宿を調べたり、おいしいお店をピックアップしたり。旅のリサーチはエキスパートのような松井玲奈さん。頼りになって気遣い上手な松井さんとの旅は楽しそう! そう思えるエンターテイナーな旅人です。

河口湖の湖畔を巡ってみていかがでしたか?

河口湖ははじめて来ました。富士山もこれまでは高速のパーキングエリアから望むものという印象でしたが、今回巡ったほとんどの場所から富士山が見られるんですよね? 今日は曇りでしたが、富士山を近くで見られるなんて羨ましい。印象的だったのは、北口本宮冨士大社。大きな杉の木が何本も連なって、インパクトがとにかくすごかったです。鳥居から本殿までの参道にある灯籠が苔むしてるのも素晴らしかったです。苔好きなこともあって、灯篭に見入っちゃいました(笑)。参道を歩きながらいい空気を吸って、灯篭から時間の流れを感じるというのがすごく素敵な体験でした。あとは、「HanaCafe Kikyou」でいただいた「桔梗信玄ソフト+」。きなこと粉と黒蜜がかかった和テイストなソフトクリームで、信玄餅ののったアイスクリームなんて、すごいインパクトですよね。きなこと黒蜜が大好きなので、コーンのなかにたまった黒蜜の部分がたまらなくおいしかったです。



調

かき氷やアイスクリームがお好きだとか。旅先でも氷菓に目がいきますか?

いきますね。サービスエリアにご当地のアイスクリームがありますよね。そういうのは面白いなと思うし、旅の前には旅先においしいかき氷屋さんがあるか調べます。旅先では食べることをセーブしません。我慢するなんてもったいないと思ってしまうんです。2年前に友達と新幹線で、青森と函館へ旅をした時も、新鮮な海鮮とおいしいお野菜を限界まで食べて食べて(笑)。帰りはちょっと贅沢してGran Classを利用したんです。リッチな気分に浸りながら帰ったのですが、車内で出たお弁当ももちろん完食。「おいしい!」ことをとことん楽しみました。

旅の準備を欠かさないタイプなんですね。

一人で旅をする時は、ざっくりの予定でもどうにかなると思うけど、友達と行くときは楽しんでもらいたいし、一緒に楽しみたいという気持ちがあるので、本当にこれで大丈夫かな? と確認して念入りに計画を立てます。友達からの希望を聞いて、ホテルをピックアップしたり、おいしいものをたくさんリストアップしたりして「どれがいい?」と委ねる。不安症なんですよね。旅先で何も分からないとなるのが、怖いのかな。あとは確実にミッションをクリアしたいというのもあります(笑)。せっかく時間とお金をかけて旅に来たのだから、無駄にはしたくないんです。

頼りになる姉御肌ですね!

全然ですよ! しっかりしていないし、末っ子のせいか、昔はわがまま娘だったんです(笑)。子どもの頃は、年1~2回旅行に連れて行ってもらっていたのですが、温泉好きな母のおかげで下呂温泉など、いろんなところに行った記憶があります。当時の旅の思い出と言えば、三重のホテルで年越しをして、ホテルの大きな展望室から日の出を見たり、夜行バスに乗ってディズニーランドに連れて行ってもらったり。でもその頃の私と言えば車に乗ったらすぐ寝たり、「まだ着かないのか」「温泉は嫌だ」とか言い出したりするような子どもでした(笑)。

旅は身近なものだったのですね。大人になった今では、どんな時に旅をしたくなりますか?

一番多いのは気持ちをリセットしたいときでしょうか。何か作品が終わったときのご褒美だったり、新しい刺激が欲しかったりするときに、旅をしたいという気持ちになります。そういう時は、一人で台湾に行きます。今まで2、3回は一人旅をしたかな。台湾に「淡水」という港町があるのですが、そこから見える夕日が大好きなんです。一人でぼーっとしながら夕日が沈むのを眺めているだけで、すごくリフレッシュできます。それ以外の時間は、かき氷をひたすら求めていました(笑)。

台湾はかき氷天国ですよね(笑)。その時の手配はご自身で?

はい。工程もしっかり決めて旅をするタイプです。1日毎にエリアを決めて、行きたいところをリストアップしました。歩いて街並みを楽しみたいと思ったので、移動は徒歩が基本。歩くと街並みからその土地の空気を感じられたり、思いがけないお店に出合ったり。そういうのがすごく楽しいんです。


リサーチはどのようにされるのでしょうか?

ガイドブックとインターネットで調べます。実際に旅をしてきた方のブログや、Instagramを見て、気を付ける点を学んだり、日本語メニューがないお店の翻訳をチェックしたり。収集した情報は旅先でいつでも分かるようにしています。たとえばメニューなら縮小して持ち歩く、みたいな感じです。

準備万端なので旅先で困ったことがなさそうです。

確かに旅先ではそんなに失敗しない方かもしれないですね。いま思いつく旅での失敗は、初めて台湾に一人で行った時に、電車の乗り換えを間違えてしまったことかな。翻訳アプリを使って駅員さんに聞いて、かなり夜遅くに目的地の九份に着いたので怖いと思った記憶があります。でも旅はGoogle マップと翻訳アプリがあれば、どこにでも行けるとも思っているんです。日本を旅するときもGoogle マップに行きたいところの印を付けておきます。宿泊先をマークすれば、行きたい場所との距離や位置関係が一目で分かるので便利ですよね。

こんな時代だからこそ感じる旅の良さは?

やっぱりリフレッシュのひとつだったんだなと思いますし、その場に行くだけで、いろんな刺激を受けられるものだなと改めて感じました。だから1~2年に1回ぐらいは旅をしたいなと思いますね。この2年ぐらいは旅に行けていないのですが、その代わり、Google Earthで世界の街並みを見て旅気分を味わっています。あとは、YouTubeでいろんな方の旅のVlogや街並みを映した映像をチェックしたり。それを見ながら、いつかここに行ってみたい、と考えたりするのも楽しいですね。

今行きたい場所はありますか?

鹿児島と香川に行ってみたいです! 鹿児島は東京から距離があるので、新幹線に乗って行くのはすごく楽しいだろうな。初めて乗った電車は車体をくまなくチェックするんです。鉄道好きなもので(笑)。シート一つとってもデザインが違うので、仕様の違いを見たりするのが好きなんです。あとは、香川でおいしいうどんをお腹いっぱい食べたいです。かき氷を食べ歩きするときは特徴の違いを比較して楽しんでいますが、うどんでもしてみたいな。海外ならイギリスに行きたいです。留学している友達に会いたいのと、ハリーポッター・スタジオにどうしても行きたい。いつか叶えられたらと思っています。

わたしの旅アイテム

荷物から、その人となりが意外に見えるもの。
松井さん、旅に欠かせないグッズを教えてください。

わたしの旅アイテム

「荷物がたくさん入るリュック。がんばれば2泊3日までこのリュックで行けますね。パソコンも入るし、ポケットがたくさんあって使いやすいんです。あとはマイボトル。持ち手があるので、手に持ちやすいのも気に入っています」

松井玲奈
松井玲奈
Profile
1991年7月27日生まれ。愛知県出身。2015年より女優としての活動を本格化。ドラマや映画、舞台で活躍する一方、2019年に短編集『カモフラージュ』(集英社)を上梓して話題を集め、現在も「小説すばる」(集英社)で小説、「anan」(マガジンハウス)でエッセイを連載している。MCを務める「Doki Doki ! NHKワールド JAPAN」(NHK総合ほか)、NHK朝の連続テレビ小説「エール」、主演ドラマ「30禁」(FOD)が放送・配信中。