テーマのある旅

オホーツク海の上を歩ける、知床の流氷アクティビティ

”冬はつとめて”を体感しよう いまだけの朝旅へ

”冬はつとめて”を体感しよう いまだけの朝旅へ
「冬は早朝がよい」と『枕草子』に著した清少納言。現代でも「朝活」や人気店での朝食がブームになっていますが、旅先でも早朝だからこそ体験できることがあるんです。この時期の、朝だからこその感動を体験しに出かけましょう。
文/宮 和正、佐藤千鶴子(LoLoCreation)

北海道斜里町

知床発祥のアクティビティで大自然を体感する
早朝はゆっくりと動く流氷を肌で感じられる絶好のタイミング

流氷ウォーク

1月下旬から3月上旬にかけて流氷を見ることができるオホーツク海。流氷が着岸する知床・斜里町は、この時期たくさんの観光客が訪れます。注目のアクティビティのひとつが、知床発祥の「流氷ウォーク」。専用のドライスーツに身を包み、流氷の上を歩いたり、寝転んだり、海に入って流氷とともにぷかぷか浮いたりと様々なことができます。ガイドツアー会社「シンラ」では、6:30からツアーを開催。日が昇るにつれ辺りが徐々に明るくなり、目の前に広がる流氷の海原に朝日がキラキラと反射する様子は絶景です。
青空、海の青、そして流氷の青を総称して“オホーツクブルー”といい、空気が澄み切った朝の時間帯がよりきれいに見えるのだとか。また、日差しが海の中まで届くので海面近くまで上がってくることもあるという氷の妖精・クリオネを発見しやすいそう。大自然が生み出したオホーツクブルーを楽しみましょう。

シンラ
住所/北海道斜里郡斜里町ウトロ西187-8
営業時間/9:00~19:00
料金/6,000円
アクセス/車:女満別空港から約1時間30分
電話/0152-22-5522

普段は触れられない流氷を手に取ることもできる
普段は触れられない流氷を手に取ることもできる
高い保温性と浮力を兼ね備えたブーツ一体型のスーツで、水の中でも冷たくない
高い保温性と浮力を兼ね備えたブーツ一体型のスーツで、水の中でも冷たくない
鮮やかな朝焼けと興福寺のシルエットが織りなす景色
鮮やかな朝焼けと興福寺のシルエットが織りなす景色

奈良県奈良市

万葉集が生まれた古都の特別拝観で心を整える 新薬師寺・興福寺

早朝特別拝観では、国宝館に展示されている奈良時代に作られた国宝「阿修羅像」も拝観できる(興福寺)
早朝特別拝観では、国宝館に展示されている奈良時代に作られた
国宝「阿修羅像」も拝観できる(興福寺)
本堂内の円壇中央に木彫りの大きな薬師如来坐像がおられ、薬師如来を守るために12人の武将が円陣を組んでおられます(新薬師寺)
本堂内の円壇中央に木彫りの大きな薬師如来坐像がおられ、
薬師如来を守るために12人の武将が円陣を組んでおられます
(新薬師寺)
薬師如来を守る12の武将の一人「伐折羅(バザラ)大将」(新薬師寺)
薬師如来を守る12の武将の一人
「伐折羅(バザラ)大将」(新薬師寺)

新元号・令和のもととなった日本最古の歌集『万葉集』が生まれた奈良。1300年以上の歴史を持つ古都には1,400を超える寺があり、特別拝観・体験ができる寺も数多くあります。
新薬師寺では7:30から、興福寺では8:20から開催される早朝特別拝観では、冬の冴えた空気の中で国宝の数々と向き合えます。
光明皇后が創建した新薬師寺では、本堂の薬師如来坐像や十二神将立像、通常は非公開の香薬師堂内陣の参拝に加え、安産・健康にご利益があるといわれる「おたま地蔵様」の拝観もできます。
藤原氏ゆかりの寺・興福寺では、国宝館の阿修羅像をはじめとする国宝・重要文化財の特別拝観と、2018年に落慶したばかりの中金堂を特別拝観するふたつのプランを実施。どちらも僧侶が案内してくれるので、ここでしか聞けない話がたくさんあること間違いなしです。

奈良時代・創建当初の貴重な建造物の本堂(新薬師寺)
奈良時代・創建当初の貴重な建造物の本堂(新薬師寺)

新薬師寺
住所/奈良県奈良市高畑町1352
参拝時間/9:00~17:00
拝観料/600円
アクセス/電車:JR大和路線奈良駅から市内循環バス 破石町から徒歩で約15分
車:京奈和自動車道木津ICから約20分
電話/0742-22-3736

●早朝特別拝観
日程/1月25日、1月26日、2月9日
参加費/1,500円

興福寺
住所/奈良県奈良市登大路町48
参拝時間/9:00~17:00(入館は~16:45)
拝観料/国宝館 700円
中金堂 500円
国宝館・東金堂共通券 900円
アクセス/電車:近鉄奈良線近鉄奈良駅から徒歩で約10分
車:京奈和自動車道木津ICから約20分
電話/0742-22-7755

●早朝特別拝観
日程/国宝館:1月25日、2月2日、2月23日、3月21日、3月28日、中金堂:1月26日、2月9日、2月29日、3月22日、3月29日
参加費/国宝館:2,000円、中金堂:1,800円

新薬師寺・興福寺の早朝特別拝観について
奈良県ビジターズビューロー
電話/0742-81-8680(平日のみ、9:00~17:00)

朝霧に包まれた幻想的な風景から「天空の城」として一躍有名になった郡上八幡城
朝霧に包まれた幻想的な風景から「天空の城」として一躍有名になった郡上八幡城

朝霧で”天空の城”の絶景を見る

岐阜県郡上市

国の伝統的建造物保存地区の選定を受けているエリアが多く、昔ながらの町家が軒を連ねる風情ある街並みが残る城下町
国の伝統的建造物保存地区の選定を受けているエリアが多く、
昔ながらの町家が軒を連ねる風情ある街並みが残る城下町

郡上八幡城

“天空の城”と称され、司馬遼太郎氏が名著『街道をゆく』の中でも感動を記した郡上八幡城。1871年の廃藩置県で廃城となり、翌年に石垣を残して取り壊されていました。現在の城は1933年に当時の大垣城を参考に再建されたもの。そんな奥美濃の山城は、早朝、朝霧の中に姿を見せる、そのわずかな時間が最も幻想的と言われています。朝霧の発生しやすい条件は、10月下旬~1月中旬の6:30頃。朝霧とは、雨上がりの翌朝など、空気中の湿度が高く、朝が冷え込む時に多く見られる現象です。撮影は明るくなる7:30~8:00頃がおすすめ。ビューポイントは国道256号線の堀越峠頂上付近ですが、頂上付近は山道で狭いため、下記注意事項を守り、鑑賞しましょう。残念ながら朝霧に出合えなくても、早朝の冴えた空気の中で見る郡上八幡城は、感動すること間違い無し。注意事項:道路上での駐停車は禁止。撮影の際は、車の通行の邪魔になる場所での撮影および三脚を立てての撮影は禁止。駐車スペースが満車の場合でも、路上駐車や迷惑となる停め方は禁止。

郡上八幡城
住所/岐阜県郡上市八幡町柳町一の平659
アクセス/電車:長良川鉄道郡上八幡駅から車で約10分
車:東海北陸自動車道郡上八幡ICから約10分
電話/0575-67-0002(郡上八幡観光協会)

城の石垣は野面積(のづらづみ)という古い積み方
城の石垣は野面積(のづらづみ)という古い積み方
雪化粧の郡上八幡城。朝晩の冷え込みが激しいほど霧は発生しやすくなるそう
雪化粧の郡上八幡城。朝晩の冷え込みが激しいほど霧は発生しやすくなるそう
8:00から露店が開き始める輪島の朝市。品数が豊富なのは10:00頃まで
8:00から露店が開き始める輪島の朝市。
品数が豊富なのは10:00頃まで

地元の人と触れ合う

高級魚・のどぐろも、お店の人と<br>話していると安くなるかも?
高級魚・のどぐろも、お店の人と
話していると安くなるかも?

石川県輪島

輪島朝市

日本三大朝市のひとつ、輪島朝市は、平安時代から市が開かれていたという長い歴史があります。最近ではNHK連続テレビ小説『まれ』の舞台にもなりました。近くには輪島漁港があり、1月はズワイガニ(加能ガニ)やマダラ、水ダコなどが水揚げされ、朝市に並びます。「朝市通り」と呼ばれる約360mの道沿いに約200もの店が並び、売る人、買う人、食べる人、果てはひやかす人までもがひしめき合い、連日大賑わい。新鮮な魚介類や地元野菜はもちろん、海鮮丼や能登丼などがいただけるお店も。また、「いしるせんべい」や、もち米にくちなしをまぶして蒸した名物「えがらまんじゅう」を食べ歩きするのも楽しいものです。1年を通して水揚げされる高級魚「のどぐろ」を、自分で目利きして購入してみるのも朝市ならでは。また、昔懐かしい工芸品や民芸品といった能登地方の名物も揃います。

新鮮な魚介類が並ぶ露店では、売り子さんとの会話も楽しみのひとつ
新鮮な魚介類が並ぶ露店では、
売り子さんとの会話も楽しみのひとつ
朝市通りの「つかもと」では、蒸したてのえがらまんじゅうが食べられる
朝市通りの「つかもと」では、
蒸したてのえがらまんじゅうが食べられる
ふぐの水揚げ港日本一の輪島漁港
ふぐの水揚げ港日本一の輪島漁港

輪島朝市(輪島朝市組合)
住所/石川県輪島市河井町1-115
営業時間/8:00~12:00
休み/1月1日~3日、8日(第2水曜日)、22日(第4水曜日)
※2月・3月は第2、第4水曜日休業
アクセス/電車:のと鉄道七尾線穴水駅から車で約30分
車:のと里山空港から車で約30分
のと鉄道七尾線穴水駅からバスで約1時間
電話/0768-22-7653(輪島朝市共同組合)