月刊旅色

青森県下北半島の西岸、平舘海峡に面した約2kmの海岸沿いには不思議な形の断崖と巨岩が連なります。約2000万年前の大規模な海底火山活動により堆積した火山灰で形成された、緑色凝灰岩を主とする岩石。もろく崩れやすい緑色凝灰岩が長い年月をかけて浸食されて、このような景色になったとか。地元の人々はそこに極楽浄土のイメージを重ねて仏ヶ浦と呼び、岩や景色には「如来の首」「五百羅漢」「一つ仏」「蓮華岩」「地蔵堂」「極楽浜」といった名前が付けられています。また、「地蔵堂」のほか数か所に石の地蔵が祀られる信仰の場所でもあります。観光船に乗り、海からその景観を眺めるのがおすすめです。夏の夜は期間限定でライトアップされ、より幻想的な極楽浄土の風景を見ることができます。

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約2000年かけて形作られた海岸沿いに連なる穏やかな極楽浄土の風景 下北半島・仏ヶ浦の奇岩[佐井村・青森県]

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