日本の駅弁がパリのリヨン駅で販売される、そんなニュースが飛び込んできたのは昨年のこと。そして待ちに待った2016年3月1日、リヨン駅に日本レストランエンタプライズ(NRE)の駅弁売店がオープンし、5月末までの3か月間、パリっ子たちに駅弁の魅力をアピールした。結果は大成功! 行列のできる時間帯もあるほど、連日賑わって完売続き。駅弁が世界に通用することが証明された。
 3か月間で販売されたのは、「すき焼き弁当(BENTO SUKIYAKI)」「幕の内折詰弁当」「日本のおもてなし弁当」「助六寿司」「おにぎり弁当」、そして「パリ・リヨン弁当」の合計6種類。そのなかから代表的な「パリ・リヨン弁当」をご紹介しよう。
 掛け紙は青海波や梅などの日本的な図柄にリヨン駅、エッフェル塔などをイラストで描いた和仏折衷。4分割した容器には、国産米を炊いたご飯のほか、牛肉煮、白滝煮、ナス揚げ煮、卵焼き、かまぼこ、ワカメとタコの酢の物、豆腐田楽、山菜漬けといった多彩なおかずを詰め合わせている。どれも手が込んだ料理で、和食のよさを十分に感じることができる。さらにカステラ、抹茶カステラまで入っており、前菜からデザートまでたっぷり楽しめる内容なのでフランス人も満足したことだろう。主菜の牛肉はご当地食材のシャロレー牛を使用、すき焼き風に仕上げている。和牛にも負けないやわらかくとろりとした肉質だ。
 残念ながら現在は販売していない。再販を願っています。