神々の国・出雲でつながる、おいしいビールの縁

みなさん、こんにちは! 12月も半分が過ぎ、2022年も残すところあとわずかとなりましたね。新しい年を迎える準備はできましたか? 私は2023年も素敵な旅との出会いがたくさんあるよう願いを込めて、神々の国・出雲を訪れてきました。神聖な力をたっぷりと吸収して、今年の旅の締めくくりです。
目次
出雲名物で腹ごしらえ
出雲に到着したらまず、国づくりの神である大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)にご挨拶をしなくては。ということで、神無月になると八百万津の神々が集まる最強パワースポット、国宝・出雲大社へ。
「今回の旅も素敵な出会いがたくさんありますように」
縁結びで有名な神社なので、“旅の縁”をお祈りして出雲旅スタートです。出雲大社の目の前には神門通りが伸びていて、お土産や出雲グルメを楽しむことができます。出雲に来たら最初に食べたかったのが……出雲そば!

出雲大社を出てすぐ左手にある「砂屋」で日本三大そばのひとつを堪能します。そば文化が出雲に伝わったのは江戸時代まで遡り、3段の漆塗りの丸い器にそばを盛る、割子そばが定番です。当時の趣味人たちがそばを外で食べるために弁当箱として使っていたことが割子そばの由来なんだそう。砂屋は出雲大社唯一の十割そば専門店で、つなぎを使わずそば粉100%で作られています。

彩り三色割子/1,240円
左から海老揚玉、梅おろし、とろろのトッピングがついた「彩り三色割子」を注文しました。色とりどりで見た目にも楽しいですね~。どれから食べようか迷っちゃいます。

ネギや紅葉おろしなどの薬味をそばにのせ、つゆをかけていただきます。出雲そばはそばの実を殻ごと挽いた「挽きぐるみ」のそば粉で打っているので、そば本来の濃い香りや味わいを感じられるのが特長です。色も濃く、コシがしっかりとしています。出汁の効いた甘めのタレがまたうまいっ! 余った薬味とタレを次のそばに注いで食べるのが割子そばの食べ方。3段目に余ったタレはそば湯に入れていただきます。無駄のないSDGsな食スタイルですね。あっという間に3段完食しちゃいました。
◆砂屋
住所:島根県出雲市大社町杵築南772 出雲杵築屋 2F
電話:0853-27-9006
営業時間:平日11:00~15:00、土・日・祝10:30~15:30※そばがなくなり次第閉店
定休日:水曜日、第3月曜日
そばを食べたら今度は甘いものが欲しくなり、こちらで甘味をいただくことにしました。出雲はぜんざいの発祥の地としても知られています。出雲に、全国から神々が集まる「神在祭(かみありさい)」で振る舞われた「神在餅(じんざいもち)」が出雲弁でなまって「ずんざい」、さらに「ぜんざい」になったんだそうです。
縁結ぜんざい/770円
紅白の大きな焼き餅がどどんっと入った縁起のいいぜんざいですね。カリッ、もちっ食感の餅の下にはたっぷりの小豆が入っています。大粒の小豆と透きとおるさらりとした汁がほっこり優しい甘さで、冷えた体が芯から温まっていきます。年越しそば用に出雲そば、鏡開き用に出雲ぜんざいをお土産にしようかな。
◆日本ぜんざい学会 壱号店
住所:島根県出雲市大社町杵築南775-11
電話:0853-53-6031
営業時間:10:00~17:00
定休日:不定休
テイクアウトできる温泉

美肌の聖地・玉造温泉街へやってきました。玉造温泉は日本最古の湯のひとつといわれ、温泉宿がずらりと並び、美肌スポットが点在しています。
随所に隠れている勾玉や神様のオブジェを探すのも楽しいですよ。玉造の地名の由来は勾玉づくりからきています。

玉湯川に同化するように足湯がありました。はぁ~気持ちいい。足元から浄化されていく感じがします。玉造の湯は潤い成分がたっぷりと含まれている、言わば「浸かれる化粧水」。足だけといわず全身浸かりたくなりますね。

川沿いを散策していると嬉しいスポットを見つけましたよ。なんと、無料で持ち帰ることができる温泉水!

ちょうどペットボトルを持っていたのでたっぷり入れちゃいました。
容器がなくても大丈夫。その場でスプレーボトルを購入することができます。
美肌との縁結び
島根のパワースポットは出雲大社だけではありません。願いが叶うと評判で、全国から人が集まる人気スポットが玉造にも。玉湯川沿いには神社やお寺があり、ここでは特別なお守りやお札を手に入れることができます。私が手に入れたのは石に願いを込めてお守りにする「叶い石」。石は一つ一つ個性があるので、どんな石が入っているかは開けてからのお楽しみ。石が私たちを選んでくれるんだそうですよ。
美肌になれると有名な「おしろい地蔵さま」にもお祈りをしてきました。玉造の温泉水も手に入れたし、これできっと玉のような肌になれるはず!
ビール豆知識「ビールと美肌」
「ビールっ腹」という、耳が痛い言葉があるように、ビールと美容は一見結びつかない気がしますよね。でも、そんなことはありません。実はビールには美肌効果が期待できるんです。ビールの原料に使われているホップには利尿作用や消化促進作用があって、老廃物の排出を期待できますね。そしてビールには美肌の作用がある栄養素もたくさん含まれています。ビタミンB、カリウム、必須アミノ酸などが美肌の元になる成分です。最初にお話ししたビールっ腹についてですが、これには誤解があります。ビールのカロリーって実はそんなに高くないんです。500mlでごはん一杯分くらい。ワインだとグラス2杯の240ml、日本酒だと一合の180mlと同じくらいのカロリーです。つまり、同じ量に換算すればビールのカロリーが一番低いんですね。ビールを飲むと太るというイメージがあるのは、ビール自体のカロリーではなくついついおつまみを食べ過ぎちゃうからなんです。食べるものにさえ気をつければ、ビール単体ではそんなに太りません。それどころか、近年の研究でホップにダイエット効果があることも発表されているんですよ。
ビールの“ビ”は美しいの“美”という字でもいいかもしれませんね。よーし、今日も美容のために、美ール飲むぞ~! もちろん、飲めば飲むほど美しくなれるというわけではないので、適量は守りましょうね(笑)。
地元の食材とクラフトビール
パワースポットを巡って元気いっぱいになりました。夜はおいしいごはんとビールとの縁を結びたいですね。
やってきたのは出雲駅の近くにある「ツバメヤ」。ここでは地元の食材とクラフトビールが味わえます。
3rd Barrel Brewery(サードバレルブリュワリー) 舵-rudder-(ラダー)/980円
まずは地元のビールで乾杯です。ラベルがかっこいいですね。サードバレルブリュワリーは出雲の木綿街道にある新しいブルワリーです。この土地は昔から醸造が盛んで、酒造や醤油の醸造所があり、ブルワリーの名前はそのまま“第3の醸造所”という意味で名付けられたそうです。出雲の水で丁寧に仕込まれたビールのお味は……?
うまい! 好き。スタイルはアメリカンIPAで、アルコール度数は7%とちょっと高め。グレープフルーツのような爽やかな香りと苦味が特長です。ほんのり感じる甘みとスキッとした後味で飲み飽きない味わい。ビールを飲んだら食欲に火がつきました。おつまみもどんどん頼んじゃいます。
のどぐろ塩焼き/2,680円
のどぐろは塩か煮付けか選べましたが、シンプルに塩焼きをチョイス。肉厚なのどぐろが出てきました。ふかふかの柔らかい身がほろりと崩れ、ほんのり甘くて上質な脂が舌の上に優しく広がります。
銀山赤どり もも炭火焼き/880円
ぶりんぶりんの歯応え。この弾力のある噛み応え、すごく好みです。噛めば噛むほど旨味が出てきて、ひとつの満足度が高い。添えてあるゆず胡椒がまたいい仕事してるなぁ。私は出身が九州で、ゴリゴリと硬いのが特長の宮崎の地鶏をよく好んで食べていたので、こういう食べ応えのある鶏肉って大好きなんですよね。
しまね和牛ステーキ/1,980円
このレア感、最高。きれいにサシが入っていて、ひと切れ食べてみると上品な旨味が口いっぱいに広がります。肉の主張がすごい。これはパワーがみなぎりますねぇ。どの料理も食材の旨味を存分に感じられて、ビールが進み過ぎます。
しじみ酒蒸し/780円
〆にぴったりのしじみ酒蒸しを注文しました。味わい深い出汁が五臓六腑に染み渡るぅ。出雲しじみは粒が大きく肉厚で、味が濃いのが特長です。これで二日酔い対策もバッチリですね。
◆ツバメヤ
住所:島根県出雲市今市町651
電話:0853-20-1230
営業時間:15:00~22:00(LO21:30)
定休日:不定休(基本的に無休)
2023年、どんな縁を結びますか?
神話のふるさと出雲は縁結びでよく知られていますが、縁は男女の仲だけではありません。仕事の縁、家族の縁、友人との縁、旅の縁にビールとの縁、おいしい食べ物との縁……ありとあらゆるすべてのものとの結びつきを意味しています。今回のビール旅ではパワースポットをたくさん回ったので、新年はきっとまた新しい縁にも恵まれ、よりパワーアップしたビール旅を届けられそうです。皆さんは2023年にどんな縁を願いますか?
今年も1年、ビール旅にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。新年もよろしくお願いいたします。島根にはまだまだ魅力的なスポットがたくさんあります。年明け一発目のビール旅では島根ビール旅後編をお届け予定なのでお楽しみに!