魔法にかかったような食体験。くらっとする余韻を残すチーズスイーツ
目次
チーズはずるい。
普段の食卓にも、お酒の席にも、甘い女子会にも……どんなシーンにも華を添え、場を明るくする乳製品のクイーン。おそらく大抵の女子はこれに目がないだろう。私もそのひとりだ。
突如チーズ業界に君臨したニューカマー
近年、女子たちを、世間を騒がせ、チーズ会を風靡した「バスクチーズケーキ」。突如としてチーズ業界に君臨したニューカマーだ。こんがりと焼き上げられた見た目とは裏腹に、しっとり濃厚、蕩ける口どけに何人のスイーツ好きを骨抜きにしただろうか? その高貴な味わいを、本家スペイン・バスク地方の有名バル「ラ・ヴィーニャ」の厨房から特別に直伝の製法とレシピを継承し、日本に伝えたのが港区白金「GAZTA」のシェフ戸谷さんである。
そんなチーズ会の先見者が、新しい秘蔵っこを発表したという。新たなチーズ様との出会いの予感。一刻も早くマッチングしなければ……!
チーズスイーツ専門店「CASA DE GAZTA」
やってきたのは、今年6月18日にグランドオープンした港区白金にあるチーズスイーツ専門店「CASA DE GAZTA」。同じ通りにはバスクチーズケーキ専門店「GAZTA」が並ぶ。
まるでバスク地方を航海しているような、マリンテイストの可愛らしい店内。
おいしいものを召し上がるには素敵な場所で……
ここは、シェフとチーズ会の新たなエース「チーズアイス」との物語が具現化された場所だ。
航海気分が味わえる素敵なカウンターに腰を下ろし、いざ、チーズスイーツの船旅へ!!
ゲタリアイス&カーサ デ フォンデュの盛り合わせ
一番人気の「ゲタリアイス&カーサ デ フォンデュの盛り合わせ/1,000円」。チーズアイスとイートイン限定の「カーサ デ フォンデュ」を同時に味わえる至福なプレート。
ちょっとここで、チーズアイスをより堪能するための素敵なストーリーをひとさじ。バスク地方「ゲタリア」にあるレストラン「エルカノ」。世界中から美食家たちが集まり、地元の方にも愛されているミシュラン星つき店だ。そのエルカノでデザートとしてフィナーレを飾るのが、本日の主役「チーズアイス」だ。
チーズアイス
このチーズアイスに魅了されたシェフの戸谷さんは、そのおいしさを現地のシェフに尋ねると、快く厨房に招き入れてもらい、その製法を直々に伝授されたらしい。何というコミュ力。
心を打った秘伝のレシピ。しかし、ここで大きな壁にぶつかることになる。チーズアイスの骨格になるじんわりとした奥行きのある酸味を再現する為のチーズは日本には存在しなかった……。そこで、北海道「美瑛放牧酪農場」でチーズアイスの為に特別な「フロマージュブラン」をゼロから開発。何十回もの試作を繰り返し、ようやく寸分の狂いもなく理想そのもののフロマージュブランが完成したのだ。
……いや、こんなことある? 情熱大陸でもみているかのような壮大なチーズヒストリー。シェフの人徳と、チーズへの底知れない探究心と愛情に頭が上がらない。
さっそく極上のこだわりと寵愛を受けて生まれたスイーツを戴こう。
はらりはらり、地に舞い降りたばかりの雪をかき集めて、口にいれたらきっとこんな感じ。違うのは、素晴らしい味覚のギフトを残してくれること。
舌先に触れた瞬間に上品に溶け(融点は何度なの!?)、チーズの風味が心地よく鼻腔をくすぐる。物腰はとても柔らかいのに、しっかりと自分の芯を持つ。そして去り際はなんとも潔い。
一瞬なのに、くらっとするような余韻を残す、ヒロインみたいなチーズアイス。
カーサ デ フォンデュ
ギリギリの焼き加減に仕上げ、極上トロトロの状態の「カーサ デ フォンデュ」。
パリッ、とろん、ジュンっ。香ばしい焼き色の表皮を割って、じんわりと広がる奥行きのある酸味とコクを受け止めながら、それらがするする溶けて舌先に消えていく、その過程がまるっと愛しい。
あぁ、ずるい! 刹那な出会いなのに、全然頭から離れない。罪な子だ……困ったなぁ。(もう一口いいですか?)
にっこり笑いかけてくる美女を、ボフっと抱きしめて感触を感じた直後、腕の中には彼女の残り香しか残っていない。魔法にかかったような食体験。そんな妖艶さを放つ「CASA DE GAZTA」のチーズスイーツ達は、口に入れた直後から恋しくて追いかけたくなる。
ダージリンセカンドフラッシュ
余韻を噛み締めながら、「ダージリンセカンドフラッシュ/1,200円」を啜る。シャンパンのように華やかに香る茶葉は、今日の幸せな口の記憶を上品に反芻させてくれる。
極上体験をテイクアウトで
極上体験を家でも味わいたい。欲張りな私は、可愛らしいヒラメの形が目印の「バスクレーヌ」と、「チーズサンド」をテイクアウト。
チーズとバターが香るぷくぷく愛しいヒラメちゃんたち。厳選したフランス産のクリームチーズを使用し、特注のカレイの型で焼いたチーズ風味のオリジナルマドレーヌ。可愛い顔して、とってもお行儀が良い上品な味わいね。
とろんと溶け溢れるチーズ、サクサククッキーの食感がたまらない。フランス西海岸ブルターニュ地方のゲランド塩田の塩が、チーズの風味をぐんと底上げしてくる。ちょっとこれは沼にハマりそうなおいしさで、こわい(幸せ)。
そして、数軒先のバスクチーズケーキ専門店「GAZTA」にも立ち寄って、ちゃっかり本家のバスクチーズケーキ達とも一緒に帰宅(食い意地だけは負けません)。
遊び心溢れる可愛いパッケージ。プレーンのバスクチーズケーキ、ホワイトチョコレート、チョコレートの3種類を食べ比べ。
本家の味を家でも堪能することができ、その日は上機嫌だった私。バスクチーズは色々と食べてきたけれど、やっぱり原点にして頂点。スペインの厨房からやってきたレシピは、シンプルでありながら、ずっしりと心と舌先に幸せな余韻を残す。
チーズスイーツに恋焦がれたら、白金にあるこの通りを訪れれば、「CASA DE GAZTA」の極上チーズたちが、きっとあなたを幸せにする。私にとって、あまり馴染みのないエリアだったけれど、今日最高の足を運ぶ理由ができた。
あぁ、もう恋しいよ、どうしよう。
◆CASA DE GAZTA(カーサ デ ガスタ)
住所:東京都港区白金1丁目14-3
電話番号:03-3473-7495
営業時間:9:00~19:00
定休日:無休