【離島のビール旅】西表島で滝修行! 頑張ったあとのビールは極上です
みなさん、こーんにーちはーっ! “ビールおねえさん”こと古賀麻里沙です。お盆が過ぎましたがまだまだ夏真っ盛りで毎日暑いですね。さてさて、沖縄離島シリーズも第3回目となりました。これまでに石垣島と波照間島を紹介してきましたが、もう読んでいただけましたか? 今回は八重山列島の中で最大の面積を持つ「西表島」でのビール旅。西表島は手付かずの自然が残り、島のほとんどがジャングルで囲まれています。2021年の7月には世界自然遺産に登録されたことでも有名ですね。自然を全身全霊、思いっきり感じて、ビールを楽しむ! これこそが西表島でのビール旅の醍醐味。さぁ、それでは特別なビールを楽しむためにジャングルへ冒険に出かけましょう。
目次
部活並みの運動量で自然を浴びる
島全体の9割がジャングルで覆われている西表島。海も川も森も楽しみたいならおすすめはシーカヤック&トレッキングツアーです。今回私が参加したのは“幻の滝”と呼ばれるナーラの滝ツアー。カヤックのスタート地点は白浜港で、ここは西表の道の終点です。秘境の匂いがプンプンしてきましたねぇ。白浜港からトレッキングコースの入り口まで、往復14kmの道のりをカヤックで漕いでいくという体育会系のコースです。私が体を動かす最終目的はいつもただひとつ。その先(=晩酌)にある幸せ(=ビール)のため。汗をかいた後のビールは100倍うまい! そのために頑張ります。果たして私の腕はどこまで持つんでしょうか。ビールジョッキを持ち上げられるくらいには体力を残しておかないとなぁ、なんて考えている間にツアースタートです。
広い海をガンガン漕いでいくと、途中から川に変わります。この辺りから生い茂るマングローブが見えてきます。ヤエヤマヤシやヒルギ、巨大なシダ植物などの稀少な木々のほかに、特別天然記念物のカンムリワシも見つけることができますよ。風を切りながらカヤックで大自然の中を進んでいくのは快感です。気持ちいい~!
ひたすら漕ぎ続けることなんと2時間、ようやくトレッキングコースのスタート地点へ到着しました。ここからは約30分かけてジャングルをかき分け、幻の滝を目指します。人ひとりがギリギリ通れるくらいの細い崖を気をつけて通り、突出した気の根っこに引っかかって転ばないように注意しながら前に進みます。
着いたーーー!!! ご覧ください、こちらが西表の奥地……秘境にある幻のナーラの滝です。
ものすごい迫力ですね。階段状に勢いよく流れ落ちる大量の水の姿は圧巻です。この圧倒的な存在感に、早くも筋肉痛を訴えている腕の痛みも、乳酸が溜まってパンパンになったふくらはぎのだるさも一瞬忘れてしまうほど。ここは滝壺が深いので大きな岩の上から飛び込みができるのですが、ツアーガイドさんが写真を撮ってくれると言うので、参加者が順番に飛んでいきます。キャーキャー言いながらも順調に飛んでいく参加者たち。最後はいよいよ私の番です。ドキドキ。行きます! とりゃー! バッシャーンッ!! ふぅ、、ちょっと怖かったし鼻に思いっきり水が入って痛いけど楽しかった~と思っていると、 「あ、ごめんなさい。写真が間に合わなかったのでもう一回いけます?」とガイドさん。え……嘘でしょ? ほかの人はみんな一発で撮れてたやないですか。じゃあもう1回……と飛んでみると、「すみません、ぜんぜん間に合いませんでした」
なんでだよ!!!!! 何度も挑戦してやっと撮ってもらえたのがコチラ。
いい感じ~! 滝をバックに、躍動感あふれる素敵な写真が撮れました。ありがとう、ガイドさん。
せっかくなので滝に打たれて滝行気分も味わうことに。ものすごい水圧で、目を開けるのがやっとでした。
マイナスイオンをたっぷり浴びたら昼食タイムです。
ガイドさんが用意してくれた手作りのお弁当。スパイスの効いたチキンが絶品でした。疲れた体に染み渡る……! ここでビールをクイッといきたいところですが、また帰り道も同じルートを辿るのでここでは我慢です。
ビール豆知識「ビールで運動が無駄になるって本当?」
カヤックとトレッキングで全身運動をしたので、翌日の筋肉痛は免れません。筋肉が成長すること間違いなしですね。でも、筋トレをしてもビールを飲んでしまうと意味がないとよく聞きませんか? これ実は一概には言えないようです。2019年に発表されたスペインの研究では、適量のアルコールであれば筋トレ効果に悪影響は出ないという結果が出ているんです。72名の男女を対象に10週間行われた実験の話ですが、HITトレーニングと呼ばれるかなり激しい運動をするチームとしないチーム、さらに運動をするチームは毎日飲酒をするチームとしないチームの3グループに分けます。週に2回のトレーニングと、週に5回350ml程度のビールやウォッカのソーダ割りを女性は夕食時のみ、男性は昼食、夕食時の2回摂取し、10週間後に体組織を測ったところ、運動をしたチームは飲酒したしないに関わらず全員の脂肪量が減り、筋肉が増強していたのです。この結果から言えることは、毎日ビールを飲んでいても適量であれば鍛えた筋肉や落とした脂肪に影響はないということですね。適量は個人差がありますが一般的にはビールだと500mlだそうです。意外と飲んでいいんだな~と思うか、もっと飲みたい! と思うかも、個人差がありそうですね(笑)。
予約の取れない人気店で“島寿司”を
往復14kmで4時間のシーカヤックと、1時間のトレッキングでもうお腹がぺこぺこです。腹ごしらえにやって来たのは、地元の人でもなかなか予約が取れないという人気寿司店「初枝」。
ここでのお目当ては、島で獲れる魚で握った“島寿司”です。
左上からガーラ、ミミジャー、カマサー、グルクマ、シャコ貝、マグロ、マキエビ、セーイカ、玉子、パパイヤ、海ぶどう。聞いたことのない名前の魚もあるけど、どれも味わいも歯応えも違って新鮮です。エビのしっぽの部分を香ばしく焼き上げてくれているのも嬉しい……箸が止まりません。初枝の料理はどれも出汁がしっかり効いていて、盛り付けも美しく、ひとつひとつの料理の工程にとても丁寧な印象を受けました。ほかの予約の方の間にギリギリ滑り込んだのであまり長居できず、ビールは次のお店でゆっくり楽しむことに。このおあずけの時間もビールをおいしくする大事なエッセンスになります。
◆初枝
住所:沖縄県八重山郡竹富町字上原195
電話番号:0980−85−6023
営業時間:17:00~23:00(LO22:30)
定休日:火曜日
幻の食材を求めてジャングルハンティング
なかなかお目にかかることも、ましてや食材としては滅多に出会えないヤシガニが食べられると聞いてやってきたのは「ぽけっとはうす」。ヤシガニはヤドカリの仲間なのですが、体長30~40cmとかなり大きく、色は青や紫色。時期や地域によっては捕獲禁止になっているので、かなり貴重です。
ヤシガニの看板に期待が高まりますねぇ。ワクワク。「ヤシガニください!」と勢いよく注文すると……
「申し訳ございません、本日は入っていないんです」
ぎゃーーーー、ショック! 1時間ほどかけて頑張ってお店まで歩いてきたというのに……今日1日の疲れがなんだか一気に押し寄せてきました。もうダメだ……と放心状態の私に「ノコギリガザミならありますよ」と救いのひと言。西表の女神は私を見捨てませんでした。
どどんっ! こちらも貴重な食材なんだそう。ガザミって初めて食べたんですが、旨味がものすごい!!! 身の全てがカニ味噌なんじゃないかっていうくらいの濃厚さで、ひと口ごとの満足感が高いです。無心でほじくり出した身に、甲羅に入ったカニ味噌をたっぷりつけてパクパク。これだけ出汁たっぷりで味が濃厚なのに塩などは入れていなくて、茹でただけなんだそう。
今日1日動かしまくった体への労いを込めて、ビール、いただきます! この一杯のために本当によく頑張った。身体中に染み渡っていきます。たっぷりと汗をかいた日のビールは本当に格別ですね。濃厚すぎるほど濃厚なガザミの旨味に、すっきりとした味わいのオリオン生ビールがこれまた合う! ぽけっとはうすにはガザミのほかにもビールに合う料理がたくさんあります。
お気に入りはイノシシの串焼き。こちらもめずらしいですよね。肉厚で弾力があり、食べ応え抜群です。豚と比べると肉の味が濃いのですが、臭みは全くなくて意外にあっさりと食べられます。これでは確実にビール500mlでは足りなさそうです。
ちなみに今回ありつけなかったヤシガニですが、お店を閉めた深夜1時半以降にスタッフ総出でジャングルへ捕獲に行くんだそうです。ヤシガニは大きなハサミを持っているんですが、大きなサイズの個体だと、挟む力はライオンの噛む力と同じくらいなんだとか! ひえーっ! 命懸けの漁……。実は「一緒に行きませんか?」とスタッフの方に誘っていただいたのですが、その話を聞いたあとでは腰がひけてしまい、「ま、また今度にします」と引きつった笑顔で答えるのが精一杯でした。
◆ぽけっとはうす
住所:沖縄県八重山郡竹富町字上原870
電話番号:0980−85−6571
営業時間:18:00~23:00、バータイム21:30~翌1:30
定休日:不定休
いつか、会いにゆきます
豊かな自然に囲まれた西表島のビール旅を満喫するには、冒険をするのが一番です(もちろん、安全は確保してね)。ジャングルを探検すると、いろんな動植物に出会えます。なかでも特別天然記念物であるイリオモテヤマネコの名前はよく耳にするのではないでしょうか。世界中で西表島だけに住んでいて、数は100頭前後。イリオモテヤマネコは非常に警戒心が強く、何十年も島に住んでいても一度も見たことがないという人が多いそう。そんなことを聞くとますますこの目で見たくなりますね。いつか会える日まで通い続けます。そして会えた暁にはもちろん、オリオンビールで盛大に祝杯をあげます。
それでは沖縄離島ビール旅シリーズ、次回もお楽しみに!