奄美大島の龍郷町で人間ドローンになった!? 神秘的な海とNo.1シュークリームも

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2021年7月に、奄美大島が世界自然遺産に登録されました! ますます注目が集まりそうなこの奄美大島、実はみなさんが想像している以上に広いんです。なんてったって日本で2番目に大きな離島ですから。なのでエリアで分けて考えないとよくわからなくなるんですよね。今回は、そんな奄美の中でも空港から中心地名瀬に行くまでに絶対通る龍郷町(たつごうちょう)に注目して、個人的に感動のシーンに出会えたスポットをご紹介したいと思います。風光明媚なところばっかりですよ。大好きすぎるおやつのお店もあるから、ぜひとも寄っていただきたいなぁ。どうぞみなさん、旅している気分でご覧くださいませ。
神秘的な朝焼けに「安木屋場の立神さま」で出会った

ここは安木屋場(あんきゃば)。大好きな大好きなところです。海がとっても穏やかで波が少なくリフレクション大盛り。そんな海の真ん中に佇む岩があるの、絵になるでしょう。しかもこの岩が「立神(たちがみ)」さまだというから神秘的。もう言うことありません。

立神さまは、安木屋場だけでなく他の集落の前の海にもあって、古くから信仰の対象となっています。海の彼方の理想郷ニライカナイから神さまがやってくるときに、最初に立ち寄る場所なんですって。
どこの立神さまにもロマンを感じるし、本当に神さまが宿ってるんじゃないかなぁと尊く思っていますよ。でも安木屋場の立神さまはひと味違います。大抵の立神さまが海の真ん中遠くにポツンと佇んで孤高のオーラをむんむん発しているのに対して、安木屋場の立神さまはこうして海の中を歩いて目の前まで行けちゃうんです、太っぱらだなぁ神さまなのに。親近感が湧いてきて「いつも見守ってくださってありがとうございます」の気持ちが深まるんですよね。

真っ青でぺったらな世界には、存在感抜群の立神さまと、赤い点のわたしだけ。もうこれだけで、神秘体験している気分です。
空から見るとオシャレさん「円港」をどうぞ
安木屋場漁港から南東へ数百メートル、すぐ近くの円港は、まぁ言ってしまえば普通の港です。もちろん、海は最高に美しいですよ〜。ただそれは他も同じ。ここならではの何かがあるわけではないので、特別に行くべきスポットとしておすすめはしませんが、これは見て。ドローンで真俯瞰から見下ろしたら、あらまぁオシャレさん。

港と海底の様子から、3つの青が揃いましたよ。波しぶきの白で区切られてるのもオシャレでしょ。デザインとして優れているし、円港の大漁旗に採用してほしいくらい(笑)。もしくはこんな風呂敷があったら即買っちゃいます。
太平洋と東シナ海、二つの海を見渡す朝焼けは「加世間漁港」から
なんて神秘的で不思議な景色。デコボコ複雑な海岸線が見渡せるでしょう。龍郷町の東端、赤尾木の上空で、前に広がるのが太平洋、左奥に見える水辺は赤尾木湾であり東シナ海なんです。二つの海が同時に見えるなんて、壮大すぎてスーッとします。

そんな壮大なシーンに太陽登場って、神々しいったらありゃしない。これは夏に撮った様子で山からのご来光ですが、これから冬至に向かってどんどん太陽は海から昇るようになってきます。

この絶景に浸るのにわたしが好きな場所は、こちらの加世間(かしけん)漁港。おとなり500mほど東の手広海岸から太陽を拝むのも素敵ですよ。ただ、あちらはサーフポイントで加世間よりも名が通っているので少しばっかり人がいるし、こんな風に防波堤の上にいると海の中にいる感じがするからより大好きなんです。

これまでここで他の人とバッティングなんてしたことないんですよ。壮大な世界にポツン。この感覚がたまらなくって。大きな空に、海に、どうしたってかなわないという当然の事実を体感して骨の芯から理解すると、「ちっちゃいな自分!」と妙に笑えてくるんです。心がゆったり軽やかになってきましてね。安心して負けるって喜びなんですねぇ。同時に、ちっちゃいくせにちょこまかとがんばっている自分って偉いなぁと思えてくるからやる気スイッチ入っちゃう。

防波堤の脇の浜がまた一段とキレイなんです。岩がたくさんある独特な海岸線。岩に打ち寄せる波が当たって、波打ち際がかっこよく仕上がります。

さらにはこれ見て! 海から浜に、横に続いている線。これは海亀が産卵のために浜に上がってきた跡です。大きくて重い体をズリズリと引きずったのでしょうね。なんだか感慨深くなります。それにしても、海亀が産卵にやってくるなんて、加世間の浜は美しくて安全な証拠ですね。
干潮の時しか現れない「ハートロック」ってロマンチック
奄美で一番有名な映えスポットと言えば「ハートロック」かもしれません。それも龍郷町の赤尾木にあるんですよ。

ハートでしょう! ハートロックというか、ハートホールというか、ハートロックです。さらに思うのは、世間で「ハート○○」と名づけられる自然界のものってどうもハート認定が甘いですが(ご愛敬)、このハート型はなかなかハートに近いではありませんか。

でもこうして横から見ると正直迷うところですが(笑)、穴がたくさんある中の左端です。わたしの近くにありますよ。
また、干潮の時にしか見られないのもロマンチックでいいでしょう。潮が上がると海底に沈んでしまうのです。「奄美、タイドグラフ」というキーワードでネット検索すればすぐに潮の高さはわかるので、低い時間に行ってみてくださいね。
モーターパラグライダーで空を飛ぶ! 真っ青な海を見下ろして

このハートロックの上をモーターパラグライダーで飛ぶことができるんですよ!

モーターパラグライダーってこんな感じ。インストラクターさんが背負っているのは巨大な羽。あれれ、ドローンみたいですね。そんな人間ドローンになったインストラクターさんの前には椅子がついているので、そこにお客さんが座って空高く舞うという仕組みです。

どうです、ホラー写真! 手前が太平洋、奥が東シナ海で、この構図はドローンで撮影することもありますが、自分がこの風景に空から入り込むのはぜんぜん別の絵になりますね。
それにしても、最強に爽快! 飛ぶ前は少しばっかりドキドキしましたが、飛んでしまえばもう爽快ひとすじ、怖がる隙もありません。真っ青な海の存在を、大きな地球を、風とともに体感できるなんて。一番驚いたのは海の透明度。空高くから見下ろしているのに、海底の様子まで見えるところも多くて目を疑いました。海亀が浮かんでいるのもしっかり確認しましたよ。ハートロックの上も通りました。小さい頃、タケコプターが欲しくて仕方なかったけど、まさにタケコプターを授けられた気分でした。
わたしは「フットランチアマミ」さんでモーターパラグライダーを体験しました。他にも体験できるショップもあるし、飛ぶ場所が違うこともあるので、検索して問い合わせてみてください。
■奄美パラグライダーガイドサービスHAPPY SKY
電話:090-5749-9413
■フットランチアマミ
電話:090-7924-4841
個人的奄美No. 1シュークリームは「こっこ家」に
さて、龍郷を観光するときにわたしが毎回必ず食べるおやつをご紹介させてください。

「こっこ家」さんのシュークリーム(185円)です。こっこ家さんは、卵と鶏肉とスイーツのお店だから、信頼度も高いでしょ。実際、すごくおいしいから! サックサクのシュー生地に、トロットロのなめらかで濃密なカスタードがこれでもかと入っています。しかも、注文が入ってからカスタードを投入しているので、最大限の生地のサクサクを味わえるという神っぷり。ガブッとかぶりついて、ブシューッと口の中に飛び出すカスタードを全力で受け止める行事は、何度味わっても飽きません。お店には広々した庭があって、そこでできたてをいただけるのも嬉しいポイントです。
店舗は空港から名瀬へ、そしてその先へと続く国道58号線沿いにあるので、きっとすぐにわかります。通り過ぎたらUターンしてでも食べる価値のあるシュークリームなので、ぜひ寄っていただきたいです。
■こっこ家
住所:鹿児島県大島郡龍郷町中勝2878-1
電話:0997-62-5511
奄美の郷土料理は、鶏を育てるところからはじめる「ひさ倉」で
おやつをご紹介したら料理も気になりますよね。奄美の郷土料理といえば「鶏飯(けいはん)」ですよ。

ひさ倉さんのスープは、とっても旨味が濃くってクセになりますが、そのおいしさの肝は鶏にありました。なんと使う鶏は自家養鶏場でのびのびと育てているんですって。スープには成鳥がいいそうで、2年もかけているそうですよ。さらには、パパイヤも自家製。そんなこだわりの食材を使っているなんて、おいしいに決まってますね。食べている時はサラサラと口の中に入っていき、さっぱりしているので、いくらでもいけてしまうから本当に危険です(笑)。
ちなみに、ごはんはおひつに入って提供され、自分で具材とスープを盛り付けて食べるんです。この自分好みに仕上げる感もまた楽しくって心に残るんですよね。
■けいはん ひさ倉
住所:鹿児島県大島郡龍郷町屋入516
電話:0997-62-2988
黄色、青、赤、信号みたいな夕焼けを臨んだ「嘉渡漁港」
奄美のどこの海でも夕焼けは本当に美しく、うねうねガタガタの地形が背景に入り込むことも多く、うっとりの連続です。そんな中でも印象に残った夕焼けシーンのひとつは、龍郷の嘉渡(かど)漁港で出会いました。

小さなのんびりした漁港で、地元の方が釣りをしていたり、立ち話したりしていました。なんともほのぼのするんですよ。そんな防波堤の先っぽに立って空を見上げると、雲が切り紙アートのようなレース状になってふわふわと広がっています。

太陽が沈んでからも、空の変化はぐんぐん続きます。黄色がかった光が優勢だったのに、だんだんとレースの雲が赤っぽく染まっていくのが不思議で不思議で。とうとう、きっぱりと黄色、青、赤、信号みたいな空に仕上がりました。

最後は全部の色をエイッと混ぜ合わせたみたい。かわいらしい紫が世界を席巻していくのでした。あ〜あ、世界がやさしい。
いかがでしたでしょうか。奄美の龍郷はキュンとくるシーンがいっぱい。時が訪れたら、ぜひ行ってみましょうよ。
「月刊旅色10月号」でも奄美大島・龍郷町に注目しています!
月刊旅色10月号では、旅色初登場の女優・山田杏奈さんが鹿児島県の奄美大島にある龍郷町(たつごうちょう)をナビゲートしています。「ハートロック」や「けいはん ひさ倉」など、奄美大島の観光大使であるとまこさんもおすすめするスポットが登場するほか、さらなるアクティビティや特産品の紹介も。気になる方は、ぜひこちらもご覧ください。