夏の定番! 記憶に残る旅ができる「北海道自転車旅」
こんにちは。山岳自転車旅ライターの土庄です。夏といえば、どんな旅行先を思い浮かべますか? 私は、北の大地・北海道です。どこまでも一直線に続く道、周囲に広がる緑の草原、見上げると果てしない青空、心に残る一期一会、空腹を乗り越えありつく食事、など幸福感を与えてくれる出来事にたくさん出会いました。今回は、旅の何気ないワンシーンがいつまでも宝物のように心に残っている、北海道自転車旅の魅力をお伝えします。
目次
大スケールの自然を走破するロマン
北海道を自転車で走る醍醐味は、雄大な自然の中で、ひたむきにペダルを漕ぐ時間です。写真で見ると一見気持ちよさそうですよね。確かに気持ちいいのですが、それとは裏腹に大変な側面もあります。時には何もない道を数10km走ったり、峠を越えるにも半日がかり……。逆風が吹こうものなら、体力の消耗スピードも2倍になります。
しかし、そんな“試される大地"を自分の足で走破するロマンこそ、旅人を惹きつけてやまない魅力です。そして一心不乱にペダルを漕ぎ、ふと軌跡を振り返った時、膨大な距離を走った達成感を味わうことができます。
劇的に変化する走行シーンと絶景
北海道では、思いがけない絶景に出会うことがあります。町から町へ移動する道のりは、緑に包まれ、花々が鮮やかで、海を見渡せて、景色がドラマチックに変化します。これまで目の前の道を懸命に進んできた努力が報われるように感じる瞬間です。
その中でも強く記憶に残っているのが、美幌町から屈斜路湖(くっしゃろこ)へ抜ける国道492号線にある「美幌峠(びほろとうげ)」です。
学生時代、重い荷物を自転車に積載して、長い峠道を走りました。頂上付近に差し掛かると、高山帯の目印となる森林限界を超え、峠の先には屈斜路湖の大パノラマが広がります。北海道らしい雄大な自然を象徴するような絶景との出会いは、今でも目に焼き付いています。
輪行活用で広がる旅の可能性
北海道に魅せられた私は、今でも毎年のように輪行(※1)を活用し自転車で北海道を旅しています。国内の航空会社のほとんどは、輪行にお金がかかりません。
※1 自転車を専用の袋に入れて交通機関で運ぶこと
道内を走るバスも、輪行可能な路線が多いです。輪行を活用することで所要時間をカットしたり、雨をしのいだり、融通を利かせて旅程を組み立てることができます。「どこを自転車で走り、どこで輪行するか?」輪行を取り入れることで、ルートの選択肢が増え、オリジナルの旅を組み立てることができます。
人情味あふれるご当地グルメのお店
豊かな自然だけでなく、ご当地グルメを味わうことができるのも北海道旅の魅力ではないでしょうか。海辺の町から内陸の都市・田園地帯までローカルグルメが数多く存在します。
北海道の広大なフィールドを走りながら、その土地の味に触れて周る。自転車を漕いで、お腹をとことんすかせて立ち寄ると、その時食べた味も忘れられない思い出になります。
◆さっぽろジンギスカン千歳
住所:北海道千歳市東雲町1-7
電話番号:0123-22-8130
営業時間:17:00~ ※肉がなくなり次第終了
定休日:不定休
北海道には、温かいおもてなしの文化が根付いています。お腹をすかせた旅人にたらふく食べさせてくる、昔ながらのお食事処が点在しているのです。店主は人情味溢れ、談笑に花を咲かせることもしばしば。グルメを通じて人との温かい出会いを味わうことができます。
◆旭川らぅめん青葉 本店
住所:北海道旭川市二条通8丁目左8 二条ビル 名店街
電話番号:0166-23-2820
営業時間:9:30~14:00、15:00~17:30 ※スープが無くなり次第終了
定休日:水曜日
北海道ならではの印象的な一期一会
ツーリング文化が根付いている北海道。夏になると多くの二輪乗りが北海道へ向けて旅立ちます。そんな二輪乗りの交流拠点になるのが、道内に点在するライダーハウスです。
道内に100施設ほどあると言われるライダーハウスでは、1泊500円~2,000円前後で、個性豊かな出会いが待っています。
網走にあるライダーハウス「民宿ランプ」で一緒だった4人のメンバーと仲良くなり、網走監獄へ行ったのは、学生時代の忘れられない思い出です。お互い北海道での旅の思い出を語り合っているうちに意気投合し、北海道から帰ってきた後には定期的に飲みに行く親友となりました。
他にも、知床で一緒に焼き鳥を食べたり、レンタカーを借りて初対面の人と一緒に観光するといった経験もありました。偶然の一期一会も大切な宝物です。
◆民宿ランプ
住所:北海道網走市新町3丁目3番9号
電話番号:0152-43-3928
料金:素泊まり2,300円~
いつまでも友人と共有できる思い出
今までの北海道自転車旅は、ほとんどを友人と巡ってきました。「道中こんなことや、あんなことがあったなぁ」や「あれほど長い距離を走ったなんて信じられない」など、一緒に旅した友人と会うたびに、思い出話にふけっています。
一人で挑戦するには、ハードルが高い北海道自転車旅。しかし、友人と一緒に出かけることで、旅の不安が解消され、膨大な距離を走る大変さや普段見ることのない景色に感動など、印象的な出来事を共有でき、一生忘れられない思い出を作ることができます。
冒険心を忘れず、いつでもワクワク感を思い出せる旅の記憶は、どれだけ時を経ても最高の酒のつまみです。
今回は、北海道自転車旅の魅力についてまとめてみました。次回は、旅行プランの立て方やモデルコースを詳しくお伝えしていこうと思います。