広島・倉橋島で豆まき体験も 絶景にごはんに人に味わいたっぷりの離島へ
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広島県の倉橋島という離島をご存知ですか? いいとこなんですよ、呉市に属す瀬戸内海に浮かぶ絶景三昧ゆったり島。しかも離島というなかなかの旅感濃厚なスポットなのに、広島から車で行けちゃうお気軽感ですよ。もちろん牡蠣も絶品です。いいタイミングでシュッとお出かけしてみてくださいね。昨年に島の神社で行われた節分行事の写真とともにお届けいたします。
橋でつながるすぐそこの異世界、倉橋島への行き方
倉橋島は呉市の中心部から橋でつながっているアクセス楽ちんの離島です。広島市から高速を使えばなんと1時間強。これはなかなかのワープ感ですよ。思いついたらヒュンッと行ってみましょうよ。
個人的には広島から倉橋島間の道中、呉のスケールの大きい造船所風景もかなり好きで、特に夜はもう最高。見たことないような大きなクレーン車がたくさん! しかもピカピカ光りながらニョキニョキと天まで伸びる様子にはただただびっくり。他ではみられないタイプのダイナミックな夜景に包まれながらのドライブは、ワープ背景としてバッチリです。
ちなみに面積は54.44平方km、人口は20000人前後。そんなに人がいるとは思えない秘境的な山と海の風景でいっぱいです。
危険な箱が飛んでくる!? のんきで陽気な由緒正しい神社の豆まき
さて、倉橋島ではぜひ節分を味わっていただきたいんです。「鬼は外、福は内」の豆まきを、家族以外のみんなと一緒にお寺でやるなんて、ちょっとステキじゃないですか。誰でも参加できるんです。こちらは2020年の様子。
倉橋島のメインビーチ、桂浜の近くにある桂濱神社です。15世紀の終わりごろに建てられたそうで、なんだか重厚な空気感。造りも独特で、神社に詳しくない自分でも他とは何かかが違うと気づくほどです。聞いてみるとなるほど、古いだけじゃない特別な理由がありました。この神社を建てたのは宮大工ではなく、舟大工なんですって。かつてこの島は瀬戸内海の要衝として栄え、造船もとても盛んだったそうです。だから神社すら舟大工さんが手がけたと。そんなエピソードを聞くと、神社にいながら波に揺られている気分になってきます。
そんな古くから島を見守ってきた神社に人々が集まり和気あいあいと豆をまくんですよ。続いてのプレゼントまき。このフェーズが最高におもしろい〜。年男年女の方々が前に出て神社が用意してくださったプレゼントを人々に向かって投げるのですが、超手荒(笑)。袋のお菓子が飛んでくるのはいいとして、まあカップ麺が飛んでくるのもいいか、実に笑えるのがボックスティッシュ。あんな角のあるものも平気で飛んできて、角が人の頭に当たったりしてるんですよ。なぜかスキンヘッドの方には何度も当たって、何度も「イタッ」と頭を押さえながらも喜んで受け取っています。うん、なんとものどかでずいぶん笑っちゃいました。
そして神社にある本気の囲炉裏で焼くふるまいイワシ。囲炉裏の炎を囲んで、お酒飲みつつ、捕れたて焼きたてのイワシをガブッといただき、島の方々とおしゃべり。あぁなんてあたたかな真冬の夜。寒さもすっかり忘れて、ほっこりしきったのでした。
◆桂濱神社
住所:広島県呉市倉橋町423番地
電話:0823-53-0160
これぞ広島の朝の絶景。牡蠣いかだの神秘的な風景をどうぞ
すばらしい朝でした。太陽と雲とリフレクションのかけ合わせがなんとも色っぽい。瀬戸内海の穏やかすぎる海ならではの光景ですね。ところで太陽のもとに見える船は、牡蠣を育てる牡蠣いかだを引っ張っているんですよ。
さっきのいかだは、海のより穏やかな場所に並べられます。それにしても穏やかにもほどがあります。海って多少なりとも波はあるものでしたよね? まるで回し車のことを忘れたハムスターのようなのんき感です。
では動画で、広島ならでは、瀬戸内海ならではの朝をご堪能ください。
ここで寛ぐために島に来てもいい、絶景スポットのおしゃれカフェ
倉橋島を好きな理由として外せないのが、おしゃれ&おいしいカフェがあることです。どこに行っても、そんなホッと寛げる場所があるのは土地自体への好き度を大きく左右するので重要ですが、この島は完璧。だって見てください、離島でこんなおしゃれな朝食を食べられるって期待しませんよね普通。
seaside cafe ALPHAのクランペットモーニングです。クランペットなんて存在、そもそも初めて知りました。イギリスの料理で、むちむちとした食感が楽しい、パンケーキとパンのハーフみたいな食べ物です。なんておいしいの。そして玉子とサラダとヨーグルト。そこにかかっているジャムがお店の手作りジャムで、果実たっぷり。このままペロペロと食べてしまいたいくらいハマる逸品です。
ランチの牡蠣フライカレーも、ご覧いただかないわけいにはいきません。
なんてことでしょう、大きなカキフライのサクサクっぷり、ジューシィっぷりにはどうしても目が細まっちゃいます。合わせるのは手作りタルタルソース? こだわりカレー? あぁもう全部一緒に! 食べながら内なる自分と食べ方会議がはじまりました。楽しくって贅沢なひと時です。
そんな絶品をいただくのはこの店内。これは朝の光の時間ですが、ステキでしょう。窓の外には桂浜の海。うん、反則級ですね。1日中ここで過ごしてみたいなぁと思ってしまうほど居心地のいいカフェです。
ちなみに、このカフェのある建物はシーサイド桂ヶ浜荘というホテルです。そんなロケーションですから。部屋からの眺めは100%海、最高です。
◆seaside cafe ALPHA
住所:広島県呉市倉橋町才ノ木576-7
電話:0823-53-1311
自慢のビューティフルビーチはこちらです!
これが桂浜です、魅力的な海でしょう。真冬にこんな色合いで輝くなんて。
これが海から見た桂浜で、真ん中に見える白と赤の建物がシーサイド桂ヶ浜荘です。なるほど納得の絶景ロケーション。こんな海ギリギリにカフェとホテルが存在できるのも、穏やかな瀬戸内海ならではですね。
そして後ろにドーンと控えているのが火山。倉橋島のシンボル的な存在です。
ワンピースハイキングでこの絶景! まるで神様目線
さっき海から見た火山に登りました。標高408mで、途中まで車で行けるので、ちょっと重めのハイキング程度の心構えでいけます。おすすめはしないけど、わたしはブーツとワンピースで行けたほどの山道なので、ぜひチャレンジしていただきたいです。だってこの絶景、気持ちよすぎてたまりません! 前を見ても後ろを見ても海。そして海に浮かぶ小さな島々。なんですかこの神様的な目線は。天地創造してる気分ですよ(笑)。この爽快すぎるシチュエーションで感じた風と太陽の感触は、今でも鮮明に蘇ってきてにっこりしちゃうんです。
海の真ん中をおさんぽできる道がいっぱい
倉橋島はさすがかつての海の要衝としてにぎわった島だけあって、港が多いのがまたおもしろくって。桟橋や防波堤は海の上を歩けるマジカルスポットだと思っていますが、そんなのがいろんな方角、いろんなロケーションで伸びているから、港巡りが止まりません。
例えば連続で行きやすい、この港三つセットはいかがですか。
まずは灘にあるアイルマリーンの桟橋です。こうやって浮いてる道を歩くのはアスレチック気分も加わってまた楽し! こうしていろんな船を眺めていると、船のひとつひとつにキャラが見えてきちゃうから不思議なんですよね、物語が始まりそうです。
ちょっと北上して宇和木の防波堤です。季節によってはこうして夕陽を拝めますよ。灯台がなくのっぺりした感じも独特でいいな。船が通って珍しく揺れる波と光のかけ合いを眺めていました。海の上、海の真ん中、とっても癒されます。
さらに北上して釣士田の防波堤。ここは長―い! 長い海の道はかなりワクワクします。海の真ん中まで行けちゃう感覚、お得な気分。普段マラソンはしませんが、ここでならしてもいいなぁなんて考えて予行演習的に走ってみたりしましたよ(笑)。写真のような大きな船が停まることもあるようだし、永遠飽きなそうです。
やっぱり灯台は赤でしょう。長―い釣士田の防波堤の先にあったのは赤い灯台でした。コレコレと頷いてしまいましたね、かわいくって絵になるなぁ。寒い寒い夜の海でしたが、この灯台を見てずいぶんホッとしたし、また会いにこようって思いました。
ザ・陽気なおっちゃんが売りの、最高においしいさしみ店
夜はぜひこちらへどうぞ、北吉さしみ店。
おさしみを看板に据える専門店というのは、島ではないと見ないような気がします。島にやってきたなぁとしみじみ嬉しくなるし、なんといってもさすが海っぺりの専門店、おさしみの鮮度が違います。脂ののり、身のしまり、最高です。わたしはその日捕れたおすすめを頼みますよ。ちなみに、卵焼きやお味噌汁など、ほかの家庭料理もあります。
ここを気に入ったのは、料理の味はもちろん、店主も味わい深すぎるから。ザ・陽気なおっちゃんです。おっちゃんとおしゃべりを交わしつつ、おいしさにひたっていると、ここは自分の島なんじゃないかと錯覚しちゃうんです。旅している土地に溶け込んだような感覚ってたまらないんですよ、旅の醍醐味はこれかもしれません。
◆北吉鮮魚店—北吉さしみ
住所:広島県呉市倉橋町室尾11897-28
電話:0823-54-0536
いかがでしたでしょうか。倉橋島、いるだけで心がほぐれていく気分のいい島です。旅するいいタイミングがやってきたとき、ぜひ訪れてみてください。第二の故郷かもとか思っちゃうかもしれません。