南国並みに青く透き通る海。和歌山旅は絶景とグルメに忙しい
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ずっと前、初めて和歌山を走っていたとき、なんとはなし浜に出て度肝を抜かれたこと、よーく覚えています。「ん? 見間違え? それとも場所違い? 実は今南国にいる??」意味不明なほど海がきれいで数秒飲み込めなかったんです。まさか、本州の海が南国並に透き通っているとは! さて、今回はそんな衝撃の海にドローンを持って行ってきましたよ。
ローカルフードの極み! 地元の人で大混雑「せち焼き」って何?
大阪で車を借り、走り始めて数時間、14時には和歌山県御坊市あたりに。お腹がすきましたよ、Googleマップで検索です。お好み焼きが食べたいなぁ。その場から近いという理由で行ってみたのが「元祖せち焼き やました」です。
のれんをくぐると、いかにも地元風情の方々で満席、しかも数組待っています。この時間なのにすごい。でもまぁそんなに他の候補のある街ではないので少しくらい待ってみようかな。待ちながらメニューを見るとお好み焼きって書いてない。この店でいう「せち焼き」がお好み焼きのことかもね、と勝手に解釈して先に注文をしておきます。「ミックスせち2つお願いしまーす!」
しばらしくして鉄板のある席に通されると、すぐにお店のお母さんによる調理がスタートです。まずは、そばと豚肉やエビ、イカを炒めてソースで味付けをします。おいしそうな焼きそばができたところでまとめて卵を4つ割って落としました。
するとすぐさまヘラで卵をグシャッ、リズミカルに混ぜこぜに「おー!」歓声をあげるのを聞いてお母さんは
「今せちごうてるところなんですよ」
おぉ? 聞くと「せちがう」とは和歌山弁で、無茶苦茶にする、という意味だそう。なるほど、今は焼きそばを卵で無茶苦茶にしているんですね、なんかほほえましい(笑)。初代の店主がお客さんに「そばを卵でせちごうてくれ」と頼まれたことがきっかけで生まれたので「せち焼き」と呼ぶのだそう。
さて、たんと混ざったら全体に火が通るまで焼いていき、ひっくり返してソースを塗って出来上がり。
お好み焼きみたい! でも小麦粉は一切入っていないんです。焼きそばよりまろやかかつ複雑なお味で、焦げたソースが香ばしくっていいアクセント。見た目よりずっと軽くてやみつきになるおいしさです。
◆元祖せち焼き やました
住所/和歌山県御坊市湯川町財部49-12
電話番号/0738-22-3227
空のご機嫌を伺いながら……沈む太陽と向かい合える堺漁港へ
さて、おそい昼食の後は一路夕焼けスポットを目指しました。このとき選んだのはみなべ町の堺漁港。防波堤が長くて歩くのが気持ちよさそうなことと、ちょうど冬の太陽と正面で向かい合える西南向きだから。
雲が多くて太陽が見えないことも覚悟していましたが、ほんと空のご機嫌はその瞬間までわかりません。海と空のギリギリのとこで雲が切れ、太陽が顔を出してくれたんです!
雲があることで表情がつき、空が劇的になることも多いし、朝焼け夕焼け撮影で一番肝心なのは「諦めないこと」かもしれません。
それにしてもテトラポッドはほんと絵になります。形は丸っこく意味不明で愛嬌たっぷりなのに、サイズ感と群れ度は迫力満点、実は力仕事がんばってくれてる感じとか、全部好き。
串本名物「かつお茶漬け」、秘伝のごまだれとの相性がやばい
この日に宿をとったのは紀伊半島の先端、串本。移動したらおいしいごはんでほっとしようではありませんか。串本の名物料理と言えば、萬口さんの「かつお茶漬け」と聞きますよ。ただ、ネット情報によるといつも大混雑だとか……ムム。お腹のぺこぺこ加減は深刻です、待つなら諦めるかな! と一瞬候補から外したものの、他を探せば探すほどかつお茶漬けが気になり、ダメ元で電話をしてみました。するとラッキー。この日は席があったんです。並ぶの拒絶派のみなさん、こんなタイミングもあるかもしれません、ぜひトライしてみてください。
さっそくかつお茶漬けを注文すると、特製のごまだれに漬かったカツオのお刺身、ごはん、お漬物と刻み海苔、お茶の入った急須が運ばれてきました。そしてすぐさまお店の方の、非常にテキパキした食べ方解説が始まります。ちなみに、解説と同時進行でやるよう促されるのがちょっと笑えましたよ、テキパキ。
「丼にご飯を半分よそってください。はいっ、そこにカツオを6枚のせて。あ、6枚ですよ(7枚目ものせようとした)。ちょっとタレもかけて。はいっ、海苔を半分のせる。どうぞ!」
まずは、カツオ丼としていただくようです。
特別難しい内容ではないけど手取り足取り感の強い解説(笑)が終わったところで、いただきま〜す。
うーんおいしい。カツオが新鮮、旨味が深〜い。特製のごまだれの香りと甘じょっぱさが最高! これはごはんがすすみます。ていうかこのタレだけでもごはんいけちゃいそう。
「食べ終わったら残りのカツオ6枚も同じように盛って、ワサビをおいて、お茶をかける!」
とのことで、続いてはお茶漬け。ふわっとタレが薫ってくるのがいい感じ。さっぱりしてて締めの感覚にちょうどいい! ま、個人的には丼の方が好きですけど(笑)。というわけで、わたし的ベストは丼に9枚、お茶漬けに3枚かな。
◆料理 萬口 (りょうり まんこう)
住所/和歌山県東牟婁郡串本町串本42-17
電話番号/0735-62-0344
アプリを活用すれば高確率! 本州最南端の潮岬で太陽をお出迎え
さて、大好物の日の出時間です。本州最南端の潮岬の中でも1番東、出雲漁港で太陽をお迎えすることにしましょう。まずは動画でどうぞ。
串本あたりは海岸線がとっても複雑。シルエットが絵になるんですよねぇ。飛んでいて興奮がとまりません。
むこうに見える陸地は、潮岬から橋でつながっている紀伊大島です。ちょうど岬と島の真ん中に太陽が昇るのがまたいい〜。
低いところから見ていても、ほら、とてもロマンチック。なんにもない大海原からの日の出も爽快ですてきですが、こうして周りの海岸線が太陽とコラボレーションして視界に入り込むのは本当に情緒的。いつまでもうっとり眺めていられます。
ちなみにこの太陽と陸地の関係は偶然ではありません。その場その場の太陽の方向を「日の出日の入マピオン」というアプリでチェックしているので、こうなることを知った上で来ています。撮影でも、撮影ではなくても、バッチリな向きで太陽と出合うためにぜひおすすめしたい便利アプリです。
ところで、テトラポットっていろんな形があるんです。よく見るのは堺漁港の写真のようなでっぷり丸っこい四つ足型ですが、こんな直線的テトリス風のも。座りやすいな(笑)。国内だけでも100種以上あるとか。海に行くたび気にして数えてみるのもおもしろそうです。
巨岩を利用した潮岬漁港、いるだけで気分がめっちゃいい
陽が昇ると、今度は潮岬の西にある潮岬漁港に行ってみました。するとまぁ、自然の磯を利用した港だったんです、野性味あふれてかっこいい!
岩と岩の間を人口の防波堤でつないで静かなエリアをこしらえています。自然に共存させていただいている感というのでしょうか。自然の力を借りて自然の威力から身を守る営みの光景が、美しく目に響きます。なんだか気分のいい場所です。
こんな頼もしい岩が防波堤役をしてくれているなんて、安心感がいっぱいでしょ。それにしてもこの巨岩、なんでまっすぐ割れているのでしょうか。自然に割れた? 雷が落っこちた? お侍さんが刀で切った? 宇宙人の光技一撃? 過去についていろいろと想像をかき立てられて、ロマンチックな岩だこと。
ところで、わたしがどこにいるかわかりますか? 人口の防波堤の上で干されてる黄色い点ですよ〜。
ど迫力! 海金剛は唯一無二のツンツン岩山海岸
潮岬から橋で紀伊大島にやってきました。目指したのは島の東にある海金剛(うみこんごう)、なんだかごつくて大層な名前なので来てみたんです、そしたらどうよ。名前の通りの迫力っぷり! しかも名前の由来は北朝鮮の名峰、ごつごつ切り立つ金剛山だとか。
岩が削られてツンツンです。険しくて厳しくてかっこいい岩山が、あんまりにも平和な色の海から突き出ているとか、無機質な冷た〜い岩から、青々とした木が生えている様子とか(そこに土があるのでしょうけど)、ギャップがあちこちに見られて、どうにも印象的です。なんだか神秘性すら感じちゃいます。
そんな中、キスチョコみたいな、スライムのような、かわいらしいのがあるのもいいでしょ。
ところで、海金剛の壁に「ゴミほるな(ゴミ捨てるな)」と書かれていましたが、自分の色とマッチしていて思わず撮影(笑)。
海に巨大なケンケンパ!? 視点が変わると世界が広がる
島の西にある大島漁港に来てみました。
2月の太陽と防波堤の関係はこんな感じ。なかなかいいでしょ。これも「日の出、日の入り」アプリで太陽の位置を調べてから来ています。
飛んでみると、丸や四角の大きなモチーフが海に。養殖場ですね。いろんなタイプがあるのは、いろんなお魚を育てている証、本州最南端あたりの海は本当に豊かなんですね。
真上から見下ろすとミステリーサークルの海版みたいだし、「ケンケンパ」みたいでもあります。空撮することで、そんな懐かしワードを2つも思い出すとは思いませんでした(笑)。
さすがの和歌山、みかんのお味と安さは群抜き
さて、旅も終わりです。せっかく和歌山に来たし、みかんを買いたいなぁと思っていたら道端に出現しました、みかん&ぽんかんやさん。なんとこの1袋が800円ですって! 大粒の袋、小粒の袋とありますが、より甘みの強いのはどちらかご存知でしょうか? 正解は小粒。わたしもそれに従って袋を選びましたよ。買ってすぐさま食べましたが、皮を剥くのが少々めんどくさくはあるものの、お味は甘くて超ジューシー。これは食べだしたら止まらないやつでした。
いかがでしょう、南国並に透き通った青い海と、南国にはないダイナミックで情緒的な海岸線を持つ和歌山。ぜひ、次のお出かけの候補にしてみてください。