秋田の不思議スポット「雨降り様」へ 木村裕子のおもしろ鉄道旅~自然の天気予報編~
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朝出かけるとき、天気予報の「今日は快晴でしょう」を信じたのに土砂降りの雨だった……なんて経験、みなさん一度はあるかと思います。お気に入りの靴を履いて家を出たら、帰宅時には水浸しになってしまったというあの悲しい気持ち。
でもこの駅へ行けばもうそんな気持ちになることはありません! 山の神様が明日の天気を教えてくれる、秘密の駅をお伝えします。
美人がアテンドする秋田内陸縦貫鉄道
“日本三大美人”と称されるうちの一つである秋田県。その県内の真ん中を、鷹巣駅から角館駅まで南北に94.2km貫く路線が、秋田内陸縦貫鉄道です。愛称は「秋田♡美人ライン」。愛称に自ら美人と銘打つなんて強気だな……と内心思いつつ、“日本三大ブスの産地”と言われる名古屋出身の私が検証しに行きました。すると、急行列車に乗務する女性アテンダントさんは透き通るようなもち肌で本当に美人! くぅ~、来世は秋田に生まれる事を強く望みます!(笑)
そんな美人どころが詰まったこの沿線には、七不思議の一つとも言われるおもしろスポットがあるんですよ。
天気予報山が一望できる駅
広い空と大きな山が見渡せる大自然の中にある比立内駅。まっすぐに伸びる線路の両側には田んぼが広がっています。ホームから真正面に見える山の一角には、岩肌が顔を出している箇所があります。私が指さす先に見えるのがそれなのですが、この山は地元の方に「雨降り様」と呼ばれているんです。昔からの言い伝えによると、「岩肌が濡れていれば翌日の天気は雨、岩肌が乾いていれば晴れ」という“天気予報山”なんです。しかもほぼ100%の確率で当たるため、地元の米農家の方はこの山を見て翌日の田んぼ作業を決めているそう。近くに水源もないので七不思議とされていますが、知り合いの気象予報士さんによると「湿気のためでは?」と教えてくれました。ですが、私は現実的見解よりも神秘の詰まった“山の神様のお告げ”説を信じたいと思います!
美人になれるかも? 秋田名物「バター餅」
ここに行くと必ず購入するのが、秋田名物の「バター餅」です。昔からおやつとして家庭でも作られているそう。一口食べると、コクのあるバターの香りと味が口いっぱいに広がります。さらに柔らかくもっちもちの食感なので、食べだしたら止まらない~!
県内のスーパーや菓子店でも購入できますが、お店によって甘さや弾力が違うんですよ。内陸線では、駅の売店や急行列車「もりよし号」の車内販売で購入することが出来ます。ここでは、40年以上も続く老舗店・みうら庵の「もちもち三角バター餅」(430円)が販売されていて、地元の方も駅に買いにくるほど。「たくさん食べて欲しい」という理由から甘さ控えめになっていて、パクパクいけちゃいます。
このバター餅をたくさん食べれば、私も秋田美人のように美しくなれるかも⁉
最後に木村ポイント!
この路線にある前田南駅は近年、無人駅なのに突如全国から人が押し寄せる駅となりました。その理由は、大ヒット映画「君の名は。」に登場する架空の駅「糸守駅」にそっくりだと噂が広まったからです。
私も実際に行って映画のワンシーンと比較してみたのですが、待合室の角度・電柱の位置・電柱についた看板・背景の山の斜面がピッタリと一致するではありませんか! 正解は公表されていないのでわかりませんが、きっと新海誠監督もこの地に訪れたのでは、と思っています。
あれ……? 今年の夏から放映されている「天気の子」は“天気”がテーマ。もしかして雨降り様と繋がっていたりして!?(笑)
ここ内陸線は、やっぱり神秘に溢れていますね。