御嶽ケーブルカーで行く滝行 木村裕子のおもしろ鉄道旅~人生リスタート編~

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本格的な夏真っ盛り! 開放的になるこの季節にハメを外しちゃって後悔している方、新しいことに踏み出したいけれど躊躇している方、何かの決意表明をしたい方などにぴったりの夏旅があります。今回はそんな“人生リスタート”したい方へおすすめのお清め旅へ、出発進行~♪
御岳登山鉄道で、人生を変える「滝行」へ

バラエティー番組などで罰ゲーム的存在になっている滝行ってありますよね。アレ、実は誰でも気軽に体験することが出来るんです。全国各地で参加出来ますが、私は都内を走る御岳登山鉄道(ケーブルカー)に乗って、御岳山の山頂にある1泊2日の滝行付き宿坊「駒鳥山荘」を選び入山してきました!
ちなみにここ御岳山は江戸時代から「おいぬ様」として親しまれ、ペットと入山が出来る場所でもあるんです。そのため、ケーブルカーには「ペット運賃130円」の犬用乗車券があります。リードで繋げば同乗できる、珍しいケーブルカーなんですよ。
女性の一人参加が大多数
標高が高いため、夏でも涼しい山頂にある宿坊に到着。滝行は二日目ですが、準備は前日から始まります。この日の参加者は9名で、そのうち6名が女性の一人参加で驚きました。参加理由を聞くと、「離婚してずっと引きこもっていたけど、ここから前に進みたくて。」「過去をリセットするために。」と、自分を変えるためにみなさん燃えている様子。「人生で一回やってみたかったから~♪」というお気楽な私は、ただただ圧倒されていました……! 夕食の精進料理は質素なものをイメージしていたのに、焼き魚・出し巻卵・煮物など14品が並びとても美味しく豪華です。

夕食後にご祈祷をして神主さんと談笑していると、「私も元鉄っちゃんでSLの部品を持っているよ!」と、C56というSLで使われていた圧力計と連結フックを見せてくれました。たまたま選んだこの宿坊に、鉄ヲタ神主さんがいたとは! なんだか一気に親近感が湧いてしまいました。
◆駒鳥山荘
住所:東京都青梅市御岳山155
アクセス:JR中央線の御岳駅からバスに乗り換え、御岳ケーブルカーの山頂へ
料金:一泊二食滝行付き10,500円
滝行で得たものとは……?

翌朝5時半。神主さんを先頭に山道を30分歩き、滝を目指します。滝までの道中は私語禁止。凛とした空気の中をズンズン進み到着すると、小さなテントで白装束に着替えます。「拝礼・歌・雄叫びの儀」を唱え、いよいよ滝行スタート! 頭に叩き付けられるように降り注ぐ冷水に耐える時は、北極に瞬間移動したかのように極寒。8月中旬の猛暑日にも関わらず、滝近くでは吐く息が白かったです。でも、やり終えた時のすがすがしさと、「今ならどんな苦難も乗り越えられる!」という自信みなぎる感覚は、病みつきになりそうでした。
他の女性参加者さんも、滝行直前までの不安な様子はなくなり、目に力が宿っています。まっすぐ未来を見るかのような視線は、まるで勇気溢れるジャンヌダルクのようでした。
最後に木村ポイント!
滝行時は、男性はふんどし、女性は裸に白装束着用になります。濡れた白装束でいるのは恥ずかしいかな……、と思いきや、男性陣は修行の過酷さに一点集中をしていたのでご安心を。神主さんによると「男性は失神する人もいるけど、女性は雄叫びの声も大きく度胸も肝も据わってる。いつも女性の芯の強さには驚かされるよ。」とのことでした(笑)