ドローンの醍醐味! 雲の上から世界を見下ろす

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2019.05.13

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ドローンの醍醐味! 雲の上から世界を見下ろす

目次

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まるでギリシア神話の世界。石垣島で雲の上まで行ってしまった

徳之島でも雲の中へ。雲隠れのBEFORE/AFTERにはまっちゃう

おまけ・徳之島の超独特濃密文化の源と喜念浜で出会った

ドローンはどこまでも自由に、わたしの好きにさせてくれます。結果、いっつも予想もしない突飛な世界へと誘ってくれるのです。これまで何度か、雲の中を飛びました。1度は雲の上の世界で遊んだことも。放心ものでしたよ、神様の領域すぎて。そんな体験は最高すぎるし、なんと言っても、「いつも自分の周りで、想像を超えることが起きている」という真実を体の芯に根付かせてくれました。

まるでギリシア神話の世界。石垣島で雲の上まで行ってしまった

先日石垣で、ドローンの魅力、ドローンの醍醐味を象徴するようなフライトをしました。まずは、動画をご覧ください。

その日は、日中から雲が重くて重くて、空から落っこちてきそうだったんです。ヘルメットでもかぶっとこうかな、いや雲だしドサッときても柔らかいかな。

ドローン旅の絶景写真

とっくに夕日を拝むことなんて諦めていました。どうやら今日の雲は太陽愛が深すぎます、抱きかかえて誰にも渡さない決意が見えるよう。

それでも夕暮れには空撮をするんです。太陽のお顔は拝見できずとも、どんな雲に出会えるかは楽しみだから。表情が未知数なのは太陽より雲ですしね。太陽の美しさの方向性はまぁ変わらないけど、雲は日々違います。色も形も厚みも規模も、全てがご機嫌しだいでしょ。

待ちに待った夕暮れ時、南ぬ浜町へ向かいます。内地暮らしのわたしには謎の文字列ですが、「ぱいぬはまちょう」って読むんですって。2016年に誕生した埋め立て島で、現地ではよく知られているサザンゲートブリッジを渡った先、石垣港の向かいにあります。

ドローン旅の絶景写真
ドローン旅の絶景写真
ドローン旅の絶景写真

橋を渡りきるとドキッ!! 太陽がうっすら顔を出してくれたんです。大慌てで離陸場所を探し、パッパと準備をしてテイクオフ! すぐに、太陽へ吸い込まれていく船と、太陽に背を向けてやって来た船が目に入ります。

後者は、船も船の中の人も、もっと太陽を味わっていたかっただろうなぁ、でもデッキからはまだ太陽を拝めるのかな……なんて一瞬船に乗っている気分になったすき、写真2枚目、ほんの数メートル上昇する間に視界がぐんと変わります。

おっとー! 雲の中に入ったようです。それにしても雲がこんな低い位置まで迫ってるなんて。3枚目の右下を見てください。船の走った波がうっすら見えるでしょ、そのくらいの低さなんです。

唯一の目標物、太陽を目指して雲の中を上昇します。まるで素潜りで海の底から海面を目指しているみたい。やっと雲から顔を出せると、ふはー! 息が吸えた気分。

ドローン旅の絶景写真

息をのみました。海の底から、神様の領域へ。空のずっとずっと上の方、ギリシャ神話の世界まで上がって来ちゃったみたい。神殿みたいのがそこらにあって、白い布巻いた天使がふよふよ飛んでそう……。いや、ドバイタワーのてっぺんなら実際にこうなるかなとか思った瞬間、天使が札束に変わったんですけどね。

数分天上界を味わったら、雲の海に入って下界に戻りましょうか。雲はまさに、のび太の机の引き出し。飛び込めば別の時代にワープできるタイムマシンみたいでしょ。ではわたしも別次元へ。

ドローン旅の絶景写真

雲にもぐると、客船がちょうど自分の下を通り抜けるところでした。

ドローン旅の絶景写真

あーあ。雲を挟んで太陽と船。こんな構図を、絵ではなく、想像ではなく、自分の目で見るなんて。

ドローン旅の絶景写真

わたしがこの船に乗っていたとして、自分の上空の状況を想像したでしょうか。すぐ真上にギリシャ神話の舞台、ドバイタワーの世界、のび太の机の引き出しがあったなんて、まさか思いませんね。震えました。これこそ、ドローンの魅力。

いつどこにいても、美しい世界、おもしろいもの、もしかしたら怖いなにか、いろんなものに囲まれている。自分の目に入らないだけで、自分のすぐそこで、想像を超えるいろんなものがあって、いろんなことが起きてる。

例えば今、駅のカフェでパソコンを開いていますが、この上空や地下街で、もしかしたら隣の店で、想像を超える何かが起こっているかもねとリアルに意識できるし、それがおもしろい。どこにいても周囲の可能性にワクワクするスイッチを授けてくれる、これもドローンの魅力なのです。

ドローン旅の絶景写真

ちなみにこれ、雲の中の写真なんです。この後もっと低いところまで雲がせまってきましてね。まさに視界ゼロの中、GPSと地図を頼りに慎重に戻ってきました。

徳之島でも雲の中へ。雲隠れのBEFORE/AFTERにはまっちゃう

徳之島の喜念浜でも、雲に入ったことがあります。雲がどこまで降りてくるかなんてなかなか予想できず、ひたすら偶然の産物なので、すごく新鮮な気持ちになります。視界がないのはちょっと焦るけど。

ドローン旅の絶景写真

太陽が見えない確率80%の早朝、やっぱり雲目当てで空撮に行ったんです。

ドローン旅の絶景写真

暗い朝、雲は形すら見せてくれず、べたっと空一面に張り付いています。世界がぼやけて、なんだか海ごと水に沈んでいるみたい。

ドローン旅の絶景写真

そのとき、サーッと雲が流れて来ました。ドライアイスの白煙みたいのが急に包み込んできたんです、モニターの世界に集中しきっているわたしは、自分ごと包まれた気分でドッキー! 怖かった……だってここは、おばけの噂をよく聞く離島で、薄暗い朝で、わたしはぽつんとひとりだから。パッと顔をあげてあたりを見回します。あーよかった、いつもと変わらない砂浜でしたよ。

ドローン旅の絶景写真
ドローン旅の絶景写真⑯

一度そんなドッキリを味わったら、もう大丈夫。BEFORE/AFTER 写真のごとく、雲前雲後を見比べるのがおもしろくて、アンニュイな雲の中をふわりふわり漂ってパチリ、飛び続けます。一瞬足りとも同じ表情でいない気まぐれで美しい世界に魅せられました。

ドローン旅の絶景写真

ところで喜念浜は、雲のないときに撮るとこんな感じです。砂は白く、春はあおさでいっぱい、海は透明で水色。徳之島を訪れたら一度は降り立ちたい美しいところです。

おまけ・徳之島の超独特濃密文化の源と喜念浜で出会った

普段の喜念浜で何より特徴的なのが、こんな情景です。

ドローン旅の絶景写真

巨大なのが砂に喉を擦り付けてる! いや、牛っぽいのはわかるんですけど、あんまり大きいから一瞬信じられなかったんです。この牛、闘牛用なんです。トレーニング中なんですって、喜念浜は闘牛トレーニングのメッカなんですよ。

……というこの物言いもちょっと理解しきれませんよね。闘牛って聞いたことあるけどイマイチ。闘牛用の牛なんているんだ? ていうか牛のトレーニングって? 疑問が多いと思います。

ちょっと話題はドローンからそれますが、雲に入った土地からの流れで、豆知識的ネタはいかがでしょう。



徳之島では古くから闘牛がさかんで、現在でも島民の闘牛愛は熱いんです。牛はとっても大きく700kgから、大きいのだと1トン以上! のっしのっしと歩く姿は、いやぁほんと怪獣並ですよ。

闘牛をするのは闘牛場。島は周囲約80kmしかない小ささなのに7箇所もあって、頻繁に試合が行われているんです。目的は牛の強さを競い合うこと。スポーツ観戦と似たような要素もあるのでしょうか。牛は個人の所有物で、飼い主さんやチームとなって育てているメンバーが闘牛の試合に向けて筋力をつけるためのトレーニングをさせるんですって。

ちなみにビーチだけでなく、道にも突然のっしのっしと巨大な牛が散歩していることがあって、見かけると思わず二度見してしまいますよ。「ん……もしや牛?? 大きすぎ!」わかっていても、常に二度見(笑)。それで、徳之島で大好きなのがこれ。

ドローン旅の絶景写真

「牛がトレーニングという名の散歩をしているから、人間の方が気を付けてね」という看板。島をあげて闘牛が好きなんですねぇ。まず都会では見られない独特な寛大さに、どこか和むのです。

ドローン旅の絶景写真

これが実際見てきた闘牛の様子です。この島の大切な文化だから見に行ったのですが、実は怖いイメージが先行していました。だって試合中は牛が怪我をして血が流れると聞くから。

それが……始まった途端テンション爆上がりですよ! 巨体と巨体が激しくぶつかり合う勢いにグッと引き込まれました。やっぱり血も流れました。痛々しくて目を手で覆うのですが、手の隙間から覗き見る、人が古来より使ってきたあの手法でしっかり見届けましたよ。

そして徳之島の島民性についてスッと納得。血気盛んで情熱的、違う角度から見るとけんかっぱやいとか、よく言われているんです。なるほど、小さい頃からこういう試合を日々のお楽しみにしている大人に囲まれ、実際に体感して育つなら、そんな島民性に仕上げるかも? わたしも、もしこの島で育っていたら、絶対今の100倍血気盛んだった気がしています(笑)。

Author

ドローン旅作家 とまこ

ドローン旅作家

とまこ

元秘境ツアー添乗員で現在は“おしゃれパッカー”、“美肌ダイエットマスター”として本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍する旅作家。「離婚して、インド」(幻冬舎文庫)など既刊12冊。2017年から旅先でのドローン撮影を始め、今では「飛ばさないと落ち着かない!」というほどのドローン好き。旅先での美景、絶景の撮影はもちろん動画の編集も手掛ける。

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