ひとりで順調に事故ってます(笑) それでもドローン旅は続く

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2019.03.11

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ひとりで順調に事故ってます(笑) それでもドローン旅は続く

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調子よく気分よく飛んでたら、崖の上につっこんだ!

見事な波被り画像をどうぞ、なかなか神秘的だよ(笑)

4度にわたる大捜索の末に感動の再会! ドローンがいいこと教えてくれた

順調にドローンを飛ばしているとお思いですか? いえ、順調に事故ってます! 実際、今現在も水没させて修理中ですし(笑)。他人様に被害があるようなことはもちろんございません。勝手にやらかし破損させて、チーンとなっているだけなのでご安心を。そんな中でもチーン度の高い事例を、まあネタ的にご紹介いたしますので、「あはは、やっちゃってるよ」感覚で読んでいただけましたら幸いです。衝撃の動画は後半のお楽しみ。

調子よく気分よく飛んでたら、崖の上につっこんだ!

ところで、事故っていうのは本当に心が緩んでる時に起こるものなんですね。証拠に、事故を起こす多くは1番よく飛んでいる石垣島で。フライト回数が多いから可能性が上がるとも言えますが、どちらかというと、気が緩んでいるからでしょうねぇ。

石垣島の北には、久宇良という集落に「サンセットビーチ」なるわかりやすいネーミングのビーチがあります。いやほんと、ばっちり西向きで、年中すてきな夕日が拝めますよ。

下の写真の浜はその南隣で、石垣の多くの岸辺がそうであるように人手の入っていない自然体のエリアです。

ドローン旅の絶景写真

この日はめちゃくちゃ天気がよくて、スイースイー飛び回るのがあー気持ちいい。普段は広いところを飛び回るのが好きですが、ピンポイントの対象物がないことも多いんです。だから走っているボートなんかを見つけると嬉しくなってすぐ追いかける、ってネコか。

このときの狙いは釣り人(同伴者につき問題なし)、写真中央の点です。海の中をバシャバシャと歩き回る釣り人を中心にクルークルーと引いたり寄ったり調子よく飛びます。ちなみに円を描くように回るときは、機体を常に被写体の向きに合わせながら、横へ走らせるのが基本です。「回り方上手くなったー」と、だいぶいい気分。

そんなときです。

ドローン旅の絶景写真

釣り人を後ろから……

ドローン旅の絶景写真

って、あれ、植物?

ドローン旅の絶景写真

変化に気づいた時は手遅れなんですね。

ずさぁぁバリバリバリッ!
なんて音もしません、離れたところですので。でも頭の中ではクラッシュ音が鳴り響いています。

ずっと機体前方の釣り人を見ていたけど、横にも目が必要でした。実際には機体の横にレンズはないので、「想像」という目で視野は広く、いろんなことを敏感にキャッチしないといけないんですね。何においても。このときは余分な説教などいらなかったんだけど、妙に自分自身に突きつけられましたよ……トホホ。

ドローン旅の絶景写真

で、機体はというと、ここです(笑)。3m ほどの崖の上の茂みの中!! このときはまだ機体にバッテリーが十分に残っていて、送信機でシャッターを切ると、その合図の光が見えたので位置がすぐにわかったのです。はい、釣り人がよじ登ってとってくれました、感謝感激!

そして機体はまるで問題なく元気、不死身かな(と思ったけど違うと知ったのは次)。

見事な波被り画像をどうぞ、なかなか神秘的だよ(笑)

ドローン旅の絶景写真

ある夏の日、石垣島の伊原間の浜で、日の出前からうっとり飛んでいました。この日は水平線付近がもやっていたようで、太陽は雲の中に昇りました。少しすると雲から顔を出し、強烈な光のアピールとともに顔を出します。おはよー!

その頃には1本目のバッテリーが少なくなっていたのでいったん地上に戻してバッテリーを付け替えます。さぁ、あの光の中へ再出発です!

ドローン旅の絶景写真

スタートの動画にはだいぶ気を使います。自分たちよりかなり低いヤドカリ目線から、ずっと高い鳥目線まで浮上していくんです、現実離れしてるでしょう! この過程をより臨場感を持って見てもらうには、迫力も大切な要素だと思います。だから離陸はできるだけ波打ち際ギリギリからがいいなと。

このときも、砂浜の上に機体を置いてはもう少しだけ波に近く、置き直してはもう少しだけ……とジリジリ前進させていました。何度かそうして、「よしオッケー」と、自分監督からゴーサインが出たのが上の写真の位置です。

さあ離陸! プロペラが回り始め……

ドローン旅の絶景写真

うそ、ここまでくる?!! 瞬間的に手が機体に伸びましたが、プロペラが回っていて触れない!

ドローン旅の絶景写真

そうして、こんな臨場感抜群の写真が残ることになったんです。波、かぶってるじゃん!

ドローン旅の絶景写真

ザーッ。一瞬、画面に神秘の世界が映りました。

妊婦さんのエコー写真かなー。花火を回しながら撮る、夏の淡い思い出写真かなー。いえいえ、波間に揺れる朝日の反射がきれいだなー……アーメン。

次の瞬間、飛び立ちました。うそっ!生きてる!……と思ったのも束の間、操作不能でふよふよ浮いているだけ。今度はどうやって地上に下ろそうかといろんな可能性を頭の中で探りましたが、結局、自動の着率操作が働きました。はい、そして、2度と息を吹き返すことはなかったのです。あの写真は遺言だったのかな……。

「チャレンジは大切だけど、命あってのチャレンジだよ、自分は身代わり……」天国のドローンが言っています。うん、わかった。これからはますます気をつけて、旅をして、飛ばすことにします。


ちなみに、この後は防水デジタルカメラを借りて、せっせと水の中から石垣を撮りました。

ドローン旅の絶景写真

ドローンがなくなったせいで目的の写真活動がストップしたら、もう悔やんでも悔やみきれないから。ドローンではむしろ絶対に実現しないいい写真を撮ろうと必死になりましたよ(笑)。

ドローン旅の絶景写真

結果、この撮影の魅力も知ってOLYMPUSのTG5を購入し、今はあちこちを波間からも撮り歩いています。

4度にわたる大捜索の末に感動の再会! ドローンがいいこと教えてくれた

これまでは、DJIのMavicProというドローンを使っていた時のお話。こちらは、2018年の9月に発売されたMavic2Proとの出来事です。

以前に「想像の目」の大切さを思い知ってから、ここはいろいろなものがありそうだと想像すると、リアルの目でもかなり周りの環境を確かめるようになりましたよ。

でもね……Mavic2Proは頭がとってもいいのです。MavicProにはなかった、全方位に安全装置がついていて、障害物があると進まなくなるはずなんです。また、気が緩みましたねえ。

ドローン旅の絶景写真

この日、石垣の伊土名からの夕日はとってもきれい。これは沈みきった後のマジックアワーにも期待が募ります。

ドローン旅の絶景写真

そして太陽は姿を隠し、地球の向こうからの残り陽で、こんなにも世界を染めはじめてくれました。これは、滑りたい。オレンジの海の上を走ってみたい。そんなわけで撮影したのがこちら。

ご覧いただけましたでしょうか。まあそんなわけです(笑)。全方位に安全装置があるから平気平気と思い込んでいたのですが、暗すぎると無効になるんですって。

そういえば送信機に、日本語でそう表示されています(笑)。このときはMavic2Proを使い始めたばかりだったこともあり、その文字の真意をまだわかっていなかったんですよ。いや、真意も何も、「無効だ」とストレートに表示されるのですが(笑)。


このときは、救出になかなか苦労しました。まず、手がかりとなるのは送信機で見るGPSのこの画面です。

青い丸が自分で、黄色の「H」が飛びはじめたスタート地点。赤い矢印がドローンの今です。左下のワイプのような画面がドローンのレンズが見ているシーン。

ドローンが見ているシーンを大きくするとこう。赤い光はドローンが緊急事態で発している光です。なんだか複雑に木の枝が入り組んでいるところにいるようです。

海の中に腰まで浸かりながらザブザブ入ってGPSと重なる崖の下に行くも、今度は光が見えません。奥深くに入りこんじゃったんでしょうね……。このときは満潮で水位が高く、海の中に脚立を運んで下から攻めます。

ドローン旅の絶景写真

見苦しい写真ですいません。上に伸びているのはパートナーの足ですが、あわあわしながらiPhoneでパシッと撮りました。焦りなど含め雰囲気を感じ取っていただければ幸いです(笑)。

どこからよじ登っても、藪が深くてまるで見つけられず。おまけにここは、アダンという南国の超痛いトゲトゲたっぷりの植物も生い茂っていましてね。がんばるにもほどがありました。

諦めて一旦退散、その後、深夜の干潮時にまるで水がなくなるころを狙って再出動、やっぱりダメ。翌明け方もダメ。

昼間、4度目の出動で別の崖の登り方がわかって、アダンやそのほか盛大に生い茂る枝に絡まりながら進んで行くと……

ドローン旅の絶景写真

感動の再会でした。そして、健康体でした!

このときは、とっても温かい気持ちでいっぱいだったんです。いえね……上の写真で足が伸びていたように、諦めなかったのは絶大なる協力があったからです。夜も深夜も早朝も昼間も、海に入って土にまみれて、アダンにささりながら。いくらパートナーでも、自分にそこまでできるかなぁ。いやなんなら、そうする人は相手が誰であってもそうするんじゃないかな。

それ以来、ドローンを見るとなんかいいことしたくなります、できているかどうかはひとまず置いて(笑)。ほとんどの時間、自分本位の怠け心に負けがちですが、ドローンは心洗浄スイッチでもあるんですよ、すごいメカでしょ。


そんなわけで、作品たちはこんな失敗の数々と、不屈の精神からできあがっていたりするんです。同じ経験をした方はぜひ励みに(笑)ドローン撮影をこれからしようと思っている人、ドローン撮影の裏側が知りたい人は、同じ思いをしないための教訓にしてください。

Author

ドローン旅作家 とまこ

ドローン旅作家

とまこ

元秘境ツアー添乗員で現在は“おしゃれパッカー”、“美肌ダイエットマスター”として本の執筆や講演、TV出演など多方面で活躍する旅作家。「離婚して、インド」(幻冬舎文庫)など既刊12冊。2017年から旅先でのドローン撮影を始め、今では「飛ばさないと落ち着かない!」というほどのドローン好き。旅先での美景、絶景の撮影はもちろん動画の編集も手掛ける。

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