春の絶景、詰め合わせ! 木村裕子のおもしろ鉄道旅~山北駅編~
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日本人なら誰もがウキウキしちゃう、桜の季節はもうすぐそこ。今年はどこの桜を見に行こうかな……。せっかくなら、人が少なくて日本の美がギュッと詰まっていて、絶景温泉にも入れちゃう、そんなとっておきの“お花見駅”へ出かけてみませんか?
JR御殿場線「山北駅」は、桜・菜の花・SL・富士山と春の絶景を詰め合わせたような駅。ここを目的地として誰かを誘えば、あなたの株が上がること間違いなしです。
桜と菜の花の花道を列車がランウェイ!
この写真を撮った年は菜の花がすでに散っていましたが、見頃の時期は桜の下に菜の花の絨毯が現れます。
全国には「桜のトンネル駅」と呼ばれる駅もいくつかありますが、私のイチオシは富士山の近くを走る神奈川県JR御殿場線の山北駅です。ここは鉄道ファンなら誰もが知る、超有名な桜スポット! 桜のトンネルと菜の花の花道を、列車が堂々とランウェイしているような景色が広がります。鉄道ファン以外にはまだあまり知られていないせいか「写真を撮っても桜より人の方が多かった……」なんて悲しいことがありません。素敵な1枚が撮れますよ。
公園に置いてあるSL……なんと走ります
近くにある山北鉄道公園ではSLが展示されています。公園ってよくSLが置いてありますが、ここは一味違います。なんと、実際に12m走るんです! ずっとここに置かれていたSLを元国鉄蒸気機関士さんが整備し、その再生ドラマは“奇跡の復活”と語り継がれているほど。不定期ですが、イベント時には力強く動く姿が見られますよ。公園のすぐ真横を、上から見下ろせる位置に列車が走ります。公園内にもたくさん桜が咲いているので、お弁当を持ってお花見をしたい時はここがベストです。
富士山ドーン! 源泉100%美肌の湯
桜を見た後は、御殿場駅から無料送迎バスで美肌の湯として有名な「ごてんば市温泉会館」へ。ここは大浴場から雄大な富士山が一望出来る温泉です。昼間の富士山はもちろん、夕方のオレンジの空と街の夜景に浮かぶ富士山もまた神秘的。源泉100%美肌の湯は、お肌がツルッツルになります。入浴料は3時間500円~と割安。私が行った時は、インドから旅行で来た女性が浴室で話しかけてくれたのですが、言葉が全く通じず、困った私はとっさに「マウントフジ!ビューティフル!」と投げかけてみました……大きく頷いて、笑顔で握手をしてくれましたよ(笑) 富士山に国境はないようです。
最後に木村ポイント!
昔から、桜と鉄道の縁はとっても深いんです。例えば、駅の開業時にはホームに祝い植樹をします。兵庫県の「さくら夙川駅」や秋田県の「井川さくら駅」は、沿線に桜の名所があることからこの駅名となりました。さらに、山陽・九州新幹線には「さくら」という愛称の新幹線も走っていて、ソメイヨシノ発祥地である山手線駒込駅は、発車メロディーが「さくらさくら」の曲なんです!