かっこいいのと独特なのと。自分の本分を凛々しくまっとうする灯台が好き!
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灯台がかっこよくてねぇ。いろんなところにあるけど、陸地にあるのが特に好きです。今回は鹿児島の与論島、奄美大島、新潟の佐渡島、そして沖縄の黒島・宮古島と、さまざまな表情を持つ灯台をご紹介します。まずは動画で気持ちよくなってください。与論島の赤崎灯台です。
灯台を好きな理由は凛とした地球の目印だから
灯台って、人気のないへんぴなところにあること多いでしょ。ごっつくて寂しいところで凛と佇み自分の本分をまっとうしている姿に、背筋が伸びる思いになるんです。それに、ドローンで空から眺めると土地のスケール感がわかりづらくなるところも、灯台があると身にしみて!! 陸地の隅っこで地球の大きさを示してくれる目印としても最高、いい仕事しすぎです。では、あちこち大好きな灯台がある中で、特に印象深いものをご紹介いたします。
沖縄本島と向かいあうのが哀愁かつファンタジー! 与論の赤崎灯台
ここは動画でもご紹介した赤崎灯台です。鹿児島県の一番南の与論島のなかでも南に位置する赤崎にありますよ。そんなわけで、もう少しだけ南に行くと、沖縄本島があるんです。
雲と海に挟まれて、うっすら陸地があるのが見えますか? あの辺は沖縄本島の“やんばる”です。たったの23kmしか離れていないんですって。よく、与論島は鹿児島県の所属だけど、「文化も意識もほぼ琉球」と聞くんです。このシーンを体感してとても納得がいきました。もしかしてこの灯台が琉球の意識を受信して、与論に引き継いでいるのかもしれません? スパイかな!?
面積20平方㎞の小さな島だけど、ポツポツとどこまでも家が絶えない土地なんですね。畑もまんべんなく広がって。人々に隅々まで愛されているんだなぁ、豊かだなぁと感じます。
海はザッパン山はゴツゴツ! 激しすぎる背景にヒヤヒヤする笠利崎灯台
ここは奄美大島の北の端、山の上にチョンと見えるのは、笠利崎(かさりざき)灯台です。このときのフライトは過去一番ヒヤヒヤしてました。土地柄が冒険的すぎるんだもの!
灯台の海の先には、何にも見えません。ただただ、青々とした海が漠然と広がっているんです。そして波が激しい! 三角に尖ってる土地だからか、波がぶつかりあって激しいこと。そして長い。白波が彗星の尻尾のように長くながーく姿を消さずに打ち寄せてくるんです。
ドローンを操縦しているわたしは、常に気持ちが機体と一体化して自分が飛んでいる気分になっていますが、このときは吸い込まれてしまうような怖さを味わいました。もしやこの海はバミューダトライアングル? もしやもしやのブラックホール?? リアリティ溢れるエセ・アドベンチャー体験に、少しだけ心が鍛えられたような感覚です。
写真2枚目、こうしてサンゴ礁の中の水色地帯に戻ってきたときは、ホッッッとしたんですよ。それにしても、どこで見るより灯台が小さく見えます。奄美の自然は大きいですねー!
ちょっと脱線、「おばあに注意!」。
笠利崎手前にあって、きっとあなたが行く途中にも通る須野のという集落にありました。笑っちゃいます、脱力します。人影は見かけなかったけど、無理矢理にでもおばあを見つけて抱きしめたい気持ちになりました(迷惑)。
言うことなし! ダントツかっこいいのは佐渡の沢崎鼻灯台
全国の灯台さん、すみません!! そして、いち灯台好きのわたしの言うことなんて気にしないでください! 個人的No. 1かっこいい灯台はここです、佐渡島の南、沢崎鼻(さわざきばな)灯台。だってこの……驚異的に美しい、海水に透けて見える海中のごっつくもスマートな岩々。立体的に走り大きくカーブする道。黒々と輝く集落の瓦屋根。そんな背景を背負い、凛と佇む灯台に、萌えて萌えてしかたがないんです!!
飛ばす自分が立つ場所も最高なんです。灯台の前に広がる岩の先にまで行けちゃうんですから。
写真2枚目、赤いポツがわたしです。ここには石碑があるから誰にでも行ける安全な場所ですよ。正々堂々の目の前に、この青い海を柵なしで見下ろす気分のよさは景観への評価もぐんと上がります。だって気分がいいんだもの。ここで飛ばしている間、定期的に「かっこいい〜!」ひとりごとを言っていたものです。しかも人がいないから大きい声で(笑)。
なんだこののっぺり……シンプル具合が激しい背景を背負う黒島灯台
なんなんでしょう、このなんにもなさは……本当に灯台しかない(笑)。家も、畑も、道も、起伏さえも。すべてが最小限のミニマリスト、黒島あっぱれ、大好きです。ちなみにここは八重山にある離島のひとつで、面積は約10平方㎞、標高は最高でも約15m、うーん平。島と山の関係を思うと、どうしてもバストが浮かんでくるんです。さらに万年バストアップしたいと思っている自分は、黒島に妙な親近感を覚えます。こんな脱線やめておけ。
ともあれ、そんな黒島の愛すべき最大の特徴、“ザ・なんにもない”を際立たせるから、黒島灯台が好きなんです。超抜けのいい灯台、それくらいしか目の置き場のない灯台、観光スポットとしてプレッシャーがかかりそうだけど、実は他の人とバッティングしたことのない灯台……ハイシーズンに2回訪れたのに。
もっと引いて眺めるとこうなります。さすが日本最大のサンゴ礁「石西礁湖(せきせいしょうこ)」! 灯台があんなに小さくなるほど離れても、まだリーフエッジが見えません。ちなみに写真左奥、海を挟んで向こうの島は、大きく山もあるジャングルだらけの西表島。すぐそこに島があり、暮らしがあるという感覚は、この小さな島に佇む自分をホッとさせてくれるんです。
やる気を感じる・尊敬しちゃう! 宮古島の神秘的な東辺名崎灯台
最後に、宮古島の南東に位置する東辺名崎(ひがしへんなざき)灯台をどうぞ。島の本体から腕を伸ばしているような、ちょっと独特な雰囲気のある場所です。特にこのときは雲が多くて、より神秘的な世界観をまとっていました。
突き出た陸地の先にひとりキリッと立っている灯台の思いは「いち早く船を案内したい!」でしょうか。はやる気持ちが、島の一部を先へ先へと伸ばしたような。灯台にはやっぱり、自分の本分をまっとうするかっこよさを感じるんです。
また、海に陸地と並行する青い道が走っているのも風景の旨味を深めてくれます。ちなみにこれは自然の道ではありません。サンゴの多い地域では、船が通れるようにサンゴを削るそうです(船なしで暮らすことは不可能なので仕方ないですね)。灯台が導いた船はあそこに入場するんですね。
ドドドと打ち寄せる波を、波を超えてやってくる船を、いつでもずっと見守っている灯台、おつかれさまです。たまにはお仕事休んでねと言いたいけれど、そんなわけにもいかないし、休みたいとは絶対に言わないだろうし。尊敬します、凛々しく立ち尽くす灯台。
ドローンの視点から眺めてハッと気づかされるそのかっこよさに、きっとみなさんも惚れてしまうはず!