カレー=旅! 大量の激辛スパイスで脳内も旅をする?
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辛すぎる料理って味覚というより痛覚だし、とにかく痛い上に味がわからなくなっちゃって苦手……と思っていた私だったのですが、そんな私の辛さへの認識を変えてくれた、さらに“感覚の旅”という新しい旅の引き出しを開けてくれたカレー屋さんがあります。
このお店のおかげで私は辛いものを克服するどころか好きになり、人生の中にエンタメがひとつ増えました。
辛いもの好きは必見の日吉にあるカレー屋さん
嫌いなものを好きになる瞬間、それはこの世界の知らないことを知る瞬間であり、自分の中にまたひとり新しい人物が増えたみたいな気持ちになれる、私のとっても好きな瞬間です。昔は、嫌いなものに割く時間はない! それより好きなものをもっと追求したい! と思っていたのですが、その快感を知ってからは果敢に嫌いなものにも挑む機会が増えた気がします。
さて、そんな貴重な瞬間を私に提供してくれたのは、日吉にある「HI, HOW ARE YOU」というカレー屋さんです。辛いものが大好きな人が「学生時代一番通ったカレー屋さんだよ!」と連れて来てくれたこのカレー屋さん。今では定期的に通ってしまうほど私のお気に入りのカレー屋さんとなりました。
ファブリーズの山!? でもそれも納得!
「HI, HOW ARE YOU」はビルの2Fにあるのですが、階段を登って行く途中に何やらファブリーズの山が。
何事かしら?? と思って店内に入ると、すぐに納得できるほどスパイスの香りに全身を覆われます。
私はいつもこの時点でちょっと非現実的な気分になるんですよね。見えないはずの香りという存在をこんなに全身で感じることがあるなんて、不思議な気持ちです。(音楽もね、目に見えないのにそれを信じてライブハウスに人があんなに集まるって不思議で素晴らしいことですよね)
“辛さの旅路”を乗り越えることになった私の脳内
メニューには“大辛”や“激辛”の文字が並び、どの位辛いんだろう……大丈夫かな……? と心配しながらも、初めて足を運んだ日も今日と同じ、オススメされた「トリッパパキスタンとキーマカレーのあいがけ」を食べました。
大量のスパイスが複雑に絡み合った味は確かに辛いんだけど、ただ痛い辛さじゃなくて、いろんな味が舌の上を踊り、どうしてこんなに美味しい味になるの!? と感動の方が先にきました。口に運んでは味を観察して、感動して、というのを繰り返していくうちに、だんだんと口の中が本当に辛くなっていくんだけど、「ウワァ! 辛い!」と思いながらも、「うー! でもこの味が気になる!」とついついまたカレーを口に運んでしまうんです。
そのうち、サウナに入っている時みたいに体の芯から熱くなってきて、いつも乗り越えたことのなかった“辛さの旅路”を乗り越えることになった私の脳内では、大勢のスパイスたちが大行進しながらダンスを踊り、何かを成し遂げたあとのような、アドレナリンがふつふつと湧いてくる感覚がするのです。あまりにも愉快なそのスパイスの行進の動きを知るべく、口の中の“辛い”という感覚に焦点を合わせてじっと観察してみると、その行為自体が研究のようであり、アトラクションのようであり、、その時、私は「そうか! 辛さというものはエンターテインメントなんだ!」と合点がいったのでした。それからというもの、辛いものがすごく好きになり、その名の通り刺激が欲しい日は辛いものを食べに行くのが恒例となりました。
余談ですが、中華街で一番辛い麻婆豆腐なるものを食べたあと普通のお水を飲んだら鉄の味がしたりして、感覚の旅を楽しんだりもできました。
辛いものが大好きな方はもちろん! 苦手な方もぜひ一度試してみてはいかがでしょうか?