パンシェルジュ・パン野ゆりさん激押し! 福岡の進化系パン屋「ダコメッカ」とは

高級食パンを皮切りに、進化が止まらないパン業界。切り口がキュートなフルーツサンドや、耳新しい「マリトッツォ」など、テイクアウトしても楽しいサンドイッチやパンが、日々アップデートされています。
今回は、製法や歴史、マナーなど、幅広い知識が必要な”パンシェルジュ”の資格を持つパンコーディネーターパン野ゆりさんに、今一押しの進化系パン屋さんを教えていただきました。モデルとしても活躍するパン野さんが迷わず選んだというパン屋さん。いったいどんな進化をしたパンにハマっているのでしょうか。
Text&Photo パン野ゆり
目次
パンノゆりのオススメパン屋さん
初めまして。旅色読者の皆さんこんにちは!
パンが大好きなパン野ゆりと申します。
私のパン好きの根源は、母親のパン好きDNAを継承しているという部分から始まるのですが……ここ数年、パン愛の覚醒が著しく、自分でも驚いております。
この「パン愛の覚醒」のきっかけとなっているのが、様々なパン屋さんの進出! 今回は伺ったパン屋さんの中で、私が一押しなパン屋さんをピックアップしました。

長引くコロナ禍で自重している巣ごもり生活の中、パン屋さんに行く事で、発見があったり、ワクワクしたり、感動したり……。前向きな気持ちになって心が軽くなったり、何よりとっても楽しい! そう思えるお店を福岡で発見しました。
その名も……「ダコメッカ」!

ダコメッカとは
皆さんは、東京・表参道で連日行列になっているパン屋さんをご存じでしょうか? パン好きの方ならきっとお分かりのはず……! そう、「アマムダコタン」です。オープンして早3ヶ月。土日のみならず、平日でも2時間待ちという驚異的な数字を叩き出しているこちらの店舗。実は、姉妹店があるんです。
元々アマムダコタンは、福岡の六本松に本店を構えているのですが、実は同じエリアにもう一店舗、博多駅直結、2021年春に姉妹店としてオープンした「ダコメッカ」が存在するのです。
全国無数にあるパン屋さんの中、私の今の推しは断然、このダコメッカ一択!
そんな訳で、推しな理由をご紹介しましょう。
パン野ゆりが注目する「ダコメッカ」のポイント
POINT1 パンのテーマパーク

カラフルでポップな世界観の中に妙に癖のある猿やら石やらがブラブラと垂れ下がっています。さらによく見ると猿がパンを持ってる!(笑)
一度足を踏み入れると脳裏に焼き付くこのハッピー感と浮遊感。この世界観の中で私達はパンを選ぶ訳ですが、その種類、なんと100種類以上。なんとも嬉しい悩みなんですが、まぁ目移りしまくるしまくる。パン好きさんなら一度は体験した事があると思いますが、かなりの確率でブレッド・ハイに陥ります!
※ブレッド・ハイ……造語。あまりのパンの多さにパンを選びきれず、脳がついていけない状態が引き起こす多幸感、高揚感の事。
POINT2 マリトッツオ震源地の姉妹店!

今大流行中の「マリトッツオ」の種類もすごいんです! 常時10〜15種類のマリトッツオが並びます。こんなに沢山の種類のマリトッツオが選べるお店は世界中でここだけかもしれません。
そもそもマリトッツオを日本で流行らせた震源地は「アマムダコタン」と言われています。オーナーの平子さんは、「ダコタン」や「ダコメッカ」以外にも、レストラン「ヒラコンシェ」などを手掛けているイタリアンの料理人。料理にフォーカスされている様な斬新な見た目のサンドイッチの数々は、パンという作品を超えた美しさがあります。
そんなアーティーなパン達の巣窟、アマムダコタンのInstagramのフォロワー数は14万人。ひと目見ると誰もが惚れ惚れしてしまうフォトジェニック・ブレッドはSNSでも連日賑わいを見せているのですが、マリトッツオブームも実はここから生まれてきたのです。
POINT3 おいしさの本質

このお店で大切なのが「パンがおいしいだけではない!」という事。
大前提として、パンがとにかくおいしい。それは間違いありません。沢山のフォトジェニックなパン達がダコメッカにもありますが、私が一番好きなのは味がついていないリーンでシンプルなリュスティック。これNo. 1。
光をまとっているかの様なクラムは仄かな小麦の香りとモチモチとした歯応え。勿論サンドイッチや手を加えてもおいしいのですが、ダコメッカのパンは何もしなくても、”清く正しくおいしい”んです。
POINT4 SDGsへの取り組み・サステナブレッド

私達がパンを食べるだけでサステナブルなアクションに取り組める素敵な輪。そんなパンがあったらいいなぁ〜と思っていた……ダコメッカにありました。
おいしくて美しい「ダコメッカ」のパン。それらにプラスαして、ピースフルな取り組み。その名も、サステナブレッド。
ロスしてしまうはずのパンを救うため、アーティスティックにブラッシュアップ。まるでオブジェの様な作品を、おいしく食べて地球に還元することができます。なんて素敵なサイクルなんでしょうか? みんなが幸せなサステナブルな輪。……どんどん広めたい!
POINT5 夜パンのススメ・パンビール

※残念ながらこのパンビール、大人気で今は欠品中。
サステナブレッドの他にも様々な取り組みが行われています。捨ててしまうパン屑達を煮込んで……なんと、ビールに大変身! 優しい小麦の丸さを感じる味なので、ビールが苦手な方でもトライできるはず。パッケージも可愛いので、私は飲み終えた後も捨てずに瓶をインテリアとして飾っています。(ここまでがサステナブル!)
パンビールの他にもダコメッカのイートインスペースでは夜パンも推奨中。パンとのペアリングとしてお酒も提供しています。「お酒+パン=夜パン」も良いものですよ。
私の福岡旅行では、必ず! ダコメッカで夜パンを楽しんでいます。
POINT6 イートインメニューの充実さ

イタリアンのシェフである平子さんの自由演技が見られるのも「ダコメッカ」の魅力の一つ。普通のパン屋さんでは体験出来ない「パンのお料理」の数々。イートインのメニューではパンを一つの食材としてイロトリドリなメニューがずらりと並びます。
いくつか写真でご紹介します!
眼福&口福なパンのお料理が楽しめるのもダコメッカの魅力の一つ。季節によって変わるメニューの品々は定期的に足を運びたくなる理由の一つでもあります。
更にお店へ足を運べない遠方の方には配送も行っています。全国にマリトッツオ便やサステナブレッド便が届くのも嬉しい!
POINT7 炭火ヨロシク

最後にもう一つ。ダコメッカの特徴として炭火エリアがあるのはご存知でしょうか? イートインメニューやサンドイッチ、お惣菜パンのフィリングになっているお肉やソーセージ等はこの炭火エリアで調理しています。パン屋さんで、まさかの炭焼き。
世界中1000軒以上パン屋さんを訪ねている私ですが、炭焼きが見られるパン屋さんはダコメッカが初めてです。パンの種類の多さに始まり、サステナブレッドやパンビールにパングラタン、そしてまさかの炭火まで……喜びと驚きの連続!
前向きな気持ちになる、とっても楽しいパン屋さん

お店へ足を運ぶ事できっと特別な時間になるはず……!
コロナ明けの旅行候補先として、この「ダコメッカ」をリストアップする事をオススメします。
◆パン野ゆり

パンコーディネーター、パンシェルジュの肩書を持つ。モデル・山野ゆりとして活躍する一方、北九州市のベーカリー「PARK BAKER LAB.」のプロデュースなど多彩に活動。パンをテーマにファッションブランド「ViS」とのコラボレーションを行ったりと活躍の場を広げている。